見出し画像

10/17(土)「目的地は無酸素大学」

とにかくかしこい場所に行ってみたくなったので、適当な大学に行くことにした。
無酸素大学に決めた。
靴屋の広告がラッピングされたバスに揺られた。
静かな車内で突然、出っ歯の青年が誰に言うでもなく「沖縄に行ったことないなぁ」と言った。
ぼくは確かになぁと思った。
その共感の波紋が車内全体に広がり、周りからぼつりぽつりと「私もだ」とか「言われてみれば」とか「そうさなぁ」とかが聞こえて来た。
こういうバスも悪くないな、と思う。


無酸素大学に着いた。
校門に「偏差値70!ようこそ無酸素へ!」というポスターが貼ってあった。賢いな、と思った。
構内を練り歩いていると、木が一本もないことに気付いた。
どうなん?と思う。


腹が減ったので学食に向かう。
食券を買って並んでいたら、学生たちにずばずば横入りされる。
永遠に提供するカウンターにたどり着けない。
このままじゃまずいし、普通にイラつくので先頭近くに横入りしてみた。
すると、オレンジ色のメガネをかけた男がぼくの脇腹を指で小突きながら、「頭悪ぃ奴が横入りすんなよナ!」と叫んだ。
列の後ろの方の奴ら全員がうんうん、とうなずいていた。


そんな、頭良いからって、そんなんおかしいよ。
あーかなりきつい。
きつい。
あーあ。
もう空腹どころじゃないし、帰ろうかな。
いやでも逃げたみたいになるよね。
なんかひとつ、こいつらに復讐して帰りたいな。
など、頭の中でじくじくと考えていると、いつの間にかまた最後尾にいた。
こりゃダメだ、と思い帰宅して、我が愛車・マキシマムヘザーMarkⅡを車庫からひっぱり出し、殺戮暴走モードをONにしてまたがる。


目的地は無酸素大学。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?