バツイチ女がマッチングアプリで2000いいねを獲得するまでの話.29

「あり！なし！あり！なし！あり！あり！あり！」

右スワイプでいいね！、左スワイプで次へ。
目を皿のようにして、男たちを選別していく。
神にでもなった気分だ。
メッセージもじゃんじゃん来る。
すごーく性格の悪い作業をしているという自覚はもちろんあったけど、真性かまってちゃんの承認欲求はどんどん満たされていった。
この時点で500いいね！とか。
作戦は大成功だった。

「マッチありがとう！」
「すごく素敵だなと思ったので、いいね！させていただきました」
「かわいいね！今週末飲みに行こうよ笑」

まさに十人十色。
さまざまなメッセージが矢のように降ってくる。
とりあえず読むけど、とりあえず全部スルー。
500いいねともなると、そうでもしないと捌けない。
そんな中、狙っていた例の彼とマッチングする。

「こんにちは！🌷背が高い、スポーツ好きな人がタイプなのでいいね！送ってみました😊よろしくお願いします🙌」
普段のLINEなんて黒一色のわたし。
精一杯しおらしくメッセージしてみる。

「こんにちは！あ、同い年ですね。よろしくお願いしますね。今日は何されてたんですか？」
ああ、100点だ…
高身長、高学歴、高収入、顔濃い、関東出身、大手企業、ガッチリ体型。
そして最初に普通のメッセージができる人。
生理的に無理、そんなメッセージを送ってくる輩も多い中、なんだかやっと普通のハイスペックイケメンに出会えた気がした。