■美意識のベクトルが違うとなんか噛み合わない
最近出会った男性と食事する機会があって、いろいろと考えさせられる出来事があったので記録を残しておこうと思う。
私は31歳、男性は5、6個年上。会うのは2回目。初めて会ったときにカラオケで意気投合して、今回は落ち着いて食事でも、という流れ。男性から二人きりの食事のお誘いなんて滅多にないことなので、中学生みたいに舞い上がって、肌整えたり、筋トレにいつも以上に時間をかけたり、自宅用脱毛器で腕やら顔面やらバチバチしたり、当日浮腫みが出ないように塩分に気を使った食生活を心掛けたりと私なりにキラキラな状態を整えて華金を迎えてみたわけです。お洋服も、似合うねってたくさん褒めてもらった真っ青なセーター着て。
お酒の入った状態で、しかも薄暗い状態で会ったきりだったから、待ち合わせて私も相手もなんだがお互いにお互いの印象が大分違っったと見えて、あのなんともふわふわしたお久しぶりです~~のきごちなさは中学生が初めて私服デートした時の雰囲気に似ていて初心な感じでいいと思いました。(中学生の時にデートなんてしたことないけど。想像力)
選んで来くれたラフな居酒屋のカウンター席は、席の間に十分に余裕があって、居心地もよかったし、ざわつく店内でえ?とか言いながら耳を寄せたりしてたら、私ちゃんと女性やってるって思って嬉しくなったりしてたな。
そこからも好きな焼酎、日本酒、ウィスキーの話したり、全然好みは合わなかったけど、音楽の話をしたり、とっても楽しかった。
が、その話が落ち着いて、年齢的に代謝落ちてきたから筋トレしてる~って話になり、俺もジムに行き始めた~~とか、そういった話が始まった辺りが今回、一番書いておきたいところ。
「眉毛書いてないよね」
唐突にそう言われた。そうです、おっしゃる通り眉毛は書いておりません。整えております。抜いております。脱毛器バチバチ言わせて、作り上げた眉毛は結構気に入ってもいます。と、言いつつこれに関してはお世話になっている大好きな女性の先輩にもご指摘頂いたことがあって、「眉毛書いたら変わるよ~~」って恐縮ながら眉毛を書いていただいたこともあります。でもどうにもこうにも(見慣れていない所為といってしまえばそうなのだろうけど)しっくりこなくて、さらに憧れのモデルさんがずっと前のムック本で眉毛は書かないって言っていたことも手伝って、書かないを貫いてきた。
しかし、いとこや友達と話していて、寝坊したけど、なんとか眉毛だけは書いてきた!って話聞いたのは少なくないし、眉毛ってきっと人に与える印象でとっても大事な要素なんだろうなとは思っています。
いや私もそういう品ものを買ったことはあるんだ、でもやっぱり書かない眉毛の方が好きなのだ。
そして、居酒屋回想場面に戻る。反射的に質問してしまう。
眉毛書いてなかったから、今日は手を抜いて来たと思った?って。
「う~~n」
気を使ってくれたようで、歯切れの悪いうなり声を漏らしていたけど、否定しないということはそういうことなんだろうな。と。続いて、
「ファンデーションもしてないよね」
してません。でもトーンアップの日焼け止めをしています。化粧下地にもなると謳っている商品を使用しています。重ねて塗るのがとても苦手で、それでいて日焼けしてはいけないという強迫観念を抱えているので、夏場外出の際は1時間に1度は塗りなおします。何も塗りたくないからこそ、肌が荒れないように、(一生懸命生きてきたのでシミやそばかすはあるけど)食事や保湿も頑張っている。だから割と、素肌出すことに抵抗はない。
「ファンデーションとかするものだと思ってた」
それも、多分そういうイメージを持っているのも仕方ないな、となんとなく会話は進んで。そこからどんどん美意識の話になった。
誰もが憧れるような身体を持っているわけではないけれど、自分の美意識に基づいて自分の好きなラインでいられるよう筋トレに少なくない時間をかけている。(目指せホールジー!!)筋トレにぐんと力を入れ出したのはここ数年だけれど、10年以上は続けている。筋トレをして好きなラインに近づけは近づくほど、シンプルなデザインのお洋服に惹かれるようになってきた。シャツにデニム、とか首元のざっくり空いたセーターにタイトスカートとかね。
「そんなに体型とか肌に気を遣っているんだからもっと綺麗になりたいとか思わないの?」
これを言われたときは、ぽこぽこぽこと木魚のリズムではてなが浮かんでて、トーク反射神経(?)には自信がある私でも頭の中が真っ白になってしまった。
「化粧品を買って、化粧するだけで綺麗になれるんだよ」
と畳みかけられてやっと、あ、これはきっと美意識の方向性が違うんだ。と気づいた。
そこでもう、この後会うこともないなと確信したら、さらに楽しくなってきて、結局カラオケオールでシドニアガンダム歌い狂った最高の夜となりました。もうこすりまくってアイシャドウもどっかにいって「もうほとんどすっぴんじゃん」とか言われたけど、もう歌うことしか考えず、夜を駆け抜けました。(練習中のヨルシカ『春泥棒』が上手に歌えなかったのが心残り)
そして朝日を浴びながら電車に揺られる時間ももっともっと楽しかった。私は考えることが大好きです。その思考の種を蒔いてくれた彼に大感謝。
美意識ってなんだろう。
その方向性は人それぞれ違うということ。で、それを理解していないと、お互いの印象を酷く損なう可能性があること。ここでは性差にについてはあまり考えないことにします。私はそれなりの美意識を持っている自負があるけれど、それは彼にはあまり伝わらなかった。それは彼が狭量なわけじゃなく、もちろん私の所為でもない。例えば絵画においても私の琴線に触れる美しい女性は薄いベールを纏った裸婦ばかり。私の美しさの果てはそちら側にある。私は恵まれた容姿をしているわけではないけれど、もう30年もこの肉体と共に生きてきたので愛着がある。だからなるべくこの器のいいところを上手に見せられるように綺麗に整えておきたい、というところから湧いてくる美意識なのだろう。
と、自分の信念に気づいたあとでも、いろいろと思うところもあって、もしこれから本当に好きな人ができて、親しくなりたいと思ったとして、眉毛を書かない、ファンデーションをしない、それによって土俵にも上がれなかったら?とか思って、youtubeでメイク動画などを観てみたのですが、もうほとんど何を言っているかがわからなくてびっくりした!苦手な理系分野のお話を聞いているんじゃないかって思うほど。専門用語が飛び交うし、顔面というフィールドも細かく分けられて、区画?によって塗るクリームが違っていたり、眉毛にしてもペンシル1本ってわけにはいかないんだね。でもみるみるお顔が変わって、キラキラしていくのを観ているのはとても楽しかった。ワクワクもして、これはこれで楽しいのかもしれない!!って。
でもそこに辿り着くまでにに自分にあう色味を見つけなくてはならない、同じメーカーでそろえるだけじゃなく、アイシャドウはこのメーカーがいい、プチプラでもこれはよい、これはあかん、青みピンク、なんとかモンスター、多分お店でも探せないよ私。
それで思ったみんな、それぞれの価値観に基づいて、時間をかけるものを選んでいるんだなって。私が仕事から帰って筋トレに励む時間を伝えると驚かれることも多いけど、多分その分別の美意識のベクトルをもつ人たちはメイク動画を見たり、お店で試したり、ネットのレビューを確認したり、そういったことに私が驚くような時間を使っているんだと思う。その子たちはきっとそれはそれは時間を忘れるような楽しい時間を過ごしているに違いない。私も私で筋トレしている自分をはちゃめちゃに楽しんでいる。
私がゆく美意識のベクトルで言えばやることはとても単純だ。食事に気を遣う、保湿する、筋トレする、散歩する、日焼けしない、本当にこれくらい。多分これ、結局のところズボラだからこっちにハンドルを切ったのだと思います。生きてるだけで、いろんな支払、人間関係、仕事のあれこれ、考えなきゃいけないことが多すぎて、もう既にキャパオーバーなので、お化粧へ試行錯誤するパワーがないだけかもしれない。
あれこれ悩みやすい人間なので、シンプルにひた走る美容法が向いているのだろうな。
いや、でもきっと私のベクトルと、別のベクトル二つの道をひた走っている人もいるよな、ほんと凄いぞ超人。
でもメイク動画で観るような大変身もしてみたいんだよな。そちら側に頑張れる人たち、とても尊敬するし、可愛い、綺麗キラキラしていて素敵。妹がとってもお化粧好きなので、こんどバッチリお化粧してもらおうかな。
何が言いたかったのかわからなくなってしまった。あれだ、先日食事した彼とは合わなかったってことかな。私もこれから別のベクトルに向かう気もないし、私が特異な人間だとも思わないので、同じ価値観を共有できる人に絶対出会えるはずだと思っている。なんか不思議と焦りもないしな、でもウルフウッドが夢に出てきたときはちょっと困ったな(詳細略)
ま!!いろいろあるけど割と楽しいからいいか!笑
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