図4

【資料請求でファン化】ユーザー体験で意識した3つのこと

はじめまして。sainoと申します。(もう少し分かりやすいニックネーム使った方がよさそう)
昨日ツイートでnoteに挑戦してみようといったので、腰が重くなる前に筆を取ってみました。ユーザー体験を意識して、資料請求のユーザーのファン化を目指した話をしようと思います。

ちょっとツイートでは歯切れ悪くなりましたが、業種がニッチなのとオープンにするのは会社許可がないのでご容赦ねがいます。
WEBコンサル会社で例えると、『SEO』『リスティング』などの各手法を、初心者が理解しやすく、網羅的にまとめた資料を作りました。今回はWEBコンサル会社で例えてお話ししていきます。
みなさんお忙しいと思いますので、最初にざっくり説明しちゃいます。

今回の資料を作成するきっかけとしては下の3つが主な理由です。
・リードの後追いに問題があった
・中途半端な資料でユーザーに応えられていなかった
・業界で情報を”わかりやすく”まとめているところがなかった

また今回の資料で大切にした点は、『わかりやすさ』『網羅性』『中立性』の3つです。
『わかりやすさ』『網羅性』ももちろん重要視しましたが、『中立性』には特にこだわりました。

ということで今回お送りするのは、ユーザーの期待を上回る体験を提供し、ファンになってもらおうと奮闘した話です。
ただ資料を作れば良い!というものでもないのですが、読んでくださった方のユーザー体験や流れを意識した施策の着想の一助になれれば嬉しいです。

簡単に自己紹介

複数事業を展開する会社でWEBマーケティング事業の責任者をしています。
いまは波に乗った今回の話に出てくる商材に集中している状況です。もともと自社のリスティング広告運用からWEB業界に入りました。
サイト運営において、ライティングやコーディング、デザインはチームのメンバーが担当しています。僕はグーグルアナリティクスの分析やシミラーなどを用いた競合調査、そこからの施策立案やプロジェクト管理などをしています。
あとエクセルマクロも使えるので、デイリー業務はマクロ作って他の方に任せてたりします。そんな僕の出身は東京、好きな食べ物はピザ、良く作る料理はパスタ、趣味はキャンプとサウナ、身長は1...さて本題に入ります。

資料を作るきっかけは死んだリードたちの発見

・リードの後追いに問題があった
某資料請求できる比較サイトの担当者も『後追いが大事!』と仰るくらい、資料請求のリードはリードタイムが長めですよね。
これは資料請求するユーザーのフェーズが明確層や顕在層よりも確度が低いところに原因があると思います。

さて数か月前の話になりますが、営業側とは月に1・2度進捗確認のMTGをしていました。部署が異なっていたので責任の所在も曖昧で追及できなかったり、ごまかされても気づかないみたいな状況が続いてました。
(縦割り組織のむずかしいところだなあと思います。数年色んな角度から攻めましたが実力不足で解消できませんでした)

あるとき僕が所属する部署でクーデターがおき、複数の課を抱えていた部署は解体...営業側と同じ部署に吸収合併されることに(すごい巻き込まれ方をしたり、すごいガチャガチャしましたが別の話なのでまたの機会に...)

同じ部署になったことで連携がしやすくなり、突き詰めて状態を把握すると...
資料請求のリードで「獲得できそうなのはして」「獲得できなそうなのは追いかけない」状態になっていました。
(これも縦割りだと結構ありがちなパターンかな、と思います。が、CV上げてる身としてはしんどいですよね。リスティング案件とかなら尚更です)

せっかくのリードを殺さない方法を考え始めました。営業体制も変えるように動きましたが、それもまた別の話。

・中途半端な資料でユーザーに応えられていなかった
こちらもお粗末な話でお恥ずかしい限りですが、『SEO』を知りたいユーザーに対して、『SEOとは』を1・2ページ程度で済ませ、自社サービスの案内をする資料だったのです。
見た瞬間の感想は『誰のための資料なんだ?』でした。ここも縦割りで秘されていた部分。(いや、もっと僕がゴリゴリいけばよかったかもしれませんが後悔はなんとやらです)

今回この件から僕が得る教訓は「言葉だけで信じるな」でしょうか。言葉だけでなく、現物をみるとか、実際に送付されているかなどまでつぶさに確認できたら避けられたことだと思います。
このタイミングで、リードを活かすために資料のブラッシュアップは有効なのでは?と考え始めました。

・業界で情報を“わかりやすく”まとめているところがなかった
資料問題の発覚後、改めて競合サイトをみてみました。専門的でニッチな業界でお堅いところも多く『わかりやすく』『網羅的に』まとめられた情報を提供しているサイトがないことを発見。昔よく見かけた『分からなければ、問い合わせてね』というスタンスです。
弊社のWEBコンテンツは“わかりやすく”を追求し、今では月間ユーザー数が2位に2倍程度の差をつけるところまできていたので、ユーザーは『わかりやすさ』を求めていることは数値的に検証できていると考えてました。
競合で『SEO』の資料を提供しているところもなく、弊社に『わかりやすい』資料を求めてきているのだと考えました。

狙うは『ファン』になってもらうこと

『わかりやすい』資料といっても、そもそもユーザーの用途は?ということで営業へ確認。

①SEOの運用を検討していて基礎を知りたい
②SEO運用しているが社内の勉強資料として
③SEOを外注しているが自分も把握しておきたい

などが出てきました。こんな用途ではとてもじゃないが、従来の資料では力不足。圧倒的力不足。先方がキンキンに冷えてやがる!って感じです。

中長期のリードのユーザーにどういう意識変化や行動を期待したいか...。たどり着いたのは、『わかりやすく』『網羅的に』まとめれた資料を手にすることでファンになってもらうことでした。
当然すぐには受注に繋がらないものが大半です。ただそれでもその資料は紙やPDFデータでその会社に残ります。
①のユーザーは自社での運用は難しいと思ったとき、②のユーザーは社内の担当者がいなくなってしまったとき、③のユーザーは今のコンサルのリプレースを考えたとき、弊社を想起してもらえるようにしようと考えました。
他にも、担当者や一般レイヤーであっても上司に『こんな会社がありますよ』や、その会社は自社運用できていてもその関係のある会社が『どこか良いところ知らない?』となったときに弊社が知らないところで紹介があったり、ということも期待できるのではないかと思います。

これはひとりよがりな営業資料や分かりづらい印象を与える資料では決してなしえないもので、ユーザーの期待を上回る体験を提供することでこそ実現できるものだと考えています。

ひとりよがりな資料をもらった時に、自分の上司に共有するか?というのがイメージしやすいかもしれません。
ferretさんや才流さん・WACULさん・ベイジさんの『BtoBサイト・チェックリスト』のように質の高い資料はチーム内でも展開しますし、上司に展開することもあります。
例えば10名のチームであれば、10名が各社を想起する可能性が大いにある状況が生まれます。『狙うならここだ!』と震えたのを今でも記憶しています。

ユーザー体験で意識した3つのこと

さてそんな激熱な資料を誰が作るか?営業?商材知識のない専門性ある業務をやっている課のメンバー?・・・あぁ、これは僕だ。ということで商材知識は初心者に毛が10本生えた程度の僕が資料を作ることになりました。

ユーザの期待を上回る体験を提供するために、今回の資料で意識したのは次の3つです。

・わかりやすく
・網羅的に
・中立的に

初心者である僕が作った資料が本当にユーザーのためになるのか?『わかりやすい』ものなんて作れるのか?と思われる方もいらっしゃるでしょう。これは逆だと思っています。
まっさらな状態の僕が、勉強をしながら、自分がどのように理解したか、どういう説明だったら分かりやすかったか、どういう情報が知りたいかというのを初心者目線、まさにユーザー目線で作ることができました。
もちろん適当なものを作る訳にはいかないので、提携している専門家への確認や提案などもいただきながら、よりブラッシュアップすることも忘れていません。

さらに中立であるということも重要視しました。
社内資料で使いたい人に営業要素なんて全くいらないですよね。サービス内容を見せたい場合は営業資料も送ればいいのかな、と。弊社ではセットで送るようにしています。
例えば、SEOコンサルを推すのではなく、自社で運用する方法やコンサルに依頼する方法というSEO運用の選択肢を提示して、それぞれのメリット・デメリットをあくまで中立の立場で書くように心がけました。
コンサルのプランやスケジュール感なども世間一般のものを見せています。営業資料と合わせることで一般的なコンサルとの違いを示せたりもします。

デザインはできないので、チームのメンバーに作成してもらいました。デザイナーさんはすごいです。僕の小学生のような絵がラッセンになってました。

振り返ると責任者の僕がこれをやったのは本当に良かったと感じています。商材知識なくても、専門家のライティングで良いコンテンツを提供できれば良い、と自分の業務範囲に線引き入れてました。もったいなかったなと反省です。
専門家監修の記事もあまりに専門性が過ぎて本来の手法ではないものなども発見できたり、サイトの構成がよくないことにも気づくことができました。その気づきから今UXに挑戦中です。これもサイトへの反映が終わったらnoteで書きたいなと思ってます。
商材の知識が多くついたことで、視野が広がり、提案できる提案の幅も出ました。自信が携わっている商材や現場を知らずに、WEB運用などされている方がいたら商材や現場を知るのは本当にお勧めです。

制作後…そして思いがけない効果

全部で6つほど作成予定ですが、内3つが完了しています。タタキは全部作り終えているので、デザイン待ちの状況です。
最初のひとつは昨年から送付しはじめています。すでに効果が出始めています。
数社ほどから『全く知識ない中でしたが、イメージがつきました』などのお声もいただいていて、制作者冥利につきます。
中には、営業をほとんどかけていない状態でアイミツなしで『内諾』まで進んでいる案件もあります。

本来中長期の施策で、効果も見えづらい施策ではあったのですが、こんなにすぐに効果が出るとは正直思ってもみませんでした。
資料をお渡しして少しして、先方からお願いします!というのは営業効率かなり高いなあと驚きました。
本格的な効果が出るのはもう少し先なのだと思います。

ユーザーの期待に応える『良いユーザー体験』を提供する効果を体感した施策でした。誰に向けるか、どんな体験を提供するかを目的ありきで考えるのを意識していますが、引き続きやっていこうと思います。
今回のステップには書きませんでしたが、アナリティクスやCRMのデータの分析もしています。定性的、定量的に分析して、仮説を立てるという比較的王道な流れにはなっているかなと思います。

今やっているUX施策をサイトに反映したらと今からワクワクしています。今回後追いに対してのアプローチはこちらの動きがいらない『資料』という形を取りましたが、メールDMなど他にもできることがあるのでそっちもやっていきたいなと思ってます。

最後になりますが、
初noteだったので、読みづらかったかもしれませんがご覧いただきありがとうございました。