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景観から見た日本の心

私たち人間もまた自然生態系の1部であり、「命の運び手」である以上、環境との拒絶、自然との断絶もありえないのです。景観は目に見える環境の総和です。ただ物理的に美しい、文明的な美の有り様を景観と称しているのではありません。風土・風景との文脈を有し、人と自然のつながりが正の状態であることが望まれる景観の姿です。よって景観計画とは、多様な生命の営みが、人間の活動と調和し、文明と文化と生命現象が三位一体となって美的な世界を生み出す姿を、真の景観と考えるべきだと信じています。

自己実現が成熟した社会の幸福感の基盤であるとするならば、それを果たし得る目に見える環境の総和としての景観、人の顔色にその健康状態を見るのと同様、地域の健康状態を表す景観を整え、未来に向けて、「つながりを見ることができる社会」を心で観ることができる社会を構築すべきでしょう。

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