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特別展アリス「へんてこりん、へんてこりんな世界」

森アーツセンターギャラリー

六本木ヒルズの展望台横にある森アーツセンターギャラリーで、7月16日から始まった特別展を訪れた。
夏休み前の平日昼間だからか、また森ビル内で複数の展示が同時開催されているからか、女性客のみで客数は多くなく、ゆっくりと鑑賞することができた。

美術館・展望台への入り口
引用:https://art-view.roppongihills.com/jp/

特別展アリス「へんてこりん、へんてこりんな世界」

本展示は、「不思議の国のアリス」で有名なアリスの物語の完成に至る経緯や挿絵の展示、時代の変化に伴うアリスの変化や各分野への影響について、幅広く展示されている。
内装も所々にアリスの物語を感じられる仕掛けがあり、子供も楽しめるような展示になっていた。

逆さまだったり歪んでいたり不思議な鏡

印象に残った展示をいくつか紹介する。

私が好きなキャラクターの1つ、ハンプティ・ダンプティの挿絵。これは「鏡の国のアリス」に登場するが、別に存在する童話のキャラクターである。

「わしと握手することもできるぞ」 

こちらはアリスの物語のモデルになったアリス・リドゥルさんが、作者生誕100周年を記念してアメリカを訪れた際の写真である。
この作者のルイス・キャロルことドジソンはアリスたち一家の隣に住む数学者であり、オックスフォード大学で教えていた。アリスたちに話して聞かせていた即興の物語が「不思議の国のアリス」のもとになったのだ。

アリス・ハーグリーヴズ(旧姓リドゥル)

次は1933年に日本で公開された「不思議の国のアリス」の映画ポスターである。タッチもどことなく日本ぽさがあり、昭和初期の映画ポスターらしさを感じられ、西洋のアリスだけ見ていると不思議な感じがする作品だ。

日本版「不思議の国のアリス」映画ポスター

私もバレエ「不思議の国のアリス」の作品を踊ったことがあるが(私はチェシャー猫役だった)、こちらはハートの女王の衣装だ。バレエをやっていた私からすると、こんなに大きくて硬い衣装をまとって舞台に立つのは非常に大変だろうと想像できる。
しかしシンプルなワンカラーでハートの女王らしさを表現するこの衣装はデザインとして非常に優秀なものだと感じる。

バレエ「不思議の国のアリス」ハートの女王の衣装

「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」

そもそも、「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」とはどう違うのだろうか。

「不思議の国のアリス」は、少女アリスにドジソンが話して聞かせた即興の話をもとに作られており、アリスが様々なキャラクターと出会いながら冒険していく物語である。
一方の「鏡の国のアリス」は、不思議の国のアリスの続編であり、アリスが大きな鏡を行き来して冒険をする物語であり、実際に存在する童話のキャラクター(ハンプティ・ダンプティやディーとダムなど)も多く登場する。

私がそうであったが、この2作品を混同している方は多くないだろう。二つをまとめて「不思議の国のアリス」だと思っている方も少なくない。

溶け始めた鏡を潜り抜けるアリスの挿絵
「鏡の国のアリス」

最後に

今回は夏休み前のタイミングだったからか比較的空いていたが、夏休みに入るこれからは混雑するだろう。
ただ、展示もかわいらしいものも多く非常に満足感が高かったので、是非訪れてみてほしい。

特別展アリス「へんてこりん、へんてこりんな世界」
会期:2022年7月16日(土)~10月10日(月・祝)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)
開館時間:10:00~20:00



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