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行動する哲学者

中島義道という哲学者がいるのですが、とても行動的な人で、大好きなのでご紹介します。

『うるさい日本の私』

中島氏の著書で私の一番のオススメです。

『公共の場の、意味のないお節介放送。騒音に闘いを挑む、哲学者の名奮戦記!家を一歩出れば、町に溢れる案内、呼びかけ、注意。意味も効果も考えず、「みんなのため」と流されるお節介放送の暴力性に、哲学者は論で闘いを挑む。』(角川書店による本書の紹介文)

中島氏は、駅構内に流れる案内放送や、焼き芋屋の移動販売の売り声などが我慢ならないようで、責任者に放送をやめるよう抗議したり、焼き芋屋に、商品を買うから家の近所を通るのをやめるように直談判したりします。中島氏の試みは成功したり失敗したりしますが、その奮闘ぶりには、ある種の感動すら覚えます。音声だけでなく、夜の街のネオンサインもお気に召さないようです。本書のタイトルは、川端康成「美しい日本の私」→大江健三郎「あいまいな日本の私」のパロディなのでしょうが、中身の方はそれらとはだいぶ異なります。

他にも、「ぼくは偏食人間」、「わたしの嫌いな10の言葉」「人生を「半分」降りる」など期待?を裏切らない著作がたくさんあります。

また、中島氏は自分の勤務する大学の卒業式で、卒業生に向けたスピーチを、「ご卒業おめでとうございます。どうせ死んでしまうのですが。」から始め、「今後の健闘を切に祈ります。どうせ死んでしまうのですが。」で締めくくりました。

中島氏は死ぬのが嫌のようで、死にたくないと思うあまり、「楽しい時間は早く過ぎるが、つらく感じるとき時間は長く感じる」のだから、つらい時が長ければ人生は体感として長くなり、死を遠ざけられるのではないかと考えられているようです。

こんな中島氏ですが、現在もご健在のようで、ひょっとしたら氏のご希望とおり、死なないんじゃないかと思っています。そんなわけないのですが、先生、いつまでもお元気でと切にお祈りしております。

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