3連パン
ノートの端っこに残った、3つの点。
何てことはない落書きの点だが、気になって仕方が無かった。それは、その落書きの点が顔に見えてしまうこと。しかも、じっと見ていると、顔が変わってきているような気がするのだ。ああ、まずい。メンタルがやられかけているのか?と壁を見ると、壁のシミも苦しそうな人の顔に見えてくる。身の回りのあらゆるもの、かばん・車・ビルの窓、何もかもが人の顔に見えてきた。
常に視界の中に人の顔があるのは、本当にノイローゼになりそうだった。何とか逃れたい。
そんな時、本当の人の顔が、その色・シワの感じからパンに見えることがあった。そうか、パン好きな僕としては、人の顔をパンと思えばいいのか!頭の中で何かのスイッチが違う側に倒された感覚があった。
その瞬間から、人の顔に見えていたものだけじゃなく、本当の人の顔さえもパンに見えるようになった。家族、彼女、好きなアイドル、全てがパンになっていた。
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