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活力ある地域、とは

地域活性化、という言葉はもはや至るところで見かけるようになりました。
ところで「活力ある地域」とは、どういう状態を指すのでしょうか。

移住人口、関係人口、起業数、地域団体活動の活発さなど、様々な観点やそれに応じた指標があります。
その指標に沿って様々な施策が行われていますが、地域に住む人にとって納得感のあるものもあれば、他人事のように感じてしまうものも。
住む人が「活力ある地域」と実感できるようにするためには、どんな観点が必要なのでしょうか。

私は、マーケティングの仕事を専門にしてきたせいかもしれませんが、「役割」という観点が大事だと考えています。
そこに住む一人ひとりが、身近な人たちの中や地域、あるいはより広い社会の中で何らかの「役割」を担っていると自覚できること。
仕事や地域活動などを介してその自覚を得られる機会があること。
それが「活力ある地域」の要件ではないでしょうか。

活性化が求められてきた地域は、長らく社会の“中心”から外されてきた地域です。
政治経済の“中心”である都会で決められた社会の仕組みに従う形で、地方は生産活動と人材の供給を求められてきた―そんな社会構造の認識から、住む人が「役割」を自覚しにくく、心理学で言われる「貢献感」を得られず、地域に活力の不足を感じているのではないでしょうか。

この観点から、地域活性化のためには住む人が「役割」を感じられる機会を増やしていくことが重要であると私は考えています。
それは、日々の仕事の意義を問う場であったり、地場産業やその地の暮らしの特長を知る場であったり。
その地域が、その地域に根差した一人ひとりの日々が、広い社会の中で大切な「役割」を担っていると実感している人が増えていくことで、「活力ある地域」 になっていくのではないでしょうか。

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