プロローグ 冒険の始まりの章・・・的な何か


全身に激痛が走り、血がどんどん溢れ出す

・・それに身体中の力が抜けていくのが分かる・・・・

・・・・視界もぼやけ・・・・意識も・・・遠のいていく・・・・

・・・・・最後に聞こえたのは、「奴」の高笑い、と嘲りの声・・・

「アッハッハッハ!!!!天にも名が届こうかというこの我を倒そうなど、
片腹痛いわ!分際を弁えろ!この地虫が!」

・・・ああ、そうだ・・・・・

・・俺は、選択を間違えたんだ・・・・・

・・・・いつも、そうだ・・・・間が悪くて・・・ドジ踏んで・・・

・・でも・・・もう・・そんな後悔の日々も終わりだ・・・・・俺は・・・・
もうすぐ・・・・死ぬ・・・・。

(ブラックアウト)


(場面転換)

(2022年9月※日 深夜 とある都内のオフィスビルの一室)

(誰も居ないその部屋に一人の男が居る)

(年のころは40代か。椅子にもたれかかれ、天井を見上げている
眉間にしわが刻まれ、何かに思い悩んでいる様子)

・・・俺の名前は、城井 イチロウ。

ゲームメーカー「仙TA0サークル」に所属するシナリオライターだ。

今俺は壁にぶつかっている感触を味わっている。

こんな感覚は入社して以来だ。

ギリギリファミコン世代で、ドラクエやファイナルファンタジーなど
遊んだ口さ。

「俺もこんなゲームを作るんだ!」

って周りに宣言してたっけ。

この会社に入社してからの社長や役員なども交えた社内の歓迎会
そこで一人ずつ、目標を発表するってことが有った。

俺は言ったね

「福田雄一みたいに下らなくて、笑えて、それでもプレイする
ユーザーさんが冒険を味わえるゲームを作りたいです!」

って。

夢はでっかくだろ。

で、会社の先輩に良く可愛がってもらったよ。

可愛がってもらった・・・・っても、イジメられたわけじゃないぜ。

ホントに色々なことを教えてもらったよ。

一番大事なことは、色々なことに目を向け、学べって事。

・・だから、少ない給料からねん出して、色々なことを学んだな。

それこそ、「銀座の高級店」から「スピリチュアル」までなんでもござれさ。

で、その先輩・・・が手掛けていた新作ゲームが有るんだが・・・・
シナリオ制作の途中で、事故に遭ったんだよ。

その先輩腰痛持ちでさ。歩くのも少し辛いんだよな・・
お前も気をつけろよ・・・って言ってたっけ。

それが原因か自宅の階段踏み外して、頭からガツン!

・・幸い一命は取り留めたが、打ち所があんまりよくなく、当分ベットの上での生活・・・意識不明で、執筆どころのはなしじゃなくなっちまった。

そこで、後輩の俺が、先輩の仕事を引き継いでいるって訳さ。

なんでもコンセプトは

「バッドエンドから這い上がるヒーローの物語」

だそうだ。

なんでも、先輩、とあるnoteの連作記事を見ての
このコンセプトを思いついたらしい。

どれどれ・・・どんなだ・・・・。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なんじゃこりゃ!!!!

もうこのモデル「終わって」んじゃん!!

ゲームも、ボスに倒されてんじゃん!!

え!?バッドエンドってこっからかよ・・・。

・・しかも、こっからの展開を考えてなかったらしく、
残された資料とかも、何も書かれてなかった・・・。

うわ・・・・もう・・これどうしよ・・・・・・

・・・俺も・・・入院するか、仮病使って、そんでもって・・・他の奴に・・

・・・っていかん、イカン。

流石にそれはマズいな、引き継いだ手前、「出来ません」は
今後のキャリアに響く。

・・それに・・先輩も考えてなかったってことは・・・・俺が
好き勝手にやっていいって事だしな・・・ここは・・一つ腹を括らねばならんな、うん。

じゃ、まあ、ファンタジーの常道で、生き返らせるとして・・・

・・それをどうするかだ。あと、生き返ったとして、過去に戻るのか
、それとも、死ぬ直前までなのか。

あと、やり直すにしても、コイツが今後どう立ち直っていくかを考えにゃならんな。

もう一回、noteの記事全部目を通すか・・・・・。


ふむふむ、こうして俯瞰してみると、一つの仮説が成り立つな。

直感だが「言いたいことを我慢している」「感情を抑え込んでいる」

だって「俺は発言権がないダメ人間だから」って感じかな。
自分自身で、かなり強固な封印を施しちゃってる。

てことは、レベルアップの他に、自分自身の封印を解かないと能力発揮には
不十分
って設定も付け加えるか。

それぞれのクエストのボス退治には、その時々のテーマの封印解除がマストで。

あと封印解除には、色々な知恵も借りるって設定も大事だね。

よし、よし、腹案が段々出てきたぞ。蘇りのシーンは・・・・こう書いてみるか。

(冒険者は再び蘇る・・・・的なアレ)


・・・うん・・・・俺は・・・死んだ・・んだよな・・・・。

・・だったら意識がまだあるのは・・・・おかしい・・・。

・・・・それとも、ここが「あの世」・・・なのか・・・。

「おお、仮名(主人公の名前はきまっていない)よ。
オマエはまだ、死んではおらんよ」

・・え!?・・・そうなの・・てか、この頭の中で響く声なに?
そもそも誰の声なの?

「ワシ?・・うーん・・・神さまってことにして」

・・なにそれ、ドリフの「あたしゃ、神さまだよ」みたいなノリは。
それに一瞬間があったよね、なんで即答しないの?

「即答できない訳があるんじゃよ、大人の事情じゃよ」

神さまだから、大人の事情なんて持ち出すなよ・・・・・。

「そんな細かいことはどうでもいいんじゃよ、一番大事なのは
オマエはまだ死んではおらん、という事じゃ!」

・・・強引だな・・・・俺の声は無視かよ・・・・・。

「しいて言うなら、生まれる前の(うちゅう)の手前の世界って事にしとくか。
あの世界にはな、お前が遊びたいってことで生まれ落ちたのよ」

え!?・・・あれが遊び・・?

「(うちゅう)じゃ、思った瞬間になんでも手に入るし、どこでも行ける。
その代わり(喜び)もなければ(愛)ってものも分からないんじゃ」

「反対のものがあって、初めて(喜び)や(愛)がどういうものか分かるじゃろ」

「色々なことを体験し、(うちゅう)に還っていく。そんな感じさね。

「本当だったら、このまま還るんだけど、ちょうと今が(うちゅう)時間的に
キリ番でのう、キリ番のとくべつぼうなすってヤツじゃ、お前さんらっきーじゃぞ、またやり直せるんだから、で、どうする?やり直す?、それとも還る?」

コマンド

(やり直す)

(還る)

・・・・・(還る)を選ぶ

「え!?マジで!?ほんとうに還るの?超出血大サービスだよ、二度とないよこんな機会」

(還る)を選ぶ

「え-----、そこは(やり直す)じゃろ、空気嫁よ、展開的に」

・・・うるさいな・・・何が「空気嫁よ」だ、そこは
「空気読めよ」だろ!・・・・とにかく・・・俺はもう、たくさんなんだ・・・

絶望的に間が悪いばっかりに、選択を誤ってばっかりの人生だったんだ。

今更やり直したって何になるんだ、
やり直せるってったって、物凄い苦労する訳だろ
苦労したからってやり直せるとは限らないわけだし
また無駄な努力に終わったらそれこそ無駄だろ。

・・・・もう、自分自身に
絶望するのはたくさんなんだ、還らせてくれ。

「え~~、その「無駄な努力に終わるかもしれない」とか
「物凄い苦労」とか「絶望」って、その逆のことをお前さん知っているから
そういう言葉が出てくるんじゃよ」

・・・え!?・・俺が・・知っている?

「そうじゃよ、こうも言える

未来を切り開く答えは自分自身の中に眠っている
その封印を解くのはオマエ自身

ともな」

・・(どっかで聞いたようなフレーズな気が、いや、そんなことより
俺の中にそんな力が眠っているのか)

「そんな眠っている力を開放するって旅、ワシすごーく楽しいと思うだけどなあ
、ワシが変わって体験したいもん」

・・・・・・

「それに、もし、やり直しの過程で、オマエさんの好みどストライクな
ヒロインと結ばれる展開になれるかもしれないってなったら勿体ないと思わない?」

え・・!?どストライクなおねいさんと結ばれる・・??

(注:ヒロインと結ばれる展開になれるかもしれないと神さまは行ったが
仮名(主人公の名前はまだ決まっていない)には「ヒロインと結ばれる展開になれる」と都合よく変換されてしまったのだ)

「で、どうするんじゃよ、(やり直す)or (還る)どっちにする?
ファイナルアンサー」

やり直します(キリッ)

「おお、それでこそわしが見込んだものじゃ。よしよし
では早速手続するぞよ」

お願いしますッ!!

「ようし、それじゃ、この光の中に飛び込みんじゃ、そうすれば
やり直した後の世界にもどれるからな、さあ、行くがよい、光の中へ!」

ありがとうございます、行ってきま~す!!!

「あ、そうそう、大事なことを言い忘れてた。
大人の事情的に、ここでの会話の記憶は一切消去されるので悪しからず」

「あと、やり直した後の、人生設計も自己責任、自己判断のもとでお願いしま~す。じゃあねえ、いってらっしゃーい」

・・・・そんなことは飛び込む前に言え~!!!!!

(と空間の中に主人公の絶叫が響く、
 主人公はこうしてやり直すために元の世界に舞い戻っていくのだった)

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(再び、都内某所のオフィスビルの一室)

よしよし、お色気展開に弱いって設定を途中で考え付いたからこその
展開だな。これでスタート地点に立つことができた。

・・流石に記憶が一切消去されたままだと、アレだから、ナビゲーター付けるかな・・・・・どうしよ・・・・・フクロウにしとくか。知恵の象徴だし、うん。

・・・・確かに何処かで見たような設定だってことは俺もわかっている、分かっているさ。

でも、ゲームって(ポリコレ対策と、筆者の個人的見解、偏見が入っているので自主規制)だろ!

それじゃあ、締め切り日まで、この調子でシナリオ進めておくか!

タイトルはこれ

「仮名クエスト~バッドエンドからの成り上がり物語~」

※この物語はフィクションです

実在の人物名はつかっていますが、あくまで実在の人物・団体・事件とは一切関係がなく作者の個人的見解がかなり入っています。

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