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「あれは戦後すぐのことやった。敦子と典子は進駐軍のジープにはねられて。それがもとで死んで…
どうしても忘れられない傷があって どうしても許せない人がいて あんまり歳月が経ちすぎて 忘…
なんやかんやとありますけれど まだまだ笑えておりますゆえに 暮らしの厳しさあるにせよ 今日…
この心ほど 思うに任せぬものは無し 忘れようと 願うものほど蘇り 忘れまいと 祈るものほど零…
眼鏡をかけるとよく見える ボヤけていたものはハッキリして 世界は一段階、明るさを増すようだ…
遠方の友人から久しぶりのMail 「あなたの好きそうなものを見つけたから送るね」って 届いた…
わたしにとって夏は 甘やかな懐かしさと切なさに満ちている もう還らないものとの想い出が多すぎて あのバスも通っていない細い海への道も 失くした白い花のついた麦わら帽子も ひんやりとした古い民俗館の空気も 見上げた青空と真っ白な入道雲と ペンキの剥げたベンチで飲んだ ラムネの中にあるビー玉が カラコロ軽やかに踊る音 そして 命の限りと鳴き続ける蝉の声と アノヒトの笑顔と繋いだ手の感触 ああ、なんて遠くなった夏 今は 今年の蝉だけがこうして、ないている あの日の記憶
この胸の中にある 澄んだものだけを取り出して 美しい結晶に することができたらいいのに 仄…
梅雨の合間の薄曇りの早朝に 杖と一緒にのんびり散歩 ジメジメムシムシも この時間は、そんな…
昨日は何処にも行かなかった 今日は一日出かけない 明日の予定もありません ちょっと疲れちゃ…
きっと 幸福と思えば 幸福は何処にでもあって 不幸を数えていけば いくらでも見つけられてし…