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万人に勧められる映画ではないが良作!【岸部露伴 ルーヴルへ行く】

【作品ついて】

岸部露伴とは、ジョジョの奇妙な冒険(第4部)の登場人物。
そしてこれは主人公たちの仲間の1人だった
岸部露伴を主人公にしたスピンオフ作品。

原作(漫画)では不定期だがシリーズ化されており、
NHKで実写ドラマ化もされている。
今回のその映画版。スタッフもキャストも共通している。

【ざっくりとしたストーリー】

漫画家になりたての頃に出会った女性から
「この世で最も黒くて邪悪な絵」のことを聞く。
すっかり忘れていた記憶がふとしたことで蘇り、
興味を持った岸部露伴がその絵を探しに行くという話。

【面白いところ】

ストーリーのいたるところに伏線が張り巡らされており、
ちょっとしたミステリー映画のように楽しめる。
「最も黒い絵」とは何なのか、そしてそれに関連する様々な事実。
これらがストーリーを追いながら徐々に明らかになっていくので、
謎解きが好きな方にも楽しめる作品ではないだろうか。

【前作(映画)との違い】

スタッフやキャストの違いはもちろんだが、
一番大きな点はスタンド能力を前面に出していないことだと思う。
前作はスタンドをCGなどで映像化しているが、今回はしていない。

「ヘブンズドアー」というセリフと、
顔が本になるという能力は映像化されているが、
スタンドそのものは描かれていない。

個人的にはこれは正解だたったと思う。
へたにスタンドを映像化することで安っぽくなるよりは良いし、
ストーリーの邪魔にもならない。

【原作(漫画)との違い】

一番大きな違いは編集者の泉京香(飯豊まりえ)の存在だろう。
原作ではルーヴルに行くのは岸部露伴1人だが、映画では2人で行っている。
というか原作では登場すらしていない。

ストーリーそのものに大きな影響はないのだが、
この編集者の存在が良いアクセントになっていた。
詳しくは書かないがルーヴル関係者エマとの2人の会話はグッときた。
これは良いアレンジ(オリジナル)要素だと思う。

【感想】

漫画やアニメの実写化が失敗する場合は、
キャラクターのイメージが違う、世界観が違うなど
そのアレンジの仕方が原因になることが多い。

その点、この作品は映画化にあたってアレンジを最小限に抑え、
作品の良さをしっかり残して作られていると感じた。

原作ありきの映画なので、「ジョジョの奇妙な冒険」を知らないと
すんなりストーリーが入ってこないかもしれない。
タイトルで万人に勧められないと書いたのはこれが理由。

だが「ジョジョの奇妙な冒険」の要素はスタンド能力くらい。
スタンドについても序盤に説明するシーンはあるので、
原作の知識が無くても楽しめなくはない。

描写の一つひとつが丁寧に作られているので、
謎解きや不思議な現象に興味がある方なら
原作、というか「ジョジョ」を知らなくても楽しめると思う。

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