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一級建築士試験 製図に悩む人へ(資格学校編・製図の際に知っておくとよい豆)

 本記事は無料記事です。
 

 学科をパスして製図に進まれた方については、現在7月、そろそろ描き始める頃なのかなと思います。

 資格学校へ通うと、よほど学生時代に描き慣れた人でなければ、まず「時間内に描ききれないよ!」という現実に突き当たると思います。

 大丈夫、それが普通です!

 私は最初、夕飯を食べ終えて、夜から描きはじめて、徹夜しても一枚描き切れませんでした!(激遅)
 そんなのでも、訓練すればなんとかなるもんです。

 この記事では、資格学校などで勉強しているのは前提のうえで「どんなことを考えれば合格に近くなるか」というような事を書いていきたいと思います。






1.製図試験は三つの分野に大別


 ひとくちに製図試験といっても、大きく三つに分けられると思います。

 ①エスキス・プランニング
  
実務などで慣れている人には問題ない事項かと思いますが、経験のない人にとっては地獄かと思います。

 ②作図
  製図試験といって一番先に思い浮かべるのはコレだと思います。①とおなじく、経験の少ない人にとっては地獄かと思います。

 ③計画の要点等(設計主旨や設備の説明など)
  
資格学校の回答例などを機械的に覚えれば、たいてい答えられると思います。学科の知識なども役立ちますね。

 それぞれについて、私が考えるポイントについて、書いていきたいと思います。

 

 

2.エスキス・プランニングについて


 私が考えるに、この試験で最もキモになるのはこのエスキスです。

 資格学校で勉強していけばわかると思いますが、所要室の面積や配置によって、グリッド構成を使い分けることになると思います。
 製図講義において、初期のうちはわかりやすいグリッド構成でプラン可能なものが多いのですが、期間終盤になると、グリッド構成がうまくまとまらない課題が多くなっていくと思います。

 そして、試験問題はたいてい、グリッドにうまく収まらないように作られています。所要室面積が半端だったり、常識的に配置しようとすると、面積の組み合わせがうまくいかなかったり。
 そんなとき、どのように考えたらいいかというと…

 「犠牲になる場所がでてきてもやむなし」


 資格学校などで教わると思いますが、最も重要なのは「問題文に書かれている要求事項をいかに満たすか」という事になります。

 逆に考えると、要求されている事や法に抵触する事項以外は、ある程度不足があっても減点対象で済むのです。

 これは試験です。実際に建てる建物とは違い、時間などの制限も多くあります。
そのうえでは、完璧なプランを目指す事はあきらめてください。

 具体的に、私は事業者用の廊下形状を雁行させました。プランとしては減点対象ですが、それによって、利用者側のプランをすっきりまとめることができました。

 満点のプランは実務で実現すれば良いのです。

試験では時間内に「この建物に要求されている、最も重要ことは何か?」を考えて、そこから実現していく事が重要だと思います。


 …と、ここまで書いて何ですが、私は初期から絶望的にグリッド構成ができませんでした。
 盆休み中のエスキス講座などでは、一人だけエスキス案を完成させる事ができず、疎外感を味わっていました。その後もずっとエスキスを完成させるのに人一倍の時間が掛かってしまい、そのため、試験期間終盤にさしかかるまで講義内に図面を完成させることができませんでした。

 心配しないでください。
エスキスは最後の最後、資格学校の課題文が全て出そろってからが真の勝負です。出題された全ての課題を、最後の一週間でもう一度エスキスしてください。
 資格学校の課題のレベルは、初期から徐々に上がっていき、最後には資格試験を超えるレベルの難易度になっています。
 それを認識しつつ、グリッド構成のバリエーションを増やしてください。最後の一週間はその助けになります。

 絶対に挽回はできます。諦めないでください。



3.作図について


 冒頭に書いたように、私は製図が本当に遅くて…エスキスの遅さも相まって、当初は資格学校の講義をこなすだけでも手一杯でした。

 そんな中、どのようにしてスピードアップしていったかというと。

 前提として、エスキスをまとめてください。
「図面を描きながらエスキスをまとめる」は、よほど時間が無い時以外、やめておいた方が良いです。
 試験会場でも、エスキスがうまくまとまらないのに、早い時間から図面を描き始めてしまう人がいるかと思いますが、そういうのは気にしないでいいです笑

 次に、具体的な作図ですが、
NでもSでも、まず図面の描く順番を解説すると思います。
 まず、それを頭に叩き込んでください。
 (基準線→柱→壁…など…)
 手順を覚えるだけで、かなり速度は上がります。
 そして、できるだけ手戻りないように描いて行ってください。

 …という資格学校で教えられることを忠実にこなして描いていけば、速度は絶対に上がります。最終的には、2時間30分から3時間、遅くても3時間30分程度になるはずです。
 何も考えず、ひたすら製図するマシーンになってください。
 描いて、覚えていくことがただ一つの近道です。


 さらにプラスとして…

 資格学校によっては教えていますが、什器類や階段などの小物手描き+小さな三角定規で描けるようになると、時間短縮になります。特に階段は階高に合わせて段数や必要な長さなどを覚えてしまえば、かなりの短縮になるはずです。

 また「図面の印象」については、意外に大きな要素になっています。
強調したい躯体などの線は強く、内装や外構などの線は細く、立体感のある図面を描きましょう。
 図面の汚れについても印象に大きく影響します。手汗などで鉛筆がにじむような人は、問題文用紙やエスキス用紙を手の下に敷いて、図面が綺麗な状態になるように練習しましょう。

 「自分の考えている建物」をいかに見る人に伝えるか、という試験になりますので、そこに十分注意した答案を作成するようにしてください。



4.計画の要点等について


 先述しましたが、資格学校の課題回答例を覚えるのが簡単です。
 あとは図面と整合性が取れるように、それっぽく書けばなんとなくいけると思います(適当)

 配点の多い場所になりますので、落とすことのないよう。

 製図板が広げられなくて、製図の学習ができない空き時間などに、学習するのが良いと思います。
 日本語表現を問われている場面でもありますので、回答例と違う答えを書く際には文章に気を付けてください。



5.おわりに


 書いてみて思いましたが、まあ、大したこと書いてないなーと思いました。なので無料です笑。
 ただ、一応、学校によっては教えていない事なんかも書きましたので、参考になる箇所などはあると思います。

 とってもつらい試験です。夏を犠牲にしなければならないし、学科試験合格から離れれば離れるほど、やる気は失われていきます。

 今年で終わりにするぞ!という気持ちで取り組んでください。そして勝ち取ってください。
 諦めない気持ちが本当に重要です。
 製図試験の実力は、試験直前、最後の一週間で劇的に伸びるものです!!
 それまでひたすら、プランのパターンを蓄え、図面を描いてください!

 

あなたの一級建築士試験の合格を心からお祈りしています。  

 








 



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