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【インタビュー】ライターの仕事をずっと『好き』でいるために|人生すべてが輝く!ヨシキさんの仕事術

“あなたが書いた文章だから、読みたい”

ライターなら、一度は言われてみたい。個性を消した文章を書いて仕事をしてきた私にとって、憧れのセリフだ。

そんな私が、熱量たっぷりの文章に圧倒されたのは、先輩ライター『ヨシキさん』が書いた記事だ。

「『好き』を仕事にすると、人生すべてが楽しくなりました!」

声をはずませながら語るヨシキさん。好きなことを仕事にする方法や、ご自身に起こった良い変化についてうかがった。

仕事を「好き」でいたい、そのために「好き」を仕事にしたい

2022年から専業ライターとして活動しているヨシキさん。得意ジャンルの幅は広く、就職、防犯対策、法人営業、インタビューなど、あらゆる分野に精通している。

そんなヨシキさんが最近受注したのが、音楽コラムだ。

「音楽メディアで書きたいと思ったのは、ライターの仕事をずっと好きでい続けたいからです。いまはSEO記事を中心に書いていますが、同じ作業を繰り返していると、たまにイヤになるときがあって。それを防止する意味でも、全体の2割くらいは自分の好きなことをやるようにしています」

受注にいたるまでは、とにかく検索してライター募集をしている媒体を探した。更新した時期を1か月前に限定したり、SNSをチェックしたりして、なるべく直近でライター募集がはじまった媒体に的をしぼる。実際に応募するときには、どうすれば受注できるのかを考えぬいた。

「音楽にくわしいことや、好きな気持ちが伝わらないと意味がないと思いました。いままでの実績はもちろんですが、なぜ音楽が好きなのかを整理して応募文に書いたんです。できるだけマニアックな情報も盛り込みましたね。文章力と好きな気持ちをセットで送った結果、採用にいたりました」

やりたい!を「企画」でカタチにする

高校生から邦楽ロックにハマり、大学時代にはレジ打ちが苦手にもかかわらず、4年間CDショップでバイトをするほど音楽が好きだったヨシキさん。アルバイト先のCDショップでは、演歌歌手のイベント運営も行っていた。

「勤務していたビルの1階が小さなステージになっていて、月に1〜2回イベントが行われていました。やはりプロの演歌歌手はすごく歌が上手いんですよ。声量も大きいので、その方を知らない人もつられて集まります。イベントが終わった後にCDを販売して、その場で歌手の方がサインをしてくれるんです。かなり行列ができるんですよ」

当時は大学生だったこともあり、企画から関わることはなかった。しかし、そのころから「こういう企画をやりたい」というイメージはあったんだそう。

「プロの歌手だけでなく、地域の人をよんでステージで歌ってほしいと思っていました。ぼくが住む千葉県は、もともと街角アーティストが結構いたんです。自治体も、申請すれば自由に歌っていい、と打ち出していましたし。せっかくステージがあるんだから、コラボしたら楽しいだろうと。プロもアマチュアも関係なく、いい音楽を届けられたらいいなと思っていました。自分が楽しむ意味もあるんですけどね」

当時からもっていた「やりたい」気持ちは、ライターとしての企画力に活かされている。いまでは精力的にメディアへ企画を提出し、少しずつ成果が現れてきた。

「書籍のメディアに提出した企画に、いい反応をもらえました。担当の方に、くわしく話しましょう!と言っていただけて。まだ完全に通ったわけではありませんが、自分の考えた企画が世にでるかもしれない。こんなに楽しいことはありません!」

エンタメ系のメディアではクライアントから決まった仕事をもらうのではなく、ライター側から企画を持ち込み、採用されれば仕事になる場合が多い。

そういった部分も、おもしろさを感じるポイントだ。

人生が楽しくなる!すべての経験を糧に

エンタメ系のメディアで活動するようになり、日常生活での考え方や感覚が変化した。仕事の休憩中や遊んでいるときでも、「使えるものはないか?」と無意識に探している。

「たとえば、ドラマを観ているときにヒントがあったり、友人と飲みに行っているときでも話の中でおもしろいことを思いついたりするかもしれない。仕事以外の時間も、まったくムダがないんです。全部が楽しく、おもしろい。そういう感覚で生きています」

仕事とプライベートの境界線が薄くなり、常に目が輝いている状態だ。フリーランスになって『好き』を仕事にしたときから、友人にも仕事の話をよくするようになったんだそう。

「もちろん、デメリットもあります。休日でも 60%くらいは仕事のことを考えていたり、企画になりそうなことを探していたりするので。もしかしたら、遊んでいても全力で楽しめていないんじゃないかと。ただ、それを天秤にかけても、『好きなことを仕事にしたほうが楽しい』と思っています」

ヨシキさんの切り替えのコツは、スマホの電源を切ること。スマホから発せられる仕事の情報を一瞬でもなくすことで、少しでもプライベートに専念できるんだそう。

「近所を散歩するときは、スマホを家に置いて行きます。旅行先では、ずっと電源を切るわけにはいかないので、1つの観光地だけ電源を切るなどの工夫をしています」

自分の『好き』を仕事にすることで、表現の幅も広がり、モチベーションも上がった。人生すべてが輝きだしたと、ヨシキさんは語る。

「ライターを一生続けていきたいと思うなら、『好き』も大事にしていこうぜ!と伝えたいです。誰しも根本的に、自分はこれが好きだ!と強く思えるものがあるはずです。無限大の可能性と『好き』をかけ合わせて仕事ができるのが、ライターの魅力だと思います」

「突っ走るのもいいけれど、長い目で見たら、途中でエンジンが切れちゃうかもしれません。そんなとき、『好き』を仕事として組み込むことで、長く活躍できるライターになれるんじゃないかと思うんです。少し立ち止まっている人や、エンジン全開の人は、いま一度自分の『好き』を考えてみるのもいいんじゃないかと思います」

社会人として10年働いた経験も、高校生のときに組んだバンドが1か月で解散になった経験も、すべてが糧となっている。音楽が好きだ!という気持ちを開花させ、これからも熱いロックンロールな文章を書き続けてほしい。


取材後記

作業量と単価があわず、疲弊していたころ。私はある記事に出会います。その記事には、筆者の失敗談がおもしろおかしく書かれていました。

あまりにもおかしかったので、涙がでるほど大爆笑!伏線からオチまでの完璧な流れ、最後は絶対にまっすぐ落としてはくれない。こりゃ、マネできないや。

書くのがツラいと感じていた私は、この記事に救われました。「まだやれる、前向きにいこう」そう思えたのです。

その記事の筆者が、ヨシキさんでした。いつか私も、誰かを元気づける文章を書きたい。その想いを胸に、今日も先輩の背中を追いかけています。

2023/10/16  文:青原 もも


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