20211117・1121/舞台『D.C.III〜ダ・カーポIII〜君と旅する時の魔法』 感想

舞台『D.C.III〜ダ・カーポIII〜君と旅する時の魔法』 の初日と千秋楽の公演を観に行ったので、その感想をザックリと残します。

前置きとして、D.C.IIIシリーズは、立夏/リッカ役の新田さんがキッカケでゲームとアニメに少しばかり触れていたくらい(しかもその記憶のほとんどが吹き飛んでいたので、とりあえず観劇に向けてアニメを軽く見返した)の初心者で、観に行こうと思った理由も「立夏/リッカを演じる新田さん見ることができるめちゃくちゃ久しぶりの機会だから!(しかも、もしかすると最後かも……?)」というものでした。ということで、ここに書かれていることはD.C.IIIビギナーみたいな人間の感想になりますので悪しからず……。


ということで、
早速書いていこうと思うのですが…………

いや〜、この舞台めちゃくちゃ良かった! 
予想を遥かに超える良さがここにはありました!
自分のようなD.C.IIIビギナーが観ても、めちゃくちゃ面白かったと思える、作品への愛も溢れためちゃくちゃいい舞台でした。これは間違いないと思います。


まずストーリーが本当に面白くて、特に清隆たちが過去に飛ばされてからは「どうなるんだ…どうなるんだ……」と次の展開が気になりすぎて、めちゃくちゃのめり込みながら観てしまいました。途中に出てきたジルのストーリーはアニメでもチラッとは描かれていた気がするけど、恐らくゲームをしっかりとやり込んでいれば他の部分も含めてストーリーのギミックとかも、もっと楽しめたんだろうなぁと思う部分もありつつ……。その反面、ほとんど知らないまま観に行ったからこそ味わえた新鮮さや、そこから生まれるストーリーへの没入感みたいなものもあったと思うので、観覧された方それぞれがそれぞれの形で楽しむことができるD.C.IIIの世界観が舞台上で繰り広げられていたのかなとも感じました。

そして、ストーリー単体の面白さだけではなく、舞台上でD.C.IIIそのものとも言えるような世界が作り上げられていたところも驚かされました。

まず、主人公の清隆は声のみの出演で舞台上には一切登場せず、演者さんたちは(見えないけれど)清隆が"そこ"にいることを想定しながら舞台上で演じられていたところ。これは、主人公の姿がほぼ出てこないゲームの画面をそのまま舞台に落とし込んだような形で、観客全員が主人公の清隆になれる、という要素も意図したものだった思います。個人的には、この見せ方がとても新しく斬新なものに感じて驚かされましたし、これによって舞台上で起きていることが他人事ではないような感覚に包み込まれたのも、ストーリーに没入できた大きな要因の一つだったように感じました。

そしてそして、演者さんたちの役への入り込み方がすごかった点も目が離せないところでした。画面を飛び出して舞台という媒体で繰り広げられるこの作品を観ようとした時、やはりどうしてもゲームやアニメのイメージと乖離していて目の前の世界観になかなか馴染めないのでは……? というドキドキも正直ありましたし、少なくともあの世界をどうやって舞台で表現するんだろうというワクワクやドキドキは観客の誰もが抱いていたと思うのですが……これは杞憂でしたね。演者さんの役への入り込み方が凄まじくて、あの舞台上では間違いなくD.C.IIIの世界が繰り広げられていたと感じました。

もちろんこれは、ゲームやアニメで声をあてられていたメインヒロインお三方の存在あってこそで成り立っていた部分があるのは間違いないのですが……個人的にはそこに加えて、セリフが多くヒロインたちとは別の軸でストーリーの中で欠かせない存在である、耕助と杉並役のお二方の役への入り込みの凄まじさが、この世界観の構築に大きく貢献していたのではないかと思いました。だって、耕助と杉並、そのまま画面から出てきてましたよね?笑 口調から身振り手振りまでキャラそのものと思えるくらいまで再現されていましたし、杉並に至っては見た目まで含めて、そのまんまの杉並が舞台に立っているように自分には見えてしまいました。その場を盛り上げ和ませる耕助、キレのある存在感でその場をピシッと締める杉並。ヒロインたちとは別軸で脇をしっかりと固める男性キャラ二人がバチッと決まっていたからこそ、舞台上で繰り広げられている世界がよりD.C.IIIに近いものに、いや、D.C.IIIそのものに感じることができて、ストーリーにも没入できたのではないかと個人的には感じました。

仮にこの舞台のMVPを挙げるとしたら、私は間違いなく耕助役の福原さんと杉並役の工藤さんを選んじゃうと思いますし、ヒロインたちを演じた女性陣の可愛さが霞んでしまうくらい、今回の舞台ではこのお二方の演技が印象に残りました。


今回は特に印象に残った男性のお二方のことをフィーチャーしましたが、舞台の脚本を担当された、たけうちこうたさんがツイートされていたことが、どのキャラ、どの演者さんにも起きていたように思います。見た目が違う、声が違う。舞台化するにあたってゲームやアニメの世界をそのまま表現することは難しくても、決して「別のもの」ではなく、それに限りなく近いものを観客に感じさせることはできる。舞台にはあまり明るくはないけど、そういった表現の可能性をも感じることができた本当に良い舞台で、楽しい時間を過ごさせてもらいました。

また、D.C.IIIの舞台を目にすることができる日が、いつかくるをことを願っています!

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桜が咲いたら、約束のあの場所で――
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さて、ここからは余談で、舞台そのものの感想とは別の内容になるのですが……

舞台特有とも言える演者さんたちから伝わってくる熱量や圧、みたいなものがめちゃくちゃすごくて、初日の公演を観た時はちょっと圧倒されてしまいました……。初日はI列で見ていたのですが、それでも舞台上から発せられる熱量や圧をすごく感じましたね。(特に美琴役の黒木さんはすごかった……)

そして、千秋楽は初日よりも舞台に近いC列で観ていたのですが、こちらは熱量や圧に加えて、演者さんたちの細かい表情や息づかいまで感じることができて、初日とはまた違う楽しみ方を味わうことができたと思います。決して全くの同じ公演はない中で、様々な角度や距離から見ることで楽しみ方も大きく変わる、映像では決して味わえない舞台の魅力を身体全体で改めて感じることができた二日間でもありました。

あと、初日の終演後に一緒に観劇をした方と食事に行って色々と語り合えたのも、とても楽しかったですね。こんなご時世なこともあって、こうやってイベントに足を運ぶ機会も減ってしまいましたし、家族以外の人と会って語り合える機会もほとんどなく本当に久しぶりの出来事だったので、コロナ前の日常がとても懐かしく感じてしまうところもありましたが、世の中が少しずつでも前に進むことができている実感を持つことができた良い機会でもありました。コンテンツ業界も、イベント業界も、それを楽しむ人々も、みんなが制限や不安なく楽しめる世の中が早く戻ってきてほしいです!


🌸おわり🌸



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