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母と祖母と思いやりと我慢と。②

母にLINEする。

「今電話出来るかな?出来ればビデオ通話で!」

…既読にならない。
疲れて寝ちゃってるのかなぁ。

心配を頭に巡らせながら1時間ほどした頃、母からビデオ通話着信📲

「ごめんねー!今録画した篤姫見ててさ、そうそう宮崎あおいちゃんの。少し前のドラマだけど凄い面白いんだよね!CSで毎週やっててね、お父さんがそれを録画してくれてるのね!これが毎週の楽しみなの〜ふふふ」

思っていたより…………元気そう。
うん、いつもの母だ。声も明るい。

「やっぱりこうして顔見れるといいね〜!あっ、ほらお父さん!電話!」

父にも画面を向ける。

父👨「おーい。鰻おいしかったよ〜!ありがとう👋」私に向かって手を振る。

深刻そうでもなく、普通な雰囲気。
父の日に送った鰻の感想なんかも貰いながら、お互い顔を見て色々と話す。

「おばあちゃん最近大変?」

「うーんそうだね、デイは何だかんだ楽しみみたいで嫌がらずに行ってくれるよ。行ったあとは少し帰宅願望も出るみたいだけどね!」

「お母さん疲れてるからさ、1人の時間を持った方がいいよー!せめてたまにはユザワヤ行くとかさ。その為にもう少しおばあちゃんのデイ増やすとか、ショートも定期的に行ってもらってもいいんじゃない?これから介護が何年続くか分からないし、そうするとショートにお願いするタイミングも増えるだろうし、今から慣らしておくほうがおばあちゃんにとっても馴染みの場所になっていいんじゃないかな?ペラペラペラ…」

「うーん、まぁそうだね、そのタイミングが来たらね。増やすのもいいかもね。まぁおばあちゃんが家にいても仕事は普通に行かせてもらってる訳だし、おばあちゃんがいるから1人の時間がないって訳でもないし…」

「…そっかぁ。お母さんはさ、世間一般的に見ても忙し過ぎるよ、だから意図的に休むことも考えて欲しいなぁ…ペラペラペラ」

「うん、そうだね。そうそう、最近依頼が来た人なんだけどすごく良い方でね…」

その後は母と仕事の話し。

母は介護の仕事が大好きで、すごく嬉しそうにこんなことがあった、あんなことがあったーっていつも報告してくれる。

そのエピソードは利用者さんが母のことを信頼してくれているんだな、いい時間を作っているんだなって思える素敵な話しが多くて、その話を聞くたびに私は母のことを尊敬する。

1時間ほど楽しく話しをして、電話を切った。

離れて暮らしていても、家族。
おばあちゃんの介護問題だって、両親だけに負担をかけるのではなく、私に出来ることをしたり負担を減らしたり支えになりたい。

母が介護のストレスで気付かぬうちに介護うつにならないように、母は母の人生を楽しく生きてほしいと思っているし、

我慢ばかりしないで、時にはおばあちゃんにごめんね、お泊まり行ってきてもらえるかな?ってお願いしてでも時間作っていいんじゃないかな?

でも母はそうするね、とは言わなかった。

母は先述の通り、介護のプロ。
介護保険のことも、社会資源のことも、認知症の対応も分かってる。

だからこそ、認知症の症状が出てるおばあちゃんにイライラしても、父のように怒ったりはしない。(父に関してはもっと感情コントロールしてよと思うけど、それはまた別の話しで)

母からのLINEでも実際書いてあった。

「お父さんみたいに怒れたら少しは違うのかなって思う。でも怒っても認知症が治る訳じゃないからね。」

そうだよね。良い方法とは思えないけど、父はそうしないと抱えきれないのだよね。
だけどそれが出来ない母はどうやってこのストレスを処理する?

仕事での介護は終わりも区切りもあるけど、自宅での介護は切れ目がないし、理解しているからこそのストレスも溜まるだろう…。

何が言いたいのかというと、

介護に長年携わる母だけど、
社会資源に頼ってね!がんばらないでね!と、きっとこれまで介護者である家族に何度も伝えてきた立場の母だけど、

自分の親(義母)となると、やっぱり少し申し訳なさや思いやり、後ろめたさの混じった気持ちが影響するのかな。
気づいているかいないか分からないけど、自己犠牲が働くのだなぁ…と思ったのです。

優しい人や頑張り屋さん、自分を後回しにしていることに気づけない人ほどそうなるのかもしれない。

今回はLINEの文字でのやり取りより、実際はそこまで深刻な状況ではなかったから良かった。

でも私は家族として両親が、特に母が1人で頑張りすぎて病むことのないように、これからも何度でも自分自身を最優先して幸せでいていいんだよって伝えたい。

それが結果的に自分や家族の人生を守る事につながるんじゃないかと思っています。

(自分の中でしっくり来る言葉がまだ見つからなくて、偉そうな書き方でごめんなさい。)

まず私は母に顔を見せてあげられるよう、ビデオ通話の回数を増やそう!と思いました。

顔を見て話せると私も癒されるし安心するってことも今回の件で分かったので。
押し付けず焦らず力まず、まずはそこから…

ここまで読んでくださり、ありがとうございました♡


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