【ペンタクル(コイン)】のスートについて〜後編〜】
さて前回は『ペンタクル』のスートの基本資質の前編として、Ace(1番)〜5番までをご紹介しました。
本日は後編として、6番〜10番の考察をしてみたいと思います。
【ペンタクル】の基本資質
前回でもご紹介した通り、ペンタクルの基本的な要素は下記の通りです。
●『土』のエレメントに属する。
●基本的には物質、お金、現実性、そして五感などを表現。
●季節は冬を表す(フェアリータロットのシーズンでは秋)。
●単なる金銭(コイン)だけを表すのではない。
●お金=時間であったり幅広い意味も持つ。
①6 of Pentacles(ペンタクルの6)
(フランス語=six de denier)
キーワードは、
与える、資産、力、打算、権力的に振る舞う。
このカードはこのウエイト版タロットの絵柄を見ての通りとても意味深なカードです。
1人の立っている男性が、ひざまずく2人の物乞いに金銭を分け与えている、という様子。
私が個人鑑定をさせて頂いている中では、このカードはあまり物質的な金銭を表す時に出てこない事が多く、どちらかといえば恋愛やパートナーシップの鑑定では、出てくる事がよくあります。
この立っている男性は、
『こっちの人にはこれだけ』、『そっちの人にはこれだけ』、というような采配をして、人によって分け与える分量を変えている
のですが、、、
このカードが出た場合のお相手との関係性で見た時に、私は必ず
『この3人の人物の中の、どの人物がお相手で、どの人物が自分であるかを感じるか』
をお尋ねするようにしています。
自分が与えている側なのか、それとも与えてもらっている側なのか、或いは少ししか分け与えてもらっていないと思う側なのか、、、
ここでの『与える』=『金銭』、『物質』だけを指しません。
そこには物質的な『時間』という形での『愛情』や『気持ち』も含まれるのです。
つまりここでは、実際にどの立場なのかが問題ではなく、
『ご自身がそのような立場である』と感じていたり、『お相手がそのように思っている』と認識している、ということが表されていることが重要です。
そのお互いに感じている関係性や気持ちにズレがあると、パートナーシップに疑問を感じる原因にもなります。
余談ですが...特にケルト十字スプレッドで見たときの、この④の位置と⑧の位置に注目。
①現在
②現在(原因等)
③顕在意識
④潜在意識、質問に関する原因
⑤過去
⑥近未来
⑦潜在意識(結果に対する)
⑧周囲の状況、お相手の状況
⑨結果に伴う(障害または理想)
⑩結果
このケルト十字スプレッドを見た時のポイントは『お相手との関係性』で見た時に、
例えば④の潜在意識でこのコインの6
が出ると、自分がお相手との関係性をどのようにとらえているのか、が分かります。
例えば自分のほうが気持ちを伝えている側、と思っているのか、または与えられている側と思っているのか、、、など。
そして続けて、he/she side reading(お相手サイドから見た気持ちのリーディング)をした時には、
⑧のところで、『お相手から見たあなたの態度、様子』が分かります。
例えば、、、
先程の関係性を見たときのケルト十字スプレッドの④潜在意識にこのコインの6で、あなたご自身は『お相手から与えられている』側のどちらかの物乞いに見えていたとします。
続けてhe/she side readingを行い、
⑧の『お相手から見たあなた』の位置に『ペンタクルの4』(前回記事をご参照)、または大アルカナの『皇帝』のような『頑固さ、意固地、執着』などを表すカードが出るとします。
これは、あなたご自身がどうであれ、お相手からは『頑固で尊厳を持って与えている側』に見られている、というような気持ちのズレが生じている、と読む事ができます。
②7 of Pentacles(ペンタクルの7)
(フランス語=sept de denier)
キーワードは、
不満、不満足な結果、ひと段落、これまでの事を検討し直す。
まず『7』という数字は、『立ち止まって一度見直すべき』という数字。
このカードは
『美味しいブドウを作っているつもりが、コインが実ってしまった』
というカード。
コインが実って悪いわけではないのだけど、この一生懸命に畑を耕した彼にとっては、不足なのです。
前項のケルト十字スプレッドの②や⑨の、原因、障害などの位置に出やすいカードでもあります。
③8 of Pentacles(ペンタクルの8)
(フランス語=huit de denier)
キーワードは、
職人、勤勉、コツコツ積み上げる、同じことを繰り返す、細かいことにこだわる、一生懸命働く、努力。
このカードはこの絵柄の通り、
『コツコツ頑張っている』人に出やすいカード(笑)です。
主に仕事運、金運などでリーディングした時に出やすいカードではありますが、パートナーシップや恋愛で出てくることも多々。
『関係性をコツコツと積み上げてきた』
という状況が分かるカードでもあります。
④9 of Pentacles(ペンタクルの9)
(フランス語=neuf de denier)
キーワードは、
豊かさ、利益が上がる、達成、幸せへのリーチ、チャンスをつかむ、など。
絵柄の足元にいる小さなカタツムリ。
これは幸せへ一歩一歩近づいている
という事だそう。
そしてこのカードでは、『ブドウもコインも両方実っている』んですよね。
9という数字は10まであと一歩の数字。
そしてこの人物の着ている服は金星と火星の象徴が合わさったような衣服となっており、これは恋愛の象徴とも取れるそうです。
⑤10 of Pentacles(ペンタクルの10)
(フランス語=dix de denier)
キーワードは、
財力、成就、家族、安定した生活、稼業、永続性。
先程のペンタクルの9よりも家族全体の富など、満場一致で幸せや豊かさを表すカード。
ここでの考察では逆位置については別途、考察しますが、このカードが出た場合には幸せで何も言う事がありませんね。
特にこのカードは立派なお屋敷で、家族三世代とペットたちが幸せに談笑しており、『家庭的な幸せ』の意味合いが強く、とても幸せなカードです。
ぜひともこのようなカードを引いてみたいですね。
それでは少し長くなりましたが、本日はこのあたりで。最後までお読みいただきありがとうございます。
次回もゆるゆるタロット考察をしていきたいと思います!
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