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アイドルの実力とオタクの熱狂


推しの列が、周りよりも早く途切れる。

前のグループより、サイリウムが少ない。

シングルの売上枚数が、後輩グループよりも少ない。

自分よりも、推しから好かれているオタクがいる。


何か一発逆転の方法はないか?と、秘策を探してしまう瞬間でしょう。

しかし残念ながらそんな方法はないので、目の前の現実に向き合うしかないのです。


何か一つできるようになっても

僕は流行に敏感ではありませんが、「鬼滅の刃 無限列車編」の最後に、

悔しいなあ、何か一つできるようになっても、またすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。凄い人は、もっとずっと先のところで戦っているのに、俺はまだそこに行けない。

https://yuran.work/kimetu-mugenressha-meiegn/#i-17

という炭治郎の言葉があります。


学問でも音楽でも仕事でも、何か一つのことに打ち込めば打ち込むほど、この事実を意識せざるをえません。

すごい人達が軽々とやっていることは何十段ものハードルをクリアした先にあるということを、詳しくなればなるほど実感するのです。


どの世界にも瞬発力というものは存在します。タスク処理能、問題解決、音感、ダンスなど、色んなものをその場で済ませられる人は一定数存在するでしょう。

そういった人をみているとまるで要領がいいだけのように見えますが、実はすごい下積みがあるからこそなせる技である可能性があるわけです。


実力なくバズることの怖さ

最近は「バズる」、つまりあるタイミングで投稿が爆発的に拡散されることがあります。

Twitter、TikTok、インスタ、YouTubeなど様々なSNSで多くの人々がバズを狙って色んな投稿をしています。


例えば僕の応援するFES☆TIVEは、2019年に1本の動画が爆発的に拡散されたことで知名度を一気に上げました。

メンバーも「あれが伸びなかったら今はどうなってたか分からない」と語っています。


しかし注意したいのは、バズはSNSの設計者の狙い通りだということです。

人間が快感を感じる要因に射幸性、つまり「何が起こるか分からないこと」があります。一度バズると、この射幸性の罠にハマってしまう可能性があります。
そうなると、実力以上の人気を短期間で手に入れてしまう一発屋になりかねません。


幸いなことにFES☆TIVEはその後も野外フェスの常連として定着していますが、これはデビューからバズるまでに6年くらいの期間があって十分な実力を兼ね備えていたからといえるでしょう。


バズらなくても焦らない

実力がなくてもバズることがあることは、実力があってもバズらないことだってあることを指します。


問題はそういった期間に、いかに前向きにあきらめて力をたくわえられるかだと思うのです。

実力もないのにメインステージで歌えるようにはなりませんし、生半可なままトップとの商談に臨むわけにもいきません。人が来ないライブを経験することも、単純な事務作業やインプットを続けることも時には必要です。


だから、オタクも推しの人気がないことを焦らなくていいと思います。なぜなら一発逆転の方法なんて存在しないからです。少なくとも「バズること」はその解決策ではありません。

とはいえ、「バズろうとすること」は悪いことではなく、むしろ必要なことです。だからオタクは、推しを褒めて勇気づけて、推しのSNS投稿をいいねして拡散しなくてはいけません。


熱狂の泡の中にいるとき

そんなこんなで過ごしていると、「あれ、なんかバブってね?」と感じることもあります。


正直、バズっているときにそれが本物なのか、偽物なのかなんて見分けがつかないように思えます。バブル経済でもそうですが、弾けてからじゃないと泡だったかどうかが分からないからです。

したがって、巷では失敗例ばかりが取り沙汰され、成功例が提示されることが極めて少ないのではないでしょうか?
最初は見せかけの泡だったとしても、気づいたら本物の実力を身に着けていたってこともあると思います。


だからこればっかりは経験するしかないと思います。

僕にも正解は分からないのですが、最低限死なない程度の対策はしたうえで、熱狂に身を委ねるというのもありなのではないでしょうか?

たぶんそこで養われるような本物を見抜ける力こそ、いわゆるセンスと言われるものなのかもしれません。


おわりに

まとめます。


死ぬこと以外の「かすり傷」も、
実は結構痛いのかも?


以上です。

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