バツイチ女がマッチングアプリで2000いいねを獲得するまでの話.36〜右肩に〜
頭の中が真っ白に、と言う言葉をよく聞くけれど、本当に白一色で隅々まで塗りつぶされた。
わたしの幸せは、指の間からするすると抜け落ちるようにできているのか。
悲しさと、愛しさと。
一度全て忘れようと、その夜トウマと体を重ねた。
窓からわずかな月明かりが差し込む部屋の中で、トウマの右肩の皮膚の下に不自然な膨らみを見つけた。
知識がなくとも、それが医療用の何かだとすぐ分かった。
調べるのも、本人に聞くのも怖かったけど、これこそが彼を癌患者だと裏付けるものだと察した。
「I love you so much」
「安い言葉じゃない」Loveを、トウマはわたしにくれた。
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