ペライチに来て1年間の振り返り
初めまして、ペライチの取締役COOをしております安井一浩(https://twitter.com/KYasui0125)と申します。
ラクスルのIRにて、ペライチが継続グロースしていることが発表されました。その際にアクションがいくつか記載されておりましたが、ざっくり書かれてるPMIアクションの詳細をご説明したいと思います。
※ラクスルIR(第二部)2021年 7 月期決算説明会資料:ビジョン実現のための事業展開と蓄積し続けるアセットより
ペライチについて知らない方にもご説明しておきますと、2020年9月にラクスルからペライチに4.9億円の出資をしておりまして、そこから100%出向でペライチの事業価値向上にコミットして1年間やってきました。振り返りをしたいと思います。
出資の背景などはこちら:https://note.com/k_yasui/n/n11bec13220c1
会社を構成する要素と言えば「ヒト」「モノ」「カネ」ですが、すべてにおいてアプローチをしまくっておりました。
理想の姿をイメージして、その差分という課題に対してアプローチをしていく手法を取っています。
なお、やったことを全部書くとすごいことになるので、抜粋して書いております。
「ヒト」
1.会社の方針とスタンスを元にした制度設計
・ビジョンミッションバリューの具体言語化
・行動指針の設定
・人事制度の刷新
ビジョンミッションバリューの具体言語化:
会社とは人であるとは良く言ったものだと思いますが、社員は会社における臓器で、ビジョンミッションバリュー(行動指針)などは血液にあたると思っています。
社員全員ヒアリングを行ったところ。ビジョンは「つくれるのその先へ」ですが、「ビジョンと戦略の結び付きがあまり理解できない。」「その先へとは?」など言語化されていない部分を戦略に落としながら言語化していきました。
社員が目指す姿の同じ方向を見てモチベーション高く仕事をするためにビジョンミッションバリュー(行動指針)をまずはより具体的に言語化しました。
人事制度の刷新:文言だけ作っても運用に乗らなければ意味無いと思いましたので、人事制度にもその思想を反映していくことを実施しました。具体的には評価制度と行動指針を連動させ、行動指針の体現化レベルに合わせてグレードを設定し、給与も変わるように変えました。
2.組織力アップ
・意思決定のスピードアップ
・人材の採用
・マネージャー教育
意思決定のスピードアップ:ペライチの大きな課題の一つに意思決定のスピードが遅いというものがありました。これに関しては私が秒で意思決定することで、早いことは良いことであるという空気感を作りました。それにより、他の人も早く決めないといけないという意識付けをするのと、経営が決めているという経営に対するポジティブな印象の変化をもたらしました。
人材の採用:ペライチは実は採用というものをほとんどしてきていませんでした。ペライチ関係者で入社を希望している人や知り合いなどのリファラルがほとんどで、外部から狙って人を採るということをやって経験がありません。そこで、まずはエンジニアを6か月で倍にするという目標を建てて動きました。実際は業務委託も含めてエンジニアの数は倍になりましたが、そのおかげもあり採用に対する免疫が付き、採用も内製で徐々にできるようになってきました。採用は気合と根性が大切です。面接も各人1日1面接くらいはこなせるようにゴリゴリやっておりました。現在では当時と比較するとマネージャー3名→6名。エンジニア4名→8名と大幅パワーアップしています。
マネージャー教育:人数が30名を超えてきた辺りで組織崩壊を起こすベンチャーはいくつか聞いたことがありますが、御多分に漏れずペライチにもその危機が迫っておりました。役員がマネージャーを複数兼務しており、メンバーケアがほとんどできずにメンバーが辞めていくという事象が一定起こっておりました。マネジメントとは?という教育を行うことでマネージャーの役割を明確化することで組織力向上に努めました。
お手製のマネジメント研修だったので、資料を作りつつ毎週1回マネージャーと希望者対象に宿題ありの研修しておりました。具体的な内容をお伝えすると、中長期の未来の理想像を描き、それを実現するためにどんなことをやっていけば良いか?というのを課題設定と計画実行までを細かくステップで積んでいくという研修になっています。マネジメント研修で良かった点はマネージャーのマネジメントに対する考え方が変わったということもありますが、マネージャー同士の会話が増えたということも良かったということを付け加えます。おススメ。
「モノ」
1.プロダクトの目指す姿から現在地の言語化
・プロダクトビジョンの設定
・プロダクト戦略の設定とキーワード化
プロダクトビジョンの設定:プロダクトを作る時にどんなものを作るか?が分からないまま作ってもハウルの動く城みたいなプロダクトができてしまいますよね。それを回避するためにプロダクトビジョンを設定しました。
「One peraichi for One business」
ペライチひとつでビジネスが成り立つサービスを作ろうと思っています。どのような思想でサービスを展開していくか?というのをカスタマーサポートなど人的サービスを含めて言語化しました。SaaS業界だとMOATをどう作るか?とか、チャーンレートなどのKPIをどう改善するか?という話が良くされますが、私はまずはこんなサービスがあったら世の中が変わるんじゃないか?こんなサービスが作りたい。から初めています。社会が変わるプロダクトを作りたくてプロダクトビジョンを設定しました。詳細が知りたい方はぜひ、面接まで笑
2.グロウスのための4Pトライアル
・Promotion&Placeトライアル
・Product&Priceトライアル
Promotion&Placeトライアル:事前の調査で認知度が低いことが分かっていたので、数々のプロモーションをトライアルしました。もちろん、リスティングもやっていたのですが、どうやらこの業界はリスティングの効率が悪くCPAが合わないので、認知度を如何に上げるか?に注力しました。
また、もともと無料で使えるという点を訴求していたところから、有料プランを中心の訴求に変えることで最初から課金するつもりの方を集めることに戦略を変更しました。効果はテキメンで課金率はぐんぐん上がり、良い感じに。Webサイト自体も課金する方向けの説明などに変えています。
認知度アップのトライアルをした媒体は以下です。
LINE広告、ヤフーブランドパネル、Twitter広告、FacebookAD、Googleディスプレイ広告など。
結果として、得たものは認知度が上がるとブランド名検索の数字はそれほど上がらないけど、ブランド名検索のリスティングとSEOトータルのクリック率およびクリック数が上がりました。よりペライチに関心がある人が検索してくれるようになったと考えています。
TVCMは現在関西にてトライアル中です。
Product&Priceトライアル:開発を伴わないトライアルを行ったのですが、これもいろいろとやりました。
ペライチにおけるProduct&Priceの変数
・公開ページ数
・プランごとのパッケージ
・サービス名
・お試し無料30日期間の内容
・価格
いろいろと複合的にやりましたが、結論として一番効いたのは「お試し無料期間のサービス内容をレギュラープランからビジネスプランに変更」
学んだこととして「いろいろと細かい変更等はそれぞれニーズがあるけど、総論的に数字を大きく動かすものでは無い」ということ
ユーザーの内、大多数のユーザーが何を求めているか?を考え、それに応えていくのが一番わかりやすく効果が出ました。基本的に名前を変えたり、する小手先の内容はあまり効果がありませんでしたね。
「カネ」
・コストの適正化と契約SaaSの見直し
コスト周りはシンプルに見直しました。1件1件それは本当に必要か?を繰り返していく作業です。地道にやっていって月に500万円以上は削減できたのでは無いでしょうか。
まとめ
「ヒト」「モノ」「カネ」すべてにアプローチしていったのですが、PMIというか会社に入ってその会社をよくするということは地道な作業だなと感じました。その中でも特に大切なのは言語化。私が会社やメンバーのことが分からないのはもちろんのこと、逆に会社やメンバーから見ても私のことが分かりません。なので、考えていることや今後どういうことを目指しているかなどをとにかく言語化して伝えることをしました。
どの会社に行っても使えるスキルのことをポータブルスキルと呼んでいるのですが、経営や事業成長などはポータブルスキルであると考えています。今回のようにPMIにおいても、やったこと学んだことを一般化しておいて別の機会で使えるポータブルスキルとして持っておこうと思います。
ペライチは現在、事業成長のドライバーが少しずつ見つかって来ており、成長フェイズに入ってきております。営業による力業はできませんが、プロダクトをベースに事業を伸ばしていく快感を一緒に味わいたい方はいらっしゃいませんか?現在、いろいろな職種を募集しておりますので、ご興味湧いた方はぜひご応募ください。エンジニア以外は私が最初の面談だと思います。よろしくお願いいたします!
ペライチ:取締役COO安井一浩(https://twitter.com/KYasui0125)
募集職種:
CFO候補(コーポレート責任者)
CPO候補(プロダクトマネジメント)
プロダクトマネージャー
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