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月山馨瑞の小説集

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昔書いていたフィクション。おもしろいよ
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記事一覧

#11【短編小説】種 後編【R15】

  5  そこには血の気を失くした三輪がいた。  口にはガムテープが貼られている。手首は縛…

月山馨瑞
4年前
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#11【短編小説】種 前編【R15】

     1  愛は暴力だ。  孤独は猛毒だ。  私は犯罪者だ。  それも愚かで下劣な、劣…

月山馨瑞
4年前
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#9 サニー 6,7

 6    父さん、母さん、栄治兄さん、恵子姉さん    この手紙が届いた時、私はおそらく自…

月山馨瑞
5年前
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#9 サニー 5

5    三十分程走らせたところで、急に景色が拓けた。  そこにあったのは、紛れもない幼少…

月山馨瑞
5年前
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#9【短編小説】サニー 4【全8編】

    4    僕がこれまでの人生で海へ行ったのは一度きりである。それは、僕が小学三年…

月山馨瑞
5年前
2

#9 サニー 3

  3  途中でスマートフォンに電話がかかってきたが、これを僕は無視した。これは完全に忘…

月山馨瑞
5年前
3

#9 サニー 2

 2  べランダから見える空には少し雲が流れているようだった。  まるで美しく澄んだ水たまりのようであった。  僕が住んでいるアパートは、細い路地裏にある。そしてその隣に、新築のピカピカの一軒家が、立ち塞がるように建っていた。 ベランダ側でしかも三階建てだから、僕の部屋には光がおよそ四時間しか差し込まない。ただでさえ駅から遠く狭いのに日当たりが悪くなったせいで家賃は事故物件かというくらいまで落ちに落ち切っていた。僕としては、家賃が安ければそれはそれで助かるのだが。  その

#9 サニー 1

 1    桜の花びらが散って地面に染みをつけていた。  土曜日の朝、僕が目覚めて最初に行…

月山馨瑞
5年前
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#10-5 昏と揺「E章(矢口アキ)」/「F」【男装女装の短編】

 どこまで話を省略したらいいんだろう。  うん、まずそうだな。  ええと、私が目を離したス…

月山馨瑞
5年前
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#10-4 昏と揺「D章(志田ミズキ) 」【男装女装の短編】

 僕達は社会の孤児だ。  ベッドに入って寝るまでの間、僕は様々な事を考えてしまいしょうが…

月山馨瑞
5年前
3

#10-3 昏と揺「C章(矢口アキ)」【男装女装の短編】

 道着と袴を着て、正座をし、防具と面を付けた時、  アタシは徹底的にキモチが高揚する。  …

月山馨瑞
5年前
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#10-2 昏と揺「B章(志田ミズキ)」【男装女装の短編】

 僕が女装をしないと精神の安寧を図れないと確信したのはいつ頃からだろうか。  僕が姉に、…

月山馨瑞
5年前
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#10-1 昏と揺「A章(矢口アキ)」【男装女装の短編】

 九月の中頃日曜日。  いつものように賑わう片田舎のショッピングモール。  その一角でア…

月山馨瑞
5年前
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#8 きっとかき氷売りの方が似合う君へ【短編】

 小説を書くより街でかき氷を売る生活の方が時々良いように感じる。  僕は一台の屋台車を運転して、早朝に海沿いの製氷店に行く。すると既に顔なじみになった初老の男性が出てきて、いつものかい、とぶっきらぼうに言うのだ。それで僕は車内の巨大冷凍庫に直方形の氷を積み込む。その氷は決して家庭で作ったみたいに空気が混ざり込んでなくて、どこまでも澄んでいる。透明な彼女らを次々と運び込むたびに、僕は小さな幸福を感じる。美しいものに毎日出会うという事は、この世界では中々に恵まれている事だからだ