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ラベルの使い方、変えました

ラベルの使い方って何の話と思うと思いますが、MPLSとSRラベルの使い方を変えています。
ラベルの使い方を変えることで、MPLSでは実現が難しかった機能を簡単に表現できるようにSRは工夫しています。
さぁ、そのあることとは何でしょうか?

1.SegmentとSID(Segment identifier)

Segment RoutingのSegmentはそもそもどういう意味でしょうか。
RFC8402の中では、Segmentとはルータへの命令処理と記載されています。
Segmentを受け取ったルータは、Segmentに記載された内容により、次の経路を決めます。
MPLSでは、ラベルはあくまで次にパケットを渡すルータを識別するものでした。
しかし、SRでは宛先ルータとそこまでのラベルが瞬時に割り出せます。

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この為、Segmentにそのラベルを指定すれば、目的のルータまでパケットを送付できます。
Segmentと同一用語ですが、一般的にこのラベルをSIDと言われます。

2.グローバルなラベル?

SRではSRDBにより経路だけでなくラベル(SID)情報も含んで全ルータで共有しています。

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SRではラベルをグローバルとローカルに分けて利用することにしています。
このグローバルなラベルをSRGB(Segment Routing Global Block)、ローカルなラベルをSRLB(Segment Routing Local Block)とよびます。

3.あること

さて、冒頭でSRはラベルの使い方の工夫によりできたことは何でしょうか。
SRではSRGBを利用することにより、MPLS、特にMPLS-TEで難しかった経路制御を簡単に実装できるようにしています。

それは、ECMP(Equall Cost Multi Path)です。

SRGBを利用することにより、SRドメイン(OSPF等のIGPを組んでいるルータ群)内で唯一のSIDを付与することができるようになりました。
これにより、例えばLAG等で複数のIFを持ち、複数のECMPルートを持つルータを想像して下さい。
このルータへMPLS-TEでラベルを指定すると、個々のパス毎にMPLS-TE用のラベルを付与する必要がありました。

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