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【#53】10歳の時に観た「千と千尋の神隠し」が最高だった件について

映画はいつ観るかによって、その感想や評価は違ってきます。
僕にとって「千と千尋の神隠し」は、10歳というベストなタイミングで観た作品でした。

もう、冒頭から惹き込まれました。
車の中でお父さんとお母さんが話していて、その話に入れない千尋。
これは僕の家でも全く同じ構図で、僕が車に乗っている時、親は誰かの文句をずっと言っていて自分のことは放っておく感じでした。
「あ、自分と一緒だ」
と映画の最初から千尋に感情移入できたので、物語もスッと入ってきました。

その後、お父さんとお母さんは食欲を満たしたことで豚になり、千尋だけが取り残されて物語の主人公になります。
その後、謎の男の子に連れられて屋敷に連れられて、色々な人と出会い、仕事をし、周りに認められていきます。
この”人の輪に入っていく流れ”が最高で、僕も学校にも塾にも家にも自分の居場所がない状況だったので、まさに自分が求めていることでした。

結局僕は、社会人になって仕事が板についてきた30代になるまで、世の中に認められる感覚は得られなかったわけなのですが、あの当時「千と千尋の神隠し」を観たころに思い描いていた理想がようやく叶ったんだと思うと感慨深いです。
映画が終わった後は感慨に浸っていて、ぼーっとして感想が思いつきませんでした。
でもずっと忘れられなくて、TUTAYAで千と千尋の神隠しの広告が流れるだけで、また観たいと思うようになりました。

何かは(当時は)分からなかったけど、自分が求めていることを見つけるヒントをくれるのが映画なんだということを、初めて体験しました。

「本は処方箋のようなもの」
と以前聞いたことがあります。
今の悩みによって、読むべき本が変わってくるという意味です。
もしかすると、映画も処方箋のようなものなのかもしれません。

ちょうど最近観た「日々是好日」は、30代の自分にバチっと刺さる映画でした。

お茶(茶道)を通して、人生の変化や転換期について描いていて、見応えがありました。
30代って、友人が結婚したり、疎遠になって出会わなくなったりして、人間関係の変化がある時期ですよね。
僕もそうで、会社で出会った人がプライベートでも関わるようになっています。
また、先輩や後輩の中に自分より優れている人が出てきて、素直に自分のレベルを認めないといけないのも、30代だと思います。

20代の頃はなんでもできる気がするし、全部1番になるつもりで頑張っていたんですが、30代になると、いかに自分の身の丈にあった目標を立てて、それで生活を成り立たせていくのかが大事です。
相手を認めて、皆で良いものをつくる、という意識に変わってきている気がします。

タイトル詐欺みたいになってしまうのですが、もしも30代の方でまだ「日々是好日」を観ていない方がいましたら、おすすめします^^

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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