#2:"おしゃれ"って何?
アパレル業界に勤めていたくらいなので、昔からファッションへの興味が強くありました。
小学生の頃からファッション誌を見るのが好きで、よく読んでいました。こんな風におしゃれになりたい!そんな思いをいつしか抱くようになっていました。そうはいっても雑誌に載っているものは高くて買えないことがほとんど。なので、持っている洋服の中から似たものを探し、雑誌を見ながら自分でコーディネートをする、というのが私のスタイルになっていました。
年齢が上がっていくにつれて、読む雑誌ももちろん変わっていくのですが、雑誌が変わると載っている服はその分高くなり同じものは買えない。だからまた同じような服で同じようにコーディネートしてみる。高校生くらいまではそんな感じで洋服を選んでいたように思います。
でも何かが違う。。。
心のどこかで漠然とそんな気持ちを抱いていました。どこかおしゃれになりきれない。同じように着こなしているはずなのに、なんでおしゃれにならないんだろう。やっぱり"同じ"ものを着るしか、おしゃれになる方法はないんだろうか。そんなことをずっとずっと考えていました。
おしゃれって一体何なのか?
そんな疑問に変わり始めた大学生の頃、将来はアパレル業界に勤めたいという思いから、外資系アパレルでショップ店員としてアルバイトを始めました。
そこで、私の考えを覆す衝撃的な出来事が起こったのです。
そのブランドでは、制服が支給されるとのことでした。憧れていたショップ店員。どんなファッションで働けるのかとてもわくわくしていました。
しかし、支給されたのはなんとTシャツ1枚。しかも着てる人見たことある?ってくらいのなんとも絶妙な茶色のTシャツ。。。そして言われたのです。
「自由に着こなしてください。」
正直戸惑いました。これをどう着ろというのか。というのも、単品で見るととてもおしゃれとは言えないものだったからです。これは、きっと、店員としておしゃれに着こなせるか試されているんだ、と思いました。
ダサいと思われないだろうか。。。そんな不安を抱えながら初出勤の日がやってきました。
でも、そんな心配は必要ありませんでした。
周りのスタッフを見渡してみると、そこには様々なファッションがありました。
レザーのパンツと合わせてかっこよく、フレアスカートで可愛く、タイトスカートで大人に、ショートパンツでギャル風に。ハットやアクセなど小物も使ってみんなが思い思いに着こなしていたのです。
同じアイテムでもこんなに違ったファッションになるのか。
そして、気付いたのです。これが"おしゃれ"なんだと。
何を着るかではなく、どういう着こなしをするか。
そして、みんなファッションを楽しんでいました。ただ自分の好きな服装をする。誰かをダサいとけなすこともなく、でも相手の洋服が可愛いと思ったら相手に伝える。他人を認め、自信を与え合う。そういうコミュニティでした。ファッションは比べるものではない。自分がいいと思うものを身につけ、楽しむのがおしゃれなんだ。そのことに気付いてからとても気が楽になりました。
自分の好きなように、自分の思うファッションをするようになり、他人と比べることもなくなりました。そして、不思議なことに、おしゃれだと言ってもらえることが増えていったのです。
この経験があってから、他人に対しておしゃれとかダサいとか考えないようになりました。ただ、自分が相手のものを可愛いと思ったら素直に相手に伝える。そして自信を与え合う。
そんな素敵な環境があるからこそ、私はファッションが好きです。
自由に楽しみ、多様性を認める。
私はこれからもこの考えを大切にして、"おしゃれ" を楽しみたいと思います。
milk
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