『ト書き・動作』①一般動作

 シナリオは3つの要素で構成されています。
・柱
・セリフ
・ト書き

 柱とは『場所、時間帯』を表し、セリフはそのまま登場人物の喋る言葉を書き記します。
 ではト書きはどのような役割があるのでしょうか。
 ト書きは主に登場人物の出入り、動作、舞台上の小道具などに関して書き記していきます。
 ここでは『動作』に関して深堀してみましょう。
 動作は4種類に大別できます。
・一般動作
・生活動作
・性格動作
・リアクション(関係)動作

一般動作

 一般動作とは、人が生きていく上での動作のことです。
 例えば

〇道
   ハヤトが歩道を歩いている。

 などのごく当たり前の動作です。
 特に意味のない、撮影時にはカットされやすい"無くても通る動作"ですが、あなたが必要だと思えば脚本の中に盛り込みましょう。逆にいうと、脚本のボリュームを削るときはこのようなト書きを優先的にチェックしていくべきです。
 ト書きの動作を書く際は『現在(進行)形』で書くことに注意を払ってください。なぜならカメラ(観客の目)には現在起こっていることしか写らないからです。

OK: 扉を開ける
NG: 扉を開けた

 また、小説の地の文ではOKである"その動作の目的"などは書いてはダメです。

OK: 〇ハヤトの部屋
      ハヤトが部屋を出る。

    〇ユウキの部屋
       ハヤトが入ってくる。

NG: 〇ハヤトの部屋
       ハヤトが部屋を出て、ユウキの部屋へと行く。

 以上の2つは同じ意味合いです。
 しかしNGの場合、"ユウキの部屋へと行く"は蛇足です。
 なぜならカメラの場所は"ハヤトの部屋"なので、"ユウキの部屋へと行くハヤト"を映すことが出来ないからです。
 映像に映らないものを脚本に書かないように注意しましょう。

 どうように『修飾語』も要注意です。
例:
 心がはやる思いでハヤトが歩いている。

 この場合の"心がはやる"は余計です。画面に映らない心情などは書かないでください。この場合は、『鼻歌を歌いながら』とか『スキップをしながら』など、実際の動作に落とし込みましょう。
 あとは役者さんや演出家が表現をしてくれます。
 どの程度、役者さんや演出家さんに委ねられるかを見極められることも脚本家・シナリオライターの力量ともいえます。

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