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2022年出会った音楽(振り返り)

普段自分はSpotifyで音楽を聴いてるのだけど、今年面白いなと思ったのが12月に入ってプラットフォーム側から届く例の「まとめ」。
再生回数の多い曲と、心に残った曲とはこうも乖離があるのかと思う面白さを見つけられた。数は真理を表すわけではない、をひとつ証明してもらったという事で。
こうして挙げてみると今年は「ピアノ」と「歌声」に特に惹かれた一年だったな、と思う。

Songs for Berta / Sandrayati, JFDR, Damien Rice

今年出会って一番心惹かれたアーティストがインドネシアのシンガーソングライター、Sandrayati (サンドラヤティ)。
彼女の作品のうち、ダミアン・ライスとヨフリヅル・アウカドッティルと共演したこの曲が2022年のベスト。
小さな祈りが重ねられていくような優しい歌声の重なりは、いつ聴いても心を穏やかにしてくれる。

Found / Sandrayati

同じくサンドラヤティの本曲も同じくベストに入れたい1曲。
『Songs for Berta』もだけど、彼女の楽曲と歌声には、世界へ向けて捧げられた祈りのような広さと包容力がある。
得られる情報が少ないため、ほとんど彼女についてはよく分かっていないが、アーティストとして持つスケールが多く感じられる。

Just Piano / KFJ

一曲目『Sundays (Just Piano Version)』は、今年何度も繰り返し聴いた2022年のテーマソングとも言える一曲。
奏でられるピアノの音色が全てを洗い流してくれるような、心を落ち着かせ、癒やし、清涼さを取り戻させてくれるような効果があるアルバム。

VINCENT / KFJ

同じくKFJからもう一枚の新譜『VINCENT』も今年のお気に入りの一枚。
ピアノの音色が軽やかに転がるような一曲目『Way Out』、一転して歌声へ絡みつく哀愁的なギターが印象的な『Greener』。自由で多彩でロマンティック、一枚を通して聴く楽しみが詰まったアルバム。

Moody31 / Lydia Persaud

カナダのシンガーソングライター、 Lydia Persaud (リディア・パーソード)の2ndアルバムは、まずジャケットが良いですね。映画のワンシーンのような雰囲気にグッとまず掴まれてしまう。
ジョニ・ミッチェルやキャロル・キングを思わせる70年代ソウルのグルーヴ感と、スムースな歌声の心地よさ。
今年特に秋から冬にかけ、歩きながら聴くときに一番手が伸びたのがこのアルバム。

Everything I Know About Love / Laufey

リディア・パーソードと並んで、特に街を歩きながら聴いたアルバムのもう一枚のお気に入りが、去年に引き続きのLaufey(レイヴェイ)。
レイヴェイは往年のバート・バカラックのような、誰の心にもスッと入り込んでくるスタンダードでロマンティックな作曲センスを持ちながらも、一方でどこか現代的な軽やかな感覚が同居している。古典と現代とがこんな自然に調和する姿がありうるのか、とどの曲を聴いても嬉しい驚きがあり、同時にある種の憧れをいつも感じてしまう、なんというか理想のアーティスト像でもある(そしてかわいい)。

Octante / Delfina Mancardo

今年出会ったニューカマーとしては、アルゼンチンのフォークシーンから突然届いたシンガーソングライター、Delfina Mancardo(デルフィーナ・マンカルド)のデビューアルバムが一聴してすぐ虜となってしまった素晴らしさ。
カルロス・アギーレのようなアルゼンチンの背景を感じさせながらも、ジャンルとしてはもっと広さを感じる、キラキラと輝くような1枚。今年の1枚で挙げる人も多いのでは。それくらい印象的な出会い。

The Weather Station / How Is It That I Should Look At The Stars

「星を見るとは、どういう事なのだろう?」このアルバム・タイトル、素敵じゃないですか?
ジョニ・ミッチェルを連想する、少しハスキーで、でも落ち着きある歌声は、終始せわしない自分をいっときでも心穏やかに鎮めてくれる。
現代のフォークシンガーの良心のような象徴がタマラ・リンデマンでないかと思う。

Affinity / Bill Laurance

今年のピアノ作品としてまず思い浮かぶのはビル・ローレンスのこのソロ・ピアノアルバム。
「流麗」という言葉がぴったりなタッチと旋律。終始、映像的な音楽で、想像力を刺激するロマンティックさがある。とは言え一方で人を耽溺させるような魔力を持つこのような旋律には、なんというか近づくのが怖くなる時もある。「魅力」とは怖いものでもある、という。

Somnio Novo / Olivia Belli

オリビア・ベッリが奏でるピアノには、どの曲にも優しい表情と真っ直ぐでやわらかな美しさがあって、ピアノという楽器が持つ深みや優しさ、繊細さについて感じ入ってしまう。
どんな人にでも薦められるし、薦めたいと思うピアニスト。
今年制作したポートフォリオのデザインを進めていた際、後ろでよく掛けていたのがオリビア・ベッリ(と冒頭のサンドラヤティ)で、彼女の音色によって姿勢を正された事は無意識にもきっと多くあったのでないかと思っている。
今年シングル発表された『Valse』も美しく素晴らしい曲でした。


挙げた曲たちはここで2022年のプレイリストとしてまとめてみてます。



ちなみにSpotifyより「あんたがいっちゃん好きなんはこれやで」と挙げてもらったのがエドブラック。
ここで挙げたベストとの乖離よ。大好きですけどね。


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