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Marqeta, Inc. (MQ) Q2 2021カンファレンスコールまとめ

Marqeta FY21 2Q
EPS ×、売上、ガイダンスはOK
EPSは訳ありでミスではない。
ジェイソン・ガードナーCEO、終始強気のコメント!

Marqetaを超簡単に説明すると・・・

今大注目されている後払いサービスBNPL。日本ではユニコーンの「Paidy」がBNPLプレイヤーですね。世界に目を向けると、Affirm、Square、Afterpay、Klarnaあたりが有力企業です。
BNPLはクレジットカードとは違い、与信調査が緩く、与信情報の共有もプレイヤー同士でされていなく、クレジットカードで大きな買い物をしてしまい融資枠が残っていない時とかに便利に使えるわけです。
で、Marqetaは前述のBNPLプレイヤー全てに対して、システムを提供しています。だからBNPLが使われれば使われるほど、大きな収益を得ることができます。
ゴールドラッシュでは採掘者よりもツルハシのメーカーの方が儲かった様ですが、まさにそのツルハシのメーカー的ポジションにいる会社です。

まとめ

EPS×、売上、ガイダンスはOK

<結果>
EPS:× (実績 ▲0.29 / コンセンサス ▲0.0654)
売上:○(実績 112.27 M / コンセンサス 105.32 M)
<ガイダンス>
3Q売上:○(新ガイダンス 114 M~119 M / コンセンサス 99.64 M)

EPSミスってるじゃん!という感じですが、IPOでRSU(リストリクテッド・ストック・ユニット=ストックオプションの一種)を出したことによる一時費用(5600万ドル)で、これはいつIPOができるか分からなく、事前把握はできないので気にしないで良い、とじっちゃまが説明されていました。

売上

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全体

2QではGoogle Payと提携し勝者との取引が拡大。
Square Bankingの様に既存客との取引を拡大。
Affirm社との契約を2024年まで延長し長期的な関係を構築。
Square、Instacart、Uber、Klarnaなど、過去10年間で最も破壊的な企業のいくつかは、製品の中心にMarqetaの技術を使用している。
36カ国で事業を展開。
世界には74兆ドルの市場があり、そのうち30兆ドルが国際的なカード発行。
Marqetaのプラットフォームは昨年600億ドルを処理したが、これはカード発行機会全体のごく一部に過ず、伸び代は大きい。

市場の拡大機会を捉えられる位置にいる理由

①デジタル決済への移行がパンデミックでさらに加速しているから。
②消費者や企業のアプリにより多く搭載されるようになってきているから。
③新しい決済技術に対する消費者の信頼が高まっているから。

マルケタの重要指標

①決済総額(TPV):Marqetaの市場導入、事業の成長、拡張能力、およびお客様による継続利用を示す指標。
②調整後のEBITDA:営業利益率を示す有用な指標。

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決済総額の増加理由

①税申告期限が第2四半期にずれ込み、還付金の受け取りが遅くなったことで、第2四半期に消費が集中したこと。
②BNPL企業の売上が前年同期比で350%増加したこと。
③オンデマンド・デリバリー分野の成長率が低下したが、ボリュームレベルは高いままだった。

質疑応答

Tien-Tsin Huang -- J.P.モルガン -- アナリスト
売上高は前四半期比で大幅に増加していますが、売上総利益は前四半期比でわずかに減少しています。この違いについて説明してください。

トリップ・フェイクス -- CFO
ネットワークからのインセンティブ収入により、売上総利益率が2、3ポイント上昇した。その反面、第2四半期には、原価側のネットワーク料が増加した。ネットワーク手数料は、加盟店、銀行、取引形態、などによって大きく異なります。当社は使用ベースのビジネスであり、利益率は四半期ごとに変動するため、今後、具体的な粗利益率のガイダンスは提供しない。しかし、最も重要なメッセージは、第3四半期の業績は、当社の長期目標である売上総利益率40%から45%に沿ったものになると考えているということだ。

ジョシュ・ベック -- キーバンク・キャピタル・マーケッツ -- アナリスト
グーグルとの事について詳しく聞かせてください。非常に注目度の高い勝利ですね。他にも多くの企業が入札していたと思います。その中で、御社を差別化し、両社にとってWin-Winの関係を築く上で何が大切だったと思いますか?

ジェイソン・ガードナー -- CEO
私たちのプラットフォームは、世界で最も革新的な企業が、業界のルールを変えるような製品を大規模に実行するのを支援できるように設計されています。GoogleがMarqetaを選んだのはそのためです。
以前は、Google Payウォレットのユーザーは、資金の使用方法が非常に限られていましたが、トークン化された仮想カードで簡単に利用でき、そのカードを利用できる加盟店は、現在、特に米国内で多く存在しています。
これにより、Google Payのユーザーには、エコシステムが広がりました。

ラムゼイ・エル・アッサル -- バークレイズ投資銀行 -- アナリスト
ダービン修正条項(米金融当局のデータによると、取引1件当たりの手数料は適用対象外の小規模金融機関で約54セントだが、対象となる大規模金融機関は約22セントと上限が定められている)における小規模銀行の除外措置や、Marqetaのようなフィンテック企業が小規模銀行を経由して発行し、規制されていないインターチェンジを獲得できるかどうかについて、多くの議論がなされています。
今後、何か変化があると思いますか?よもし変化があるとしたら、その変化をどのように乗り越えますか?

ジェイソン・ガードナー -- CEO
ダービン修正条項に関しては、近いうちに何か変化があるとは考えていません。ダービン修正条項は、小規模なコミュニティ銀行を保護し、消費者を保護するために導入されたものです。このような変更は、業界にとって非常に大きな意味を持ちます。私たちはこの問題や多くの規制や、業界で起こっているその他のことに目を光らせています。
数年後にダービンの状況が変わり始めたとしても、成長を維持できるようにビジネスモデルをどのように変更するかについては、非常に慎重に検討するつもりです。

Darrin Peller -- Wolfe Research, LLC -- アナリスト
Marqetaがクレジットカード事業に着手したのは、ここ2、3四半期のことだと思います。銀行との提携も進んでいるようです。主にクレジットカード分野でのビジネスチャンスと、その進捗状況についてお聞かせください。

ジェイソン・ガードナー -- CEO
Deserve社(クレジットカードのスタートアップ)と提携し、すでにテストで利用している顧客がいます。これを大幅に拡大したいと考えています。Marqetaではかなり大規模なチームを編成し、この製品に注力しています。この製品は、今後数四半期のうちに拡大すると思います。カードの発行や処理だけでなく、カード製品や、多くのツールやプログラム管理に関連した処理など、他にも様々な分野があります。このように、今後も話題は尽きませんし、未公開のものもたくさんあり、まだまだ続きます。

ボブ・ナポリ -- ウィリアム・ブレア・アンド・カンパニー -- アナリスト
大規模な銀行の領域と、スクエア以外のネオバンクの可能性について。
Squareとの契約で、他のネオバンクや他の銀行との連携を禁止するようなことはありますか?

ジェイソン・ガードナー -- CEO
契約上、ビジネスの拡大を妨げるものはありません。
大規模な金融機関は、現在の取引量の大半を占めています。これらの金融機関は、近代化を目指しています。オンプレミスからクラウドへ、あるいはオンプレミスで管理していたハードウェアをクラウドに移行しようとしています。これは、当社のビジネスの中核をなすものです。

感想

BNPLが350%の成長は驚異的!
裏側を支えるMarqetaはしばらく成長を続けそうです。
ただし、BNPLは与信データを共有しないので、将来デフォルトする人を生み出してしまうリスクがありそう。サブプライムローンの問題から始まる世界的な不況のことをどうしても思い出してしまうなぁ。。。

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