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ああシナジーよ

昔からシナジーという言葉に強烈に惹かれている。
というより憧れている。

シナジーを平たく言うと、
協力し合う人たちの一体感が高まってMAXになった時、通常ではあり得ない熱量で大きな力を発揮するという状態のことで、
よくスポーツでゾーンに入るとか言うたぐいのやつの、いわばチーム版みたいなイメージだろうか。

例えば、
スラムダンクの山王戦が映画化されたが、あの時の湘北はまさにシナジーを発揮している。

というかスポーツ漫画で主人公は大抵無名のチームだけどなぜか強豪校相手にジャイアントキリングおこすやつ。
あれは大体全部、シナジーが発揮されたからだよね!で説明がつくのだ。


ボクはそんなスポ根ものたちに触れるたびに、
ああ、自分もこんなシナジーを経験してみたいな。と憧れに浸っていたりする。


それほどの神がかった一体感ってどんなだろう。
流川と桜木にハイタッチさせるほどの高揚と興奮とはどんな感覚だろう。
きっと一生忘れない経験に違いない。

ボクの好きな本に、7つの習慣という啓発本の原点みたいなやつがあって
まだ社会人なりたてのときに指導担当から渡されてから、ことあるごとに読み返しているのだけど、そこにも出てくるシナジーという単語。

むしろシナジーを目指すための本なのかもしれない、と思うくらいに目にとまってしまう。


ああシナジーよ。


と想い馳せながらも、もちろん日常では他人とそこまで一体感を持つことなんて、そうそうない。
ボクと他人の間には常に、シナジーとは程遠い「距離感」が立ちはだかっている。

それでもいつかシナジーを、と思いながら生きている。そうしてチャンスを狙いながら、人前に出ては自分から壁をつくっちゃったりしている日々だ。


このまま経験できずに死ぬのかもしれない。
こんなに憧れているのに。
そう思っていた。


妻の実家に帰った時だった。
妻には甥っ子が4人いて、小学校入学前と低学年の4人が走り回って遊んでいた。

何がそんなに楽しいのかわからないが、集まった親戚男子たちの例にもれず、とにかく騒ぐ。はしゃぐ。大爆笑して走り回る。

通常ではあり得ない熱量だな。

そう気づいて、そっと子ども時代を思いかえした。

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