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「からだにいい」は「儲からない?」~オーガニックデリカフェとビジネスの難しさ

遡ることちょうど1年程前ーー
店のデリ開発の参考にと、近くにできたデリカフェを利用してみた。
契約農家と提携し“産地直送””安心安全”をのぼり旗でパタパタさせながら大々的にうたった新鮮な野菜たちを中心に、数種類の手作りデリと16穀米のおにぎりとセットランチで1500円程度だったろうか。
この価格にはドリンク・デザートは含まれない。

手の込んだおかずたちに加えて、決して安価ではないそれらこだわりの野菜は、農家さんの手間暇(人件費)と安くないであろう運送コストが乗ることで、恐らくスーパーで農薬たっぷりの野菜を購入するのと比較すると3倍はするであろう原材料費と考えられる。

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ランチ価格のボリュームゾーンは可処分所得によるが、
仮に1500円であってもランチビュッフェのようなお値打ちさを感じるところなら少々価格が上がったとしても行列をなす店も多いが、
この店はカフェテリアの形式であり、
フルサービスでなくワンプレート提供のためトータルでのお値打ち感はやや伝わりにくいという感じであった。
実際に食べてみると、素材の良さを感じられるどれも優しい調味で、
いかにも体が喜んでるのを感じるような内容でした。

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本来混み合うはずの昼どきであったが、広い店内はまばらな入り。
やはり都心部でもない郊外立地では
こうした健康的な外食を日常利用しようとする価値観をもつターゲット層の絶対数が十分でないのでしょう。
オーナーの想いはきっとこうだ。
安心安全で高品質でヘルシーな料理は社会貢献と顧客のニーズを満たすに違いないと。
そうした高い志があったことは容易に想像できますが、
ビジネスとしては正直厳しいと言わざるを得ないのをその場で
肌で感じながら食事をしたのを思い出しました。

ただ結局、
その後1年を待たずにこのお店はクローズしてしまいました。
残念ですが、それが市場経済の原則です。

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体に良い食事とビジネスを結びつけ、持続可能なモデルとして育てていくにはどういうハードルを超えていかなければいけないのか、
最近はこの観点において特に考えるようになりました。
外食に対する人々の価値観も以前とは大きく変わりつつある今、
ふと俯瞰して考えてみると、
ビジネスの成功、特に食に関わることに限っては、人の健康の犠牲をもとに成立しているモデルばかりなんじゃないかと気づくようになりました。

今現在レストランで食を提供する立場の人間として、そういう違和感を今頃になって痛烈に感じる今日この頃です。
まだ明確な答えを導きだせてはいませんが、食に携わる者としての責任や使命としてより良い方向へと貢献していけるように考えて行動していきたい。

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