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日記 神が作っている中華

 

去年のある夜、飲み会に行ってきたであろう兄から「神が中華を作ってた」と連絡がきた。

神の苗字は陳?


後日一緒に鴨川沿いを散歩していた時にそのラインを思い出し、「そういやなんなのあれは」と聞くと♪すごい速さで味を褒め出す兄貴(らららららら~)。春巻き、麻婆豆腐、店内の雰囲気… 「そんなに言うなら今度行ってみようかな、特にどの料理がおすすめなの」と聞くと「全部」と返されてお話にならなかった。
とにかくなんでもおいしいから、でもそんなに広い店ではないから、多すぎず少なすぎない人数で行っていろんなものを頼んだ方がいいとアドバイスを受けた。


行きたいなあと思って、事あるごとにそれとなく人を誘った。

人とご飯に行く時に店が先に決まっていることが今までなかったので、誘い方がわからず。人と会う時はその人と会いたくて行く。端から見たらがんばってそれとなくデートに誘っている人になっていたかもしれない。 違うよ(村上)。

飲み会の話題が出るたびに「ここどうですか」とあげる何店かのひとつをここの中華にしてみんなに送ってみていたけどなかなか選ばれなかった。日曜日が定休日なのも理由になって、ついに行かないまま年を越してしまった。

しょうがない、一人で行くか。
そう思いかけた時にちょうど大喜利の人たちとご飯に行くことになった。
かなり気心の知れた顔ぶれだったので、そうだ、もうこの人たちを道ずれにしよう、改め、この人たちと一緒に生きていこうと心に決め、なんの相談もなしに勝手に店を予約した。ごめん。

たのしみすぎて一週間前くらいから、「来週は中華だ」「3日後中華だ」とカウントダウンをしていた。カウントダウンなんてしていたから配分をミスして、GW前に終わらせなきゃいけない仕事を駆け込みでやることになった。ごめん。

いざ当日。勿論なにも食べずに大阪に向かう。こんなに期待を膨らませて行く外食の前になにかお腹に入れてから行こうだなんて思う人がいるだろうか。否!

ここから人の名前が出ます。当日の書き留め。

こなまくんとあきやまじとちょっと早めに集まる。
こなまくんは初めてちゃんと喋るしずっとちゃんと喋ってみたいなあって思ってたので、お酒が入る前にと先にカフェに行くことにした。(お誘いした)
でかいジョン・レノンの写真と目が合う店内で珈琲を飲みながら、通信制高校と恋の話をする。わたしは気を抜くとすぐ愛と恋の話をする。高校をやめてそこから塾の中に組み込まれている通信制に通っていたので、授業形式の通信制は限りなく大学に近いことを教えてもらう。空き教室を好きに使えるのは青春。
わたしが中学生の3年間で3人に振られた話は、たしかに1年付き合って別れたみたいな話よりも傷が浅くて話しやすい。あきやまじが学生時代に河原で大人数でピザ食べたって言っててふたりで爆笑した。ピザ飛んでくだろ。

時間が来て中華へ歩く。中華へ歩く道から既に中華は始まっている。

仲がいいの基準の話をしている時に(わたしはこういう話が好きなので、たのしかった)、流れであきやまじが「ふたりのことは仲いいと思ってるけど」みたいに言ったらこなまくんが嬉しそうに驚いてたけど、わたしはなんかふたり(さんにん)と仲いいに決まってると思ってたからなんでそんな当たり前なことを!って感じだった。

なんかさ!
みんな、人間関係流れていくものだと思いすぎじゃないですか!(と文句のように言ってしまうのは、たのしかった時間をなかったことにされたようで寂しいから)!
人間関係流れていくものだと思いすぎている人は、当たり前だと思うことで悲しみをブロックしてるのかな、と思う。じぶんはもっと、喋ってる時の心地とか、すごく感覚的なところで動いているかも、と思う。
あとこんなことは話さなかったけど、他人ってめちゃくちゃおもしろいと思う(『永峰中村飯塚』より)。その人を知ることでだんだん愛着に変わっていくし、他人っておもしろくて、おもしろくないってこっちの引き出し方の問題だと思う。人間に対しての飽きについて考えてる(それこそ飽きて別れる、とか)。こんなことは話してない。いま、打ってて思い出しただけ。

2分前くらいに着いた。もっと街中華の床べたべたみたいなのを想像していたので、思ったより何倍も綺麗な店で驚いた。店内だけでいえばフレンチ寄りだった。兄、ここで男3の新年会やったんか?

行くまでに「神が作ってる中華なんですよ」「なに頼んでもうまいらしいっすよ」とか言ってハードルを上げ切ってしまっていたので、なんかもうまずくてもおもろいか、と思って張り切っていろいろ注文した。どれも1000円いかないくらいの価格設定で、しかもお皿いっぱいに料理が盛られて出てくるのでコスパ最強だった。

小さい財布くらいある

春巻きを食べる。

おいしい!3人の総意。口に入れて、うん、まあうまいか、よかったうまい、って感じでもよかったけど、口に入れた瞬間、あ!これうまいやつ!ってなるタイプのおいしさだった。大喜利終わりのあかむつくんと合流して、更に加速して注文した。

小籠包、特製エビのピリ辛ソース、麻婆豆腐、鶏ささみとカシューナッツの辛味炒め、黒酢の酢豚、シューマイ、五目炒飯、牛肉の細切り味噌炒めを食べた。頼みすぎてる。味噌炒めは回鍋肉のイメージ。おいしい。

ハイボール、ドラゴンハイボール、桂花陳酒のソーダ割を飲んだ。ドラゴンハイボールっていうのは紹興酒のハイボールでこの店のオリジナルメニューかと思ったら一般的な名前らしい。紹興酒って薬品っぽいから好んで飲むことなかったんだけど、ソーダで割ると飲みやすくてハイボールと同じくらいの顔してメニューに並んでてもいいものだなと思った。
桂花陳酒っておいしい。金木犀を食べてるみたい、って変な感想。匂いと味が密に繋がっていることを思い出させてくれる。

料理のたびに取り皿が来るから味が混ざらない。


全部おいしかった!

こなまくんが何を食べても「うわっ、おいしい」とか目を煌めかせてくれていて、突然ハッとこっちを見て「いまぼく大袈裟に喜んでる人になってませんか、ちがうんですよほんとにおいしくて...」って弁解し出したのおもしろかった。大丈夫、わかるよ。

あかむつくんが席を立って戻ってくる時にイチかバチか何か言いながら入ってきたんだけど、全然当てる気がなくて笑っちゃった。具体的にはわすれちゃったけど、「わかるわかる」とかで入ってくればいいのにピンポイントな話題にしか使えないような相槌してきて、しかもめっちゃ長く喋るからこなまくんに呆れられていた。そんなこと話してたらあきやまじが「いえーい」って入ってきてまた笑った。万能な勝ち確。

左下のエビチリのためにまた来る


好きな音楽・お笑いなんですかって試されている気がして無難なの言っちゃうって話になった時に、わかるたしかにやっちゃうって言ったけど、でもわたしが言う「バンプオブチキンが好きです」って無難だからじゃなくてほんとにいっっっちばんバンプのことかっこいいと思ってるからなんだよな、でもきっと周りから見たらバンプって無難だから言ってるように見えてるんだろうな、と思った。ほんとにいちばんかっこいいんだよ。

主にHIPHOPの話をしていたら時間が経ってて、お腹もいっぱいになっていた。

店内はカウンターと4人がけ席3つくらいのこじんまりした感じで、ごみごみしてなくて喋りやすかった。
餃子を頼もうとしたけどメニューになかったので聞いたら「餃子はなくなりました」って言ってた。なくなった?!餃子がなくなったと聞いていちばん最初にメタミドホス出てきたの、こいつが陽キャなわけない。

おいしかったしたのしかった。リミッター外して飲み食べして会計1人4500円くらいだった。リミッター外して飲み食べしたけど、成人たちは二軒目も行った。心を開き終わってる2人。いつも遅くまで付き合ってくれてありがとう。2人だけじゃなく、お酒付き合ってくれる人みんなありがとう。二軒目の筍もおいしかった。

福島飲むのにすごくいい街。天満とか鶴橋の方も興味がある。大阪、今年のうちにもっと飲みに行きたい。

ここ!


神が作ってる中華を、気の知れた友人たちと食べに行った話でした。神でした。

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