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#06 1/3

  世の中の夫婦は3組に1組は離婚しているらしい。

 離婚もののドラマもよくヒットする。私も「離婚しようよ」をいっき見している今日この頃である。

 数年前、私は離婚に至るまでの不倫のリアルに遭遇した。コロナ渦において、理性を失った人間がいたのだ。人様の配偶者にちょっかいを出し、あれよあれよと不倫に発展させるおろかな男女がそこにいた。

 友人が話す、夫の最近の行動を客観的に聞いただけでも完全にアウトであった。

 SNS探偵をしたり、友人と一緒に尾行をしたこともあったが、そういうときには尻尾を出さない。友人が自分で夫の調査を重ね、決定的な証拠を集めていった。

 そこからなんやかんやで彼女たちは離婚した。
 
慰謝料にかんしてもめていたが、原因は額そのものではなく、そもそも払う能力がないということだった。働いてはいるが、分割でしか、払えないというのだ。月に一万円ずつ。情けなさ過ぎてもはや笑える。義理の両親も我関せずという態度でまったく出さなかった。

 友人本人には言えなかったが、こうなるくらいなら、気持ち悪いが不倫を公認して住まいと生活費だけもらう生活をしばらくしてみてもよかったと思う。そういう夫婦もいるはずだ。自分の環境を一気にいろいろ変えなければならず、精神的に負担はものすごいうえに、なにかとお金がかかる。

 通帳に毎月振り込みで元夫の名前でお金が入り続けるなんて呪いに近い。変な束縛を感じて自分が次に進めないような感覚になりそうだ。あくまでも私の場合は、である。

 もし私が不倫されたら、と考えてみる。絶対にすぐには離婚しない。こっそり夫と不倫相手の弱点を集めまくる。財産の確認をする。確固たる証拠を集め、夫からも相手からも十分に搾り取る。そのうえで、どんぞこに落としてやる。

 復讐後、完全に自分の気持ちと身の回りの準備ができてから、新しい生活を始めたい。

 
 私の友人のその後は、それはそれはすがすがしく幸せそうだった。住まいも仕事も新しくなり、とても美人になっていた。すでに次の相手をアプリで探したり、習い事に夢中だった。心配して損した。と、まず思ったのを覚えてる。


 女性はこうやって美しく強くたくましくなるのだなぁ。素敵だ。

 これだから生まれ変わっても私はやっぱり女性にうまれたい。




 

 

 

 

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