レポート記事の書き方

最近、お仕事としてレポートの記事を書きました。
シナリオとは別物だったので戸惑うことも多かったです。
その経験を忘れぬよう、備忘録として残すのが本記事の目的です。
偶然、目についた方は何らかしらの参考にしていただければ幸いです。

手順

①記事の執筆前

1-A:クライアントからの意向を把握する

発注者がその記事で誰に何を伝えたいか、どのような印象を持たせたいかをしっかりと把握しておきます。
記事には様々な種類があるので、この認識に齟齬があると厄介だからです。
例えば報道記事のような正確さや平滑な表現を心掛けていたのに、芸能記事のようなものに直さねばならなくなった場合は、修正に多大な労力がかかることでしょう。
発注書をよく読み、可能であればクライアントに直に尋ねる方が無難です。

1-B:お手本になりそうな記事の分析

類似の記事を探して、構成や書き方をよく確かめましょう。
初めて書くタイプの記事の場合は、特にお手本が手放せません。
頻繁に見比べてブラッシュアップに努めます。

1-C:取材

現地取材、インタビューの他、関連書籍を読み漁るなどの情報収集も含みます。得た情報の厚みが記事の厚みに直結すると思っています。私の感覚では、全行程の内2/3ぐらいは取材に費やします。

②執筆時

2-A:何を一番伝えたいかを決める

いわゆるテーマを決めます。
読み終わった後にどんな印象を読者に持ってもらいたいか、最初のうちにしっかりと決めておかないと、書いているうちにブレてくるからです。

2-B:最初と最後とメインの箇所を先に書く

人によるかと思いますが、最も読者に読んでほしいと思えるメインの箇所を先に書くのをおススメします。ザックリでかまいません。
記事の最初や最後は大抵お決まりなので、これもサラッと書いておきます。
『最初ーメインー最後』が記事の骨格となります。他は肉付けでしかありません。

2-C:構成を決める

記事の種類や文字数に依拠します。類似の記事をよく分析すると失敗は少ないです。
記事の種類によりますが、私の場合は一番盛り上がるメインの文を全体の3/5~4/5のあたりに配置する。最後の文は2、3行と短く留めて、メインの文章が与えた余韻を邪魔しない、などと心掛けるようにしています。

2-D:情報を箇条書きにする。

伝えるべき情報を箇条書きにして並べます。
これによってうっかり伝え忘れを防ぐことができます。

2-E:めちゃくちゃ肉付けする。

箇条書きにした情報をもとに肉付けして、短い文章をいくつも作ります。
文章は出来るだけ短く切るよう心掛けるようにします。
日本語は『誰が』(主語)と『何をした』(述語)が英語などと比べて非常に離れて配置されるので、長文を読ませると頭を疲れさせるからです。

2-F:文章を並び替えて繋がりを意識する。

文章は格闘ゲームのコンボに通ずるものがあります。
『~だから』と話が繋がっている文章は読んでいて小気味いいものです。
反面、何の脈絡もなく流れが変わる文章は読んでいてストレスです。
話の繋がりを意識して、文章をあれこれ並べ替えてみましょう。
(実際に『~だから』と書いて繋げるわけではないです。むしろ余計な接続詞は省くようにしましょう)

2-G:めちゃくちゃ削る

好き放題書いていたら大抵、制限文字数を超えます。
その際は文章をガンガン削ってしまいましょう。
シナリオにも同じことがいえますが、文字を削ることで表現や内容が洗練されていきます。
最初から制限文字数を気にして、それにピッタリ当てはまるように書くのはむしろ悪手です。削る前は、自由に伸び伸びと書く方が面白い記事が書けます。

③推敲時

3-A:情報の正確さを確認する

記事にとって正確性は最も重要です。
思い込みが一番危険なので、複数の情報源を確保して再三にわたり確認するようにしましょう。これが最もストレスのかかる行程かもしれません。

3-B:言葉の正確さを確認する

情報の正確性はもちろんですが、言葉遣いの正確性も軽視されるものではありません。
言葉の意味や表現に少しでも疑問に感じたら辞書を引くようにした方がよいです。
執筆時には手元に辞典を置くようにしましょう。

3-C:コンプライアンスを順守する

取材して得た情報であっても、どこまでを公にしていいか制限がかかることも少なくありません。
クライアントに迷惑をかけないために、公開可能な範囲やルールをよく守るように心がけましょう。

3-D:細かいライティングのルールを意識する

例えば以下のようなことです。
・同じ語尾の連続に注意する。
 (特に、『~だ』『~です』『~だった』が連続することが多い)
・漢数字とアラビア数字の混合
 (しかるべきときに使い分けましょう)

……私がクライアントに指摘されたのはこのぐらいです。

④その他

4-A:写真を選定する際

時折、写真やイメージ画像を自ら入手して提出することを求められることがあります。
可能な限り応じるのが吉です。
先方もライターに頼むぐらいですからあまりクオリティーを期待していないことでしょうし、出来る限り良い物を提出するぐらいで結構だと思います。

4-B:情報の誤りがあれば報告する

記事を入稿した後に情報の間違いが発覚したら、速やかに報告するのが良いと思います。
勇気のいることではありますが、先方がまだ校正やレイアウトの段階であれば十分に修正は間に合います。
それよりも誤った情報が流布され、最悪の場合ずっと残り続けることの方が致命的だと思います。

以上、ご精読ありがとうございました。

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