【学生のあなたへ】なぜ勉強しないといけないのかわからない、から始めよう

皆さんはなぜ勉強しないといけないのだろう、と疑問に思ったことはありませんか。それは大抵、勉強に前向きになれていない時に、むくむくと生まれてくる気持ちではないでしょうか。そんな気持ちに心を奪われそうな時、皆さんは自分はなんて弱いんだ、と嫌になってしまうかもしれません。しかし、私は全くそうは思いません。なぜなら、それは何のために勉強をしているのか自分の目的を考えるチャンスだからです。

今、目の前でやっている勉強が将来どんな場面で必要な知識なのか、実感ができない時になぜ「それ」を勉強しなくてはいけないのかという気持ちになるのではないでしょうか。一方で、学校での評価(モノサシ)は「それ」をどれだけ獲得したか、できるようになったかを測るものだから、辞めようにも辞められません。でも、本当にそのモノサシが全てでしょうか。

例えば、学校をまとめる役割の文部科学省は「主体的で対話的で深い学び」を行おうと言っています。一昔前ならば、研究者や職人さんと呼ばれる人たちは黙々と一人で仕事を極める、という働き方が認められていました。しかし、これからは大学の組織も変化を求められ、海外からの人材の流入により職人さんたちもチームで仕事をせざるを得ない世の中になっていきます。

そんな時代で生きていく君たちにとって必要な力は何でしょう。またどのようなモノサシで人を観ていくべきでしょうか。すでに学校でも今までとは異なるモノサシで皆さんは見られています。わかりやすい例で言えば、大学入試です。知識獲得量選手権だったペーパーテストの募集人数は減り、代わりに論文や面談、ディスカッションをしてチームに参加する力を測る試験が増えてきています。

もしかしたら、みなさんは与えられた課題をただこなすことだけが勉強だと思っていませんでしたか。一見その方が楽ですが、同じ考え方を持っていた先輩たちが大学や社会に出てから適応できずに苦しんでいるという調査も出てきました。また、何より与えられたものですから面白くありません。そういったことを踏まえて、文部科学省の人たちも価値観をリニューアルしたんですね。みなさんも複数のモノサシで自分の学力を測ってみる必要がありますよ。

最後にみなさんに伝えたいのは、それでも知識は必要だということです。話が違うじゃないか、と怒らないでください。先ほど私は「複数のモノサシで」測ると言いました。考えてみてください。何の考えもないもの同士が集まってもただのおしゃべりか薄っぺらな結論しか生まれません。だから、自分の時間で「それ」について学んで「わかったつもり」になることがポイントです。頭ではわかったと思っていたのに説明しようとすると混乱することありますよね。その状態です。まずは「わかったつもり」でよいのです。そして、みんなで対話をする中で「わかった」にしていくのです。ですから、「わかったつもり」をつくるためにみなさんはまず自分の頭で考えることを始めましょう。

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