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商品開発したいなと思い立ったら

こんにちは。
カブ・デザインの市橋です。

はじめて商品を開発する企業に向けて、
商品開発がどのようなプロセスですすんでいくかを解説できたらと思います。


最初に商品開発をするにあたってまず全体の流れを把握していきましょう。

カブ・デザインでは大きく3つのフェーズに分かれて商品を開発しています。

フェーズ1:計画を立てる
フェーズ2:商品をつくる
フェーズ3:発信する

この3つのフェーズで商品開発を行っていきます。
各フェーズに4つのプロセスがあり、合計12プロセスで商品開発を行っていきます。


それでは第1フェーズから見ていきましょう。

■01:計画を立てる

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商品を開発するのに一番必要なのが、計画です。
どんな商品を作ったらいいか、どんなものが商品として作りたいかを計画していくフェーズになります。

商品を作るにあたって一番大事な事が企業の持つ思いになります。
その思いを掘り出すためにデザイナーがヒアリングを重ねて思いを可視化させていきます。
このフェーズはデザイナーよりも企業の方にしっかりとした思いなどが
あるといいものが作りやすくなっていきます。
逆にデザイナーがここを作ってしまうと企業の思いではないので
この後のプロセスが非常に難しくなっていきます。


次は計画フェーズの4つのプロセスを見ていきましょう。

1.目標と目的の確認
このプロセスでは企業が持つ思いを見つけていくプロセスになります。
このプロセスをこなしていくと企業の想いや企業が持つ強みなどを発掘し、
企業らしさを見つけていけると考えています。
なので、企業の方がこういうことをしたい、こういったものを作りたい、こういった技術がある、こういった素材を使ってほしい、という思いがしっかりあることが重要になります。

2.ターゲットの設定
次に行うのがターゲットの設定になります。
ここでは具体的にどのようなイメージの方に喜んでいただきたいか、商品を使う方がどう喜んでほしいかといった、ターゲット設定を立てることが重要になります。
このターゲット設定をすることによってより明確化されるので、これから作る商品がどのような相手に届けたらいいだろうかという事がしっかり見えてくるプロセスになります。

3.調査と分析
プロセスの1番と2番で作った仮説が実現できる可能性があるかどうかを確認する為のプロセスになります。
この段階で実現に向けて、体制、スケジュール、数値目標、アクション計画を作っていきます。

4.コンセプト立案
コンセプトは1・2・3のプロセスで出てきた情報や資料をまとめて20文字ほどの文章にしたものがコンセプトになるようなモノと考えて頂ければ大丈夫です。
フェーズ1でアウトプットされていくものを見ていきましょう。

アウトプットされるものはこの4つになります。
ビジョン、ターゲット、ポジショニング、コンセプト

ビジョンは商品がどのようなものを作りたいかという事を具現化しているような状態です。
ターゲットはいわゆるペルソナのことで、想定しているユーザーの年齢、性別、持っていそうなものなどの情報をまとめたものを資料として残しておくと、共通認識を持てるようになります。

ポジショニングマップは、競合他社との比較です。作りたい商品に対して、類似商品でどのようなものが既に世間に出ているのかというマップを作ります。
コンセプトは、20文字ほどの文章が最終的に出来上がります。このコンセプトが
次の開発フェーズと、発信フェーズで重要な役割をしていきますので、しっかりと作っていきます。


■02:商品をつくる

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続いて、開発フェーズの説明をしていきます。
開発フェーズでは、実際にモノをデザインしていくフェーズになります。
このフェーズは一番楽しいフェーズになっていきます。
基本的にプロダクトデザイナーが進めていく場所ですが、企業の方もアイディア出しなどを一緒にしていくと楽しいと思いますので是非参加してください。

それでは4つのプロセスを見ていきましょう。

1.商品の計画
商品の計画はどういったふうにしていくのか、どういった要件があるのかということを
整理していくところになります。

2.アイディア展開
実際にアイディアを広げていくところになります。
良く聞くブレインストーミングのようなもので、デザイナーが色々と意見を出し合い、
展開していきます。この時に使うものがラフスケッチやスケールモデルで、
形などを考えていきます。

3.フォルムデザイン
最初のフォルムに向けて、形などを詰めていくプロセスになります。
2番のアイディア展開で出てきたスケッチやスケールモデルからさらに進化させていって、
持ちやすさや人間工学性などを検討して、機能性、審美性、生産性、費用性、
社会性などを視野に入れて造形の検討を行うプロセスになります。

4.製品化
フォルムデザインの工程を経て決定した1案から、
カラーリングやサイズ展開を広げていきます。さらにパッケージやネーミング、
ロゴデザインなどもこの段階で行います。
商品が店に並ぶ状態まで考えていくことがこのプロセスになります。


それでは開発フェーズのアウトプットを見ていきましょう。
開発フェーズのアウトプットは
アイディアスケッチ、モックアップ、プロダクト、パッケージの4つになります。

アイディアスケッチではアイディアを視覚化させる為、デザイナーがスケッチを
複数案描きます。
モックアップでは、デザイナーが商品の試作品を作ります。
おおよその形やサイズを検討するものから、完成品の一歩手前まで、
検討をする為様々な試作品が出てきます。
プロダクトでは、モックアップから量産の状態まで仕上げた状態になります。
量産をこれでしていこうといった最終的な製品がでてくる段階です。
パッケージでは、パッケージそのものの他、取扱説明書など、
販売される際に必要なものを作っていきます。


■03:発信する

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ここが一番頑張るフェーズになります。
できたものを実際にお客さんに伝えていくところですが、
しっかり伝えないと1番、2番でいいものができたとしても伝わらないと買ってもらえませんので、しっかり考えていきましょう。

それでは発信フェーズの4つのプロセスを見ていきましょう。

• 発信の計画
この計画ではどのようにリリースしていくかという事を考えていくプロセスになります。出展する展示会、商品を置いてもらうお店などを検討しながら計画を進めていきます。クラウドファウンディングも含めて検討していくと良いかもしれません。

• ツール素材の準備
パンフレット、リーフレットに使われるキャッチコピーや画像などを準備していくプロセスになります。カメラマンと写真撮影を行ったり、コピーライターの方にキャッチコピーを考えてもらったりしていきます。
ツールデザインで必要な要素を揃えていく段階になります。

• ツールデザイン
2番で準備したツール素材を使ってパンフレットやリーフレットのデザインをしていきます。
パンフレットやリーフレットだけではなく、WEBのデザインなども行います。
コンセプトブック的なものを一番に作っておくと、その後の発展として使いやすくなると思います。

• 販売の実務
バイヤーの方との契約交渉や、実際に生産していくにあたっての在庫の管理、店頭の販促交渉をどう行っていくかという事を考えながら実務に落としていく作業になります。


以上で全体的な流れになりますが、
一連のプロセスをどのようなスケジュール感で行っていくかをお話します。

以上のプロセスをカブデザインは大体1年間で行っていきます。

いかがだったでしょうか?
今回はざっくりと開発の流れを説明させていただきました。


今後、商品開発をするような機会やしてみたいと思う事がありましたら是非、使ってみてください。

今後、各項目を細かく説明していけたらと思います。

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