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工学の歴史と技術の倫理

現代社会においては、科学研究者も、技術者も、自分たちの研究・開発の結果が、そのまま、公共空間に生きる人々(自分たち自身も含めて)の「生」を決定的に左右する可能性があることを、忘れることができない。さらに、技術はもちろんのこと、科学にあってもクライアントが出現している現代にあっては、クライアントが求める要求(使命)を達成することは、当然の責務であるが、同時に、それを達成し、実際に社会のなかにそれが実装されていくことによって、公共社会全体がどのように変化するか、ということに対する配慮が、より大きな責務となる。クライアントの与えられる使命を達成することが、必ずしも公共の福祉にとって常に善であるとは限らないことは、すでに見た幾つかの技術団体が掲げている行動規範からも、明らかである。

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