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小さな会社の社長は、この5つを手放すと上手くいく

  • 売上を上げなきゃ…

  • 集客しなきゃ…

  • 会社を大きくしなきゃ…

以前の私は、上記のようなことに悩まされていました。

詳しくはこの後お話しますが、その原因は、「執着」にありました。
執着を1つずつ手放していった結果、これらの悩みを解消し、今は楽しく充実した気持ちで仕事に向き合えています。

そこで今日は、私が実際に手放していったもの5つをご紹介します。


(1)他人の音楽を奏でない

仕事や人生は、「マラソン」のように捉えられがちです。

例えば、以下のように。

  • 明確な「ゴール」がある。

  • ライバルとの「勝ち負け」がある。

  • ゴールに「いかに早く」到達するか?が大事である。

しかし、あるとき私は、気づいたのです。

会社経営はマラソンじゃない。
音楽のようなものだ、と。

どういうことか?
分かりやすく解説しますね。

自分の音楽を奏でよう

音楽って、以下のように、いろいろなジャンルがありますよね。

  • クラシック

  • Jポップ

  • インディーズバンド

それぞれに、曲調も曲の長さも、まったく違います。

こういう、いわば「スタイルの違い」はありますが、そこに優劣・勝ち負けはありません。

例えば、クラシックはJポップより優れている、ということは、ないですよね。
「みんなちがって、みんないい(みつを)」なのです。

会社もそれぞれ。
社長もそれぞれ。
十人十色です。

扱っている商品・サービスも、社長の個性も、それぞれが持っているリソースも、価値観も、ぜんぶ違います。

他人の音楽を奏でようとすると、あなたらしさが失われ、「比較」「競争」「勝ち負け」に悩まされてしまいます。

「平均値」の無意味さ

Googleなどで「小さな会社の社長」と検索すると「年収(給料)の平均値」なども見つかりますが、この平均値ほど当てにならないものはありません。

それは、クラシックとジェイポップの平均値を出そうとしているようなもの。
無理ですよね。

もしかしたら、無理やり、CDの売上や曲の長さ、ファンの数などで、平均値が出せるかもしれない。
でも、そこになんの意味があるのでしょうか?

平均なんて意味がない。
「平均」という名前の人なんて、1人もいないのです。

だからこそ、自分の音楽を奏でることに集中しましょう。
他人の音楽を手放し、自分の音楽を奏でることに集中すれば、無駄に比較して落ち込むこともなくなります。

言葉を変えれば、「自分らしく在る」ということです。
禅で言えば、自分のダルマ(使命)に集中しよう、ということです。

(余談)フィンランドの学校教育

フィンランドは、OECD(経済協力開発機構)が行った学力テストで、2000年および2003年に世界一に輝いています。
さらに、2018年から2022年にかけて、5年連続で「幸福度ランキング世界一」を達成。

フィンランドは、面白いことに、日本とはまったく異なり、学校間の序列がありません。
つまり、日本で言う「いい学校」がないのです。
フィンランドでは「いい学校 = 家から一番近い学校」なのです。

点数による順位付けではなく、「一人ひとりの発達を支援する」「子供が自ら学ぶことを基本にする」という教育方針は、仕事の仕方についても、とても参考になると感じます。

(2)拡大に執着しない

私は以前まで、「小さい会社=発展途上」だと思っていました。
小さいのは、大きくなるための通過点なんだ、と。
未完成なんだ、と。

でも、人それぞれ体格や身長・体重が違うように、「小さいから劣っている」「大きいから優れている」わけではないと、腑に落ちました。

例えば私は、筋トレが趣味なのですが、以前は「身体が大きい方が優れている」みたいな思い込みがありました

言ってみれば、ボディビルダーのような身体こそ優れていて、自分はまだまだ劣っているんだ、みたいに感じていました。
そのために、無理な筋トレをして怪我したりしたこともありました

でも、筋トレを続けてきてやっと、「自分には自分の身体がある(ある意味、自分は自分でしかない)」ことに気づけました。

もちろん、目標があって、そこに向かって頑張るのは素晴らしいことだと思います

でもそれが、無意味に比較して落ち込んだり、今の自分を否定しているようなら、それは違う、ということです。

自分のサイズでいるメリット

私は、今の自分の会社のサイズがベストだと感じています。
以前は、「会社=大きくするのが当たり前」「売上=増やすのが当たり前」だと思っていましたが、今は違います

自分のサイズの中で、楽しく仕事できる範囲で、仕事する。

いくら大きなお金が入ってくる仕事でも、ストレスが大きくて、楽しめなくて、家族といる時間も笑顔で過ごせなくなってしまうようなら、その仕事は受けなくていいのです。

小さい会社でいることで、以下のようなメリットがあるように感じます。

  • 自分の使命に素直でいられる

  • ワクワクに飛び込める

  • すぐ方向転換できる

  • 心が平安でいられる

  • 子供たちのそばにいられる

  • なによりも、妻の笑顔が増えた。これで十分です。

逆に、大きいと、考えなきゃいけないことが増えます。

  • 利害関係

  • 損得勘定

  • 株式公開とかすれば、株主のことも(株式公開してない私が何言ってるんだ、という話ですが笑)

時として、売上のために、「顧客に必要なもの」よりも「自分が売りたいもの」を売ろうとしてしまうこともあるんじゃないか?
そんなふうにも思います。

もちろん、誠実にビジネスを続けていて、結果的に拡大するのは良いと思います。
でも、拡大を最優先するのは、ちょっと違う気がするのです。

拡大を手放し、目の前の仕事に集中し、楽しむことで、成果も自然とやってくる。
最近になって、やっとこれが腑に落ちた気がしています。

【結果自然成】

私が好きな禅語の1つが、この「結果自然成」です。

『結果に執着するなかれ。目の前に集中していれば、結果は自然とついてくる。』

この考え方を知ってから、結果を手放し、今に集中できるようになってきたと感じます。

(3)数字=あなたの価値、ではない

  • 売上が増えれば、幸せになる

  • 社員数が増えれば、幸せになる

  • フォロワー数が増えれば、幸せになる

以前の私は、こんなふうに思っていました。

でも、体感してわかったことがあります。
それは、幸せというのは、「何かを手に入れるから幸せになる」というものではない、ということです。

数字は、分かりやすいですよね。
例えば、「フォロワー1万人」と言われると、なんだか凄い人な気がしてきます。

でも、数字は、もろいのです。

仮に私のフォロワーが1万人にて、私が今日死んだら?
おそらく、誰も気にしないと思います。笑

でも、私の家族は、悲しんでくれるでしょう。
私は、そういう人達のために生きたいし、そういうご縁をつないで大切にしていきたいのです。

【数字に、何の意味があろうか?】

教育学者の福田成治さんは、以下のようなことを話しています。

『ペーパーテストは、他人の点数だ。(中略)しかも平均点だ。
英語と数学の平均点を出して、何が出てくるのか。
自分が何を学びたいか?が重要だろう』

これはそのまま、自分の仕事・自分の人生にも当てはまると感じます。
つまり↓

『数字は他人の数字だ。
そこと比較して、何の意味があろうか。
自分がどう生きたいか(どう在りたいか)?が重要だろう』

話を戻しましょう。

つまり、「幸せ=数字を伸ばすこと」に執着していると、幸せをずっとおあずけしているのと同じ、ということです。

数字は、自分の価値ではありません。
「売上が多いほうが優れた社長」ではないのです。(以前は私もそう思ってしまっていました^^;)

私は、子供が生まれて親になったことで、一人ひとりの本質的な価値に気づけました。

親は、子供がテストの点数で何点とっても、変わらず愛しています。

  • サッカーの試合の点数

  • もらった賞状やトロフィーの数

  • 友達の数

そんな数字に関係なく、愛しています。

そしてこれは、自分も(あなたも)同じ。
数字なんて、クソ喰らえ、です。

幸せは、「Do」「Have」ではなく「Be」

ブッダの言葉に、以下のようなものがあります。

たとえ貨幣の雨を降らすとも、欲望が満たされることはない。
『快楽の味は短くて苦痛である』と知るのが賢者である。

ブッダ

例えば、お金に関して言えば、とある研究によると、人はいつも「あと20%」欲しがるそうです。

どこまで稼いでも、あと20%。
つまり、どこまでいっても、欲望は満たされないのです。

ひすいこたろうさんが「成功は築くもの、幸せは気づくもの」と言っていましたが、まさにその通り。

~する(Do)から幸せ。
~を持つ(Have)から幸せ。
そういうものではないのです。

幸せな人は、在り方(Be)が、すでに幸せ。
言葉を変えれば、「足るを知る」ことが幸せのスタートであり、そのままゴールなのです。

幸せは、高揚感や達成感の中にあるのではありません。

小確幸(しょうかっこう)という言葉があります。
村上春樹さんの造語ですが、「小さいけど、確かな幸福」という意味です。

  • 子供の寝顔を見られる

  • 今日も仕事ができる

  • 仕事から帰ってくると妻がいる

まさに、「足るを知る者は富む」なのです。

この世は諸行無常です。
すべてが常に移り変わっていき、コントロールできるものはなく、変化し続けています。

その中でも私は今、大切なものに恵まれている。
全てが変化する中で、不思議なご縁でつながれている。

その奇跡・有り難さに感謝することで、すでに幸せであることに気づけます。

数字を手放し、当たり前のようにある目の前の奇跡に感謝する。
私も日々、肝に銘じています。

(4)集客を手放す

Web集客コンサルタントである私が、こんなことを言うのもアレなのですが…

一般的に「集客」というのは、ある意味「与えてほしい」思考が根っこにあります。

  • お客様に来てほしい

  • 自社の商品・サービスを買ってほしい

  • たくさんお金を使ってほしい

このような「くれくれ星人」には、人もお金も集まりません。

そうではなく、「与える」。
仏教でも、以下のように、「与えるものは与えられる」と説かれています。

貧しさから逃れたければ、人のために惜しみなく与えなさい。
施すからこそ、自分が豊かになれるのです。

ブッダ

では、「与えて集客する」というのは、どういうことなのか?

例えば、「ブログやポッドキャストなどで、役立つ情報を発信する」というのも、与えるの1つです。
他にも、「既存のお客様に、手書きでお手紙を送る」というのも、与えるの1つです。

こういうお話をすると、以下のような質問をいただくことがあります。

情報を与えたら、買ってもらえなくなるのでは…?

例えば、私のようなコンサルタントや、士業(税理士や行政書士など)、コーチといった職業は、形のない無形サービスを扱う仕事です。

すると、こんな質問をされます。

『自分のノウハウを公開してしまったら、お客様が自分でやってしまって、依頼が来ないのではないでしょうか?』

結論から言いますと、これは杞憂です。
ノウハウを公開しても、お客様はちゃんと来てくれます。
むしろ、あなたに合う素敵なお客様が集まってきてくれます。

ここでは、ダイエットを例にあげて解説してみます。

ダイエットや筋トレの情報は、世の中に溢れていますよね。
本屋さんに行けば、ダイエット本がズラリと並び、Youtubeなどでも解説されています。

しかし、肥満で悩んでいる人は、ゼロになりません。
そのような中、パーソナルトレーニングの人気が、どんどん高まってきています。

一般的に、パーソナルトレーニングは高額なのに、なぜ人気なのか?
情報が無料で手に入るのに、なぜ高いお金を払って、パーソナルトレーニングに通う人がいるのか?

それは、「個別の悩みが出てくるから」です。

ダイエットをしていると、以下のような悩み・疑問・不安がどんどん出てきます。

  • 「体重が思ったように落ちない」

  • 「夏までに痩せたい」

  • 「ジムに行っても、何をしていいか?分からない」

  • 「トレーニングの仕方は、これで合ってる?」

  • 「最適な食事プランは?」

情報は溢れていますが、それらはあくまで、一般論。
実践し始めると、個別の悩みが出てくるのです。

パーソナルトレーニングは、これらの悩みを解消してくれる、嬉しいサービス。
だからこそ、高額でも売れるのです。

そしてこれは、パーソナルトレーニングだけでなく、すべての商品・サービスで同じです。

ある意味、無料の情報は、「地図」のようなもの。
でも、多くの人は、地図だけで一人で歩くのは不安なのです。

そこに、あなたが隣で一緒に伴走していくイメージ。
これが、商品・サービスの在り方です。

【情報を出せば出すほど、いいお客様が集まってくれるワケ】

そもそも、情報だけ知って満足する人は、あなたのお客様ではありません。
そういう人に、無料相談とかに来られて、いろいろ質問されて、「検討します」と言われたら、あなたの大切な時間が無駄になってしまいます。

だからこそ、あなたが情報を出すことで、「情報だけ知りたい人」と「やる気がある人」をふるい分けする必要があるのです。

情報を知った。
自分でやってみた。でも上手くいかなかった。
(もしくは、難しそうで自分では無理だと悟った)

そういう人は、ある意味「やる気がある人」です。
そういう人にこそ、あなたの商品・サービスを使ってほしくないですか?

「与えてほしい!」という想いで集客するのを手放す。
そして、ひたすら「与える」ことに集中する。

そのほうが、やってて楽しいですよ^^

(5)苦手を克服しない

日本は「苦手を克服する」ことを重視しがちです。
90点の数学を褒めるのではなく、65点の国語を改善しようとするのが日本です。

でも、苦手を克服しても、大した結果は得られません。
せいぜい、人並み程度になって終わりです。

そうではなく、「強みを伸ばす」のです。

例えば私は、営業が苦手です。

営業の場に立つと、「売り込みだと感じられて、お客様に嫌われちゃうんじゃないか…?」と不安で仕方ありません。
その不安はお客様にも伝わってしまい、結果、上手くいきません。

なので私は、営業を手放しました。
そして、自分が得意な「コピーライティング」を伸ばすことに決めました。
結果、今では営業ゼロで受注できるようになりました。
本当にありがたいことです。

もし私が、苦手を克服しようとして、営業の勉強を頑張っていたら?
「営業スキルは必須!だって、他の社長も頑張ってるんだから」と信じ込んで、(無駄な)努力を続けていたら?

きっと、今の私はないでしょう。

あなたの「強み(才能)」の見つけ方

強みとは、後付けのものではありません。
努力で身につけるようなものではありません。

あなたにもともと備わっている、生まれつきのものです。

英語では、強み(才能)のことを「Gifted(ギフテッド)」と読んだりしますが、まさに「ギフトされた(授かった)もの」なのです。

強み(才能)を見つけるには、いろんな方法がありますが、その中の1つをご紹介します。

以下を、自問自答してみてください。

努力しているつもりはないのに、なぜか人に褒められること・喜ばれることは、何ですか?

あなたの強み(才能)を見つける質問法

例えば私は、中学生の時、同級生の女の子に数学を教えて、すごく喜ばれたことがあります。
これは、私に「教える」という才能があるからです。

私は、「教え方」を、どこかで学んだわけではありません。
それでも、自然と「分かりやすく教える」ことができる。

これは、私の才能です。
そして私は、「教える」のが大好きなのです。
だからこそ私は、ポッドキャストやセミナー、動画講座など、「教える」を発揮できる仕事を中心にしています。

「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、まさにその通り。
以下のような言葉からも、明らかです。

天才は努力家に勝てない。 努力家は楽しんでいる人に勝てない。

孔子

努力を努力だと思っている時点で、好きでやってるやつには勝てないよ。

イチロー

小さな会社の唯一の差別化は、社長自身です。
そして、「社長が好きなこと・得意なこと」こそ、小さな会社の一番の差別化ポイントになります。

苦手を手放しましょう。
好き・得意を伸ばしましょう。

まとめ

それでは、今日の内容をまとめます。


(1)他人の音楽を奏でない
仕事・人生は、マラソンではない。
音楽に「スタイルの違い」はあるが、そこに優劣・勝ち負けはない。
自分のスタイルに集中し、楽しもう。

(2)拡大に執着しない
小さいのは、大きくなるための通過点ではない。
自分に合うサイズがある。
「結果自然成」目の前に集中し、サイズはその結果決まるもの。本末転倒にならない。

(3)数字=あなたの価値、ではない
DoやHaveに幸せはない。
幸せは、気づくもの。
「足るを知る者は富む」数字に振り回されず、目の前の奇跡に感謝。

(4)集客を手放す
「与えてほしい」姿勢は、お客様に伝わってしまう。
「与える」ことで、あなたに合うお客様が集まってくれる。
情報を与えても、お客様は減らない。むしろ素敵なご縁が結ばれる。

(5)苦手を克服しない
苦手を克服しても、せいぜい人並み程度。
あなたらしさは、好き・得意の中にある。
「努力していないのに、褒められる・喜ばれること」にヒントがある。


小さな会社の社長さんは、みんな、頑張っています。
でも、もしそれでも、悩みが尽きないのであれば…。

解決策は、「足し算」ではなく「引き算(つまり、手放す)」です。

やることを増やして、自分を追い込んでも、悩みが増えるだけです。
それはある意味、アクセルとブレーキを同時に踏み込んでいるようなもの。
頑張れば頑張るほど、オーバーヒートしてしまいます。

そうではなく、無駄なものを手放していく。
アクセルとブレーキを同時に踏み込んでいる状態から、ブレーキを徐々に弱めていく。
すると、アクセルはすでに踏んでいるわけですから、勝手に進んでいきます。

私も、ここでお伝えした5つを手放したことで、ブレーキが外れた感覚があります。

すると、今までと同じか、それ以下の時間(努力量)でも、今まで以上の成果を出せるようになる。
これは、私も驚きでした。

きっと、周りからは、努力しているように見えていると思います。
でも、私の感覚は、「楽しんでいる」に近いです。

ポッドキャストで話すのも、セミナーで話すのも、動画講座を作るのも、そしてこのnoteを書くのも。
私にとっては、ある意味「遊び」に近いのです。

【遊ぶ=本来の在り方】

「遊ぶ」という言葉は、もともと仏教に由来しています。
別の言葉で言えば「遊ぶ=自由自在な活動」とも訳せます。

誰かから、ああしなさい、こうしなさい、と強制されるのではなく、仏の境地に至った人(つまり、悟った人)が気の向くままに出会った人を助け導き、そして自らもまた喜びに至る。

これが、本来の「遊ぶ」だそうです。
私もこれからも、「遊ぶ」の感覚を大切にしていきたいと思います。

このnoteを読んで、あなたが執着を手放し、より身軽になれることを、心から願っております。


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