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娘。ピアノ辞めるってよ。

「もうピアノやりたくない」
娘がそう言ったのは1ヶ月前だった。

少し前からもうやる気が無くなっていたのは、当然親の僕は分かっていたので「ついにハッキリ言ったな」という感じだった。

どうして辞めたいの?

一応理由を聞いてみると大きく2つあった

①宿題が嫌で仕方ない
➡︎これはめちゃくちゃ分かる。
ピアノの音色は美しいし、弾けるようになっていく過程はもちろん楽しい。
でも「宿題」と言われた瞬間に急に「やらされ感」みたいなものが出てしまって、やりたくなくなる。これは何の世界でも一緒だ。やりたくないよね。

②ビジョンが見えない
➡︎これは親子共に感じていたと思う。
「結局これを練習していくとどうなるの?」という部分。練習すれば、宿題をちゃんとやればピアノが上手になっていくのは親子共に分かる。でも大事なのはその先。
「ピアノが上手になるとどうなるの?」
正直、ここが親子共に全く見えなかった。

先生はとても良い人

ここからは捉え方によっては先生への文句に聞こえてしまいそうなので先に言っておく。
先生はめちゃくちゃ良い人。優しいし、ピアノも上手だし、楽しくレッスンしてくれる。
もう一回言う。先生はとても良い人。

それでも娘が「ピアノへの意欲が下がってしまった」という事実はある。
そこで僕が先生だったらどうしただろうか?という事を考えた。
こう見えて僕は子供向けのスポーツスクールの先生として教育に携わっていた事があるので、子供対応とその親御さん対応は割と得意な方だ。

僕が先生なら

僕なら
「もっと長期的な目線でピアノライフのストーリー作りをする」
という事に取り組んだと思う。

先生はとても良い人だし、ピアノを教える技術はとても高いと思う。実際にピアノはとても上達した。これだけ聞くと上達してるのに辞めるってなんで?と思うかもしれないが、その理由が「この先どうなっていくのかが見えない」という部分。

僕が先生なら娘には「これができるようになるとこんな事ができるようになる。みんなが弾けないこんな曲が弾けるようになるよ!」「小学校の授業ではこんな事をやるから先取りしておこうよ!」という先の話をひたすらして通っている事で得られる特別感を演出したと思う。

そして親に対しては「お子さんに音楽を通してどんな子になって欲しいですか?」という問い(カウンセリング)をもっとしただろうし、それを踏まえた上で「そのゴールでしたら、私のビジョンとしては希歩ちゃん(娘)は●ヶ月後にこういう状態はなって、半年後には〜、一年後には〜、小学校高学年になる頃には〜」というようなストーリーの提供とプランの提案をもっとしていったと思う。

結局人は

目的が無いものに対して頑張る事なんてできない。
いや、むしろ目的が不明確なまま何も考えずに何かを続けるような子にはなってほしくないとすら思う。
「なぜやるのか?」という問いは大人なら当然のようにするけど、子供にも大切にして欲しいと思う。

今回は親子共に「頑張る動機」が見当たらなかった。

特にピアノは親が家でどれくらい見てあげられるか?がとても大切になってくる結構特殊な習い事だと思う。
子供の心を掴むだけでは不十分で、親の心も掴んで、親も教育していかないといけない習い事の代表格だと感じる。

今回の学び

自分自身のパーソナルトレーナーの仕事と重なる部分がたくさんあった。

パーソナルトレーナーは専門職で体のプロではある一方、「職人」「専門職」だけであってはいけない。
一回のセッションに命をかけるのは当然。今の悩みを解消する事も当然。
でもそれはお客様のゴールから逆算した上で、いま必要なセッションでないといけない。ゴールに近づく、次につながるストーリーのあるセッションでないといけない。

そしてそれを言語化してお客様に伝える能力が必要。

「あなたのゴールはここ。現在地からはこれくらいのギャップがあって、課題・問題点はここにあります。やるべき事はたくさんありますが、今のあなたの体の状態を考えると、優先順位としては●●を一番最初に向上/改善させていきたいので今日はこのメニューを行います。これができるようになれば次回はこんな事をやりたいと考えていて、順調にいけば1ヶ月後にはこういう状態になっていて、3ヶ月後にはこういう状態になっていて、半年以内にはその目標は達成できると考えています。その後はこんな世界観が見えてくるはずです。そこからまたさらに先の目標を一緒に考えていきましょう!」

僕はこんな感じの内容(もちろんこんなにだらだら話さないけど)を会話の中で常にお伝えするようにしている。

筋肉がどうとか、ここの柔軟性がとか、それはもちろん大切だし、トレーナーとしてそういった話は当然する。
でもそこを一回のセッションで改善するだけで終わったらただの職人。
それが数年後何につながるのか?
放っておいたら10年後どうなってしまうのか?

この辺をきちんと語れるトレーナーがこの超高齢化社会を生き残っていくと思う。

最後に

もし「私なら希歩ちゃん(娘)をやる気にさせることができる!」というピアノの先生がいらっしゃったら是非DMください!笑

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