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Goldsmiths, University LondonとGraduate Diploma in Designについて(ロンドンデザイン留学Advent Calendar 2019, 12/7)

卒展後半戦の作品展示準備でまた執筆が遅れ始めてます。

Graduate Diplomaの全体的な概要は5日目で書いたので、今回は私自身が通ったGoldsmiths, University LondonとそのGraduate Diploma in Designコースについてもう少し詳しく書いていきます。

Goldsmiths, University Londonについて

Goldsmiths, University Londonはアート関係やカルチュラル・スタディーズ、メディア学、パフォーマンスなどで名が知れている大学です。中でもファインアートが有名でダミアン・ハーストやらアントニー・ゴームリーやらヴィヴィアン・ウエストウッドやらが出身者にいます。

学校全体の風土として実用性や実践的側面よりも理論性をかなり重視していて、対象を批判的視点で捉えることを徹底させられます。そんなベースがあるからこそ、上記の分野で一目置かれているのだと思います。

そんな環境なので、スタッフ・学生含めて同性愛者や菜食主義者などマイノリティな要素を持った人や主流から少しずれたマニアックな一面がある人が多いです。そうじゃない人もそうなるように洗脳されていきます。

Graduate Diploma in Designについて

5日目にも書きましたが、基本的にGraduate Diplomaのコースはアカデミックスキル・語学のクラスと専攻分野の基礎学習のクラスの2つから組まれています。

・アカデミックスキル、語学クラス

このクラスはメディア学系・音楽系・社会学系などデザイン学部以外のGraduate Diploma生徒と一緒に合同で行われていました。コースの目的としてはあくまでプレゼンやディスカッションで必要なアカデミックスキルや語学力の向上、、、のはずなのですが、扱うトピックは一貫して西洋思想史でむしろそっちに対する熱の入れようが半端ない気がします。ソクラテスから始まりデカルトやらニーチェやらソシュールやらフーコーやらマルクスやらエドワード・サイードやらに関する文献をひたすら読まされ書かされ考えさせられました。

・デザインクラス

Goldsmithsのデザイン学部は全体として、デザイナーよりもデザインリサーチャーを輩出することに主眼が置かれていると思います。

そんな環境なのでGraduate Diplomaのデザインクラスのカリキュラムもデザインリサーチ寄りにフォーカスされていました。下記のように大きく3プロジェクトに分かれていました。

1. Cross Cultural Designをベースに、文化間の差異性・類似性から新しいデザインの機会を見つけ提案する。

2. デザイン思考系のデザインメソッドに触れ、自身のデザインプロセスをフレームワークとして設計する。

3. Master本コースで自身が扱う予定のテーマやコンセプトに基づいて、自分でプロジェクトを決め実行する。

そもそもブリーフィングの内容が既に難解で、正直ここで書いた私の認識が正しかったのかも怪しいです。プロジェクトを進めながら探り探り理解していった感じでした。

また、ここでも社会的・文化的視点でどういった相互作用が起こりうるか考えているかどうかがどのプロジェクトでも評価対象になっていました

通って感じた良い点・悪い点

6日目にも書いていますがPre-sessionalコースから参加していて感じたこととして、カリキュラムの組み方から学生に求めることから何事も体系立てているように感じました。その結果かチューター同士が連携していて、言うこともみんな一貫していました。元々、アマチュア以下の状態から国外でデザインを学ぶにあたってGoldsmithsのような理論重視の学校は基礎をつくる最初の環境として合ってるのではないかと考えて入学を決めましたが、その点はある意味正解だったと思います。

ただ、逆に理論と体系に凝り固まりすぎていて実用性や新規性、社会実装性をそれほど意識していない環境は、学部時代理系寄りのことをしていた自分には最初とても気持ち悪かったです。次第に慣れていきましたが。(こう考えるようになったのも批判的視点を養ったせいなのかもしれません。。)

この点や自身が学びたかった技術的側面を多く含むデザインに対するサポートの手薄さが懸念となり、もともと入ったときから転学するつもりでしたが1年間Graduate Diplomaに在学した後は他大のMasterに進学することを決めました。

とはいえ、自分を見てくれた講師陣はみんな協力的でしたし、上でも書きましたがGoldsmithsのデザイン学部は理論重視でデザインリサーチ×社会・文化学にフォーカスした教育をしているので、デザインリサーチャーやライター、コンサルタント、ディレクションポジションを目指している方にはとても良い環境だと個人的には思います。

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