「大ばあちゃんの戦争」
「あれは戦後すぐのことやった。敦子と典子は進駐軍のジープにはねられて。それがもとで死んでしもうたんよ。二人ともまだ、あんなに小さかったのに……」
八月が近づくと、いつも
祖母が話していたのは
敦子おばちゃんと典子おばちゃんのこと
母の幼くして亡くなった妹たち
詳しく話すわけでは無い
これだけのことを語っては
あとは黙ってしまう
その沈黙が余計に
祖母の何十年経とうと
癒えぬ哀しみを物語っているようだった
今
コロナ禍の中で
この国の政治家たちが
やっていることはなんだ
こ