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アメリカで考えたこと【ワシントン編②】

ワシントンのお目当ては、福沢諭吉も訪れたスミソニアン博物館。まず、国立航空宇宙博物館。

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ライト兄弟の飛行機や月の石、スペースシャトルなど、世界的に有名なものが所狭しと並んでおり、1日過ごせるぐらいのボリュームだった。別館に原爆を落としたエノラ・ゲイがあるのだが、そこは閉まっており見ることはできなかった。正直、被爆二世の僕からすると見たいような見たくないような感じだった。

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国立アメリカ歴史博物館もすごボリュームだった。エジソンの電球からモハメド・アリのグローブ、リンカーンが暗殺された時にかぶっていた帽子、さらにはバットモービルまで。アメリカの栄光の歴史を体験したという印象。いうまでもないことだが、展示はアメリカ独立戦争の18世紀から。それ以前の展示はない。それ以前のアメリカ(正確にはアメリカ大陸か)についての展示は、国立アメリカ・インディアン博物館のほうにあるということなのだろうか。日本でいえば、「日本」国号成立の7世紀以後の展示しかなく、それ以前の日本列島については別の博物館があるということか。

歴史家の網野善彦が、日本という国号や天皇号の意味・歴史を知らないままの日本人を「なんとなく日本人、いつまでも日本人」といったことを思い出した。

そのあと、ナショナル・ギャラリーへ。世界の名画が並ぶ。

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こうやって写真を撮ることができることが本当に嬉しい。というか、美術館・博物館での写真撮影は国際社会では当たり前のことのようだ。ダヴィンチやゴッホなどを間近で見ることができた。最初は絵画の写真ばかり撮っていたが、こんなものは図録を買えば良いだけのこと。ということで、考え方を変え名画と一緒に自分の写真を撮ることに決めた。こっちの方が、ここでしかできないことだから。

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これはロダンの作品。どことなく、荻原守衛(碌山)の「女」に似ている。碌山がロダンと交流があり影響を受けたことは有名だが、この彫刻と碌山の「女」の関係を指摘している人はいるんだろうか。碌山の「女」のモデルは岡田みどりといわれているが、実際に完成した「女」をみて相馬黒光の子どもたちが「お母さんだ!」と言った話は有名だ。たしか、中島岳志の出世作『中村屋のボース』で読んだ記憶がある。

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