【労働法の話】よくある勘違い:フレックスタイム制について

こんにちは。身内との会話でたまたまこの話題になったので、フレックスタイム制について書いてみようと思います。今自分が働いてる会社はフレックスタイム制を適用してないので、その立場でこんなこと書くのもちょっと微妙ではありますがw

フレックスタイム制って?

そもそもフレックスタイム制って何ぞや、というと、厚生労働省が出している資料を引用すると、「労働者が⽇々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることによって、⽣活と業務との調和を図りながら効率的に働くことができる制度」です。

たとえば、9時始業・18時終業が所定就業時間の会社において、通常であれば9時に遅れたら遅刻、18時より早く帰ったら早退になって給与からその分マイナスされることになりますが、「8時から仕事して17時に帰る」とか「今日は16時で帰るけど、明日は20時まで働く」とか、決められた清算期間(通常1ヶ月、最大3ヶ月)内で帳尻合ってれば自由にしていいよ、という制度です。

とは言え、会議の必要性とかで全員が揃っていてほしい時間帯がある場合もあるので、その場合は「コアタイム」を設けることができます。10時~15時をコアタイムとすると、その時間には絶対いなければいけない、という感じです。(10時より遅く始業したらそれは遅刻)

よくある勘違い:9時から会議があるからそれまでに来なさい

そもそも、これを書くきっかけになった、最近聞いた話は「会社の若い子が頻繁に遅刻してくる。上司が「明日は9時から会議だからその時間には必ず来なさい」って言っても遅刻することもある。だらしなくて困ってるんだよね」的な会話。

その若い子がだらしないとか社会人としてどうかとかそういう話はさておき、ここでの問題は、9時がコアタイムでない前提で話をすると、

・フレックスに遅刻って概念はそもそもなくない?

・9時に会議設定するのはそもそもダメなのでは?

というところです。

日本人はみんな真面目なので、「9時から会議があるなら当然それまでに出勤せんといかんだろ」ってなるんですが、フレックスタイム制においては、いかなる場合であっても、フレックスタイム制の適用者に対し、会社が出勤時刻や退勤時刻を指定することはできないんですよね。だからこれはNGです。会議を設定するなら、コアタイムの中で設定しないといけない。

あと、よく聞く話で「お客さんから問い合わせとか連絡も来るんだから、お客さんの始業時間にはいてもらわないと困る」って話。このケースは、そもそもそういう社員にフレックスタイム制を適用してはいけない、という話になります。

フレックスタイム制は突発事象対応のための制度ではない

こういう会社における勘違いは、「フレックスって朝病院に行かなきゃいけないときとか、子どもの体調不良で急に帰らなければいけなくなったときとか、そういうときのためのものでしょ?」という理解が多いような気がします。そういう認識で制度運用してると結構危険なので、導入・適用は慎重に・・・ということですね。

実際、社員が権利主張してトラブルになったり、みんながめちゃくちゃルーズになって生産性下がるなんて話もあるので、そんな都合の良い便利制度ではないですよ、ということをみんなが理解する必要があるのかな、と。

以上、ダラダラ書きましたがフレックスタイム制について、でした。今後のよくある労働法関係の話をちょくちょく書いていきたいと思います!ネタが思いついたら、ですが・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?