めっちゃ生きようとしてんなぁ、自分。
私は新卒でイベント会社に就職した。
この世に存在する全てのハラスメントを詰め込んだような、超ブラック企業だった。(笑)
まず出社すると朝一で上司に会議室へ呼ばれ、
1~2時間ほど売上ノルマや業務の進め方に
ついて詰められてからやっと自分の業務が
スタートする。
私は営業だったので、クライアントへの電話や
場合によっては新規顧客獲得のためのテレアポ
を行っていた。
もちろん、電話も1件かける度に
「ここがダメ、この言い方がダメ」
となにかしらダメ出しをされていた。
昼休憩を取ると「そんな時間あんの?」と上司に怒られるので、(やばすぎる)
コンビニで買ったご飯を自席で食べながら
資料を作成する。
そして午後はクライアントへの訪問をする。
この時間が唯一、上司や会社から
離れられるので、心が休まる時間だった。
訪問から帰ると、上司への報告がある。
当然そこでも「議事録の取り方が下手くそだ、
この質問の意図は何?」とか、とにかくいろんな所にケチをつけられ、ひたすら詰められる。
そのあと、残りの業務や上司から降りてきた業務をこなして終電で帰る。
そんな毎日を送っていた。
当然、体調も崩した。
倒れて入院もしたし、毎日のようにめまいや頭痛がしていた。
出社中に会社が近づいてくると動悸がし、お腹が痛くなり、ビルの入り口まで来て家に帰ったことも何度かあった。
そして何よりも心が死んでいた。
出社中は毎日のように「今ここで車に轢かれたら出社しなくて済むのに」と本気で思っていたし、趣味の読書も、友達と会うことも、何も楽しめなくなっていた。
季節の移り変わりに気づく余裕なんて無くて、桜が目の前で散っているのを見て初めて
「あ、今春なんだ。ってか桜咲いてたんだ。え、もう散ってるんだ」
と感じたくらいには壊れていた。
毎日気づけば涙が出て、将来のことなんかどうでも良くなり、毎日のように「今すぐ消えたい」とか「死にたい」とかそんなことを思っていた。
ただ、これはブラック企業経験者あるあるだと思うけど、当時はあまりにも追い詰められすぎていて、「辞めよう」という気力がなかったというか、自分でも不思議だが、その考えすら浮かばなかった。
そんな私がなぜやめようと思えたか。
それは、自分がめっちゃ生きようとしていると気づいたからだ。
消えたい、死にたい、と思っていたはずだったし、実際少しは思っていたと思うが、
毎晩終電で帰り、最寄り駅のコンビニで、これから食べる晩御飯と明日会社で食べるためのお昼ご飯を買っていた。
そして見る暇もないのに、ネトフリやアマプラなど、各種サブスクを毎月ちゃんと更新していた。
ある日突然、「自分、死にたいどころか、めっちゃ生きようとしてるじゃん。晩御飯買ってるってことは今日も生きようとしてるし、明日のお昼ごはん買ってるってことは明日も生きようとしてるじゃん。それどころかサブスクの更新までして、ちゃんと来月も生きようとしてるじゃん。」と気づいた。
もしかしたら、お昼ご飯を買うことで強制的に出社しないといけない状況を作り、
サブスクを更新することでいつでも外の世界に触れることができるという心の余裕を無理やり作っていただけかもしれない。
それでも、とにかく自分は生きようとしているんだと気づいた。
そして同時に、どうせ生きるならもっと楽しい人生を生きたいと思い、
翌日、私は退職を申し出た。
余裕が無くなると、自分の感情に飲み込まれてしまいがちだけど、
そんな時こそ、自分の本当の感情を見つめ直すのが大切だと学んだ。
めっちゃ生きようとしてんなー私。って思うと大体のことは割と乗り越えられる。気がしている笑
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