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【社会保険労務士試験独学合格体験記 補足編】 テキストの内容を理解するためのポイント②

こんにちは、Nomです。

前回の記事は、補足編の導入として「”保険”と”労務”」のポイントを簡単に書きました。

これから、社会保険労務士試験で出題されるメイン科目である、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険・国民年金における、”保険関係に共通した考え方(=保険の原理)”について記事を書いていきます。


まず、「保険」とは・・・

大きなリスクや障害などについて、多くの人たちで少しずつ負担して、少ない確率にあたってしまった場合、その人の負担を軽減しようとするシステム

「一人の災難を大勢が分かち、わずかの金を捨てて大難を逃れる制度」
(福沢諭吉)

今から、社会保険労務士試験で出題されるメイン科目である、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険・国民年金において共通することを、次の7つの項目に分けて、それぞれ簡単にポイントを書いていきます。

1.目的条文
2.保険者

3.被保険者
4.保険料
5.保険給付
6.手続方法
7.不服申立て・時効・罰則

今回の記事では、「1.目的条文」「2.保険者」「3.被保険者」について書いていきます。

1.目的条文

目的条文に頻出する語句とその特徴についてです。

①「福祉の”増進”」と「福祉の”向上”」

・「福祉の増進」・・・主に労働者災害補償保険法・雇用保険法などの労働に関係する保険で出てきます。
・「福祉の向上」・・・主に健康保険法・厚生年金保険法などの社会保険で出てきます。

②「”生活の”安定」
主に雇用保険法・健康保険法・厚生年金保険法にあって、金銭給付がある保険で出てきます。
しかし、労働者災害補償保険法には、休業補償給付や障害補償給付で金銭による保険給付がありますが、労働者災害補償保険法の目的には、「生活の安定」という語句は出てきません。労働者”災害補償”保険法は、もともと労働基準法にある”災害補償”、労働災害に遭った労働者の稼ぐ能力を補い償う(補償)ことを使用者に義務付けているものを保険にしたもので、「生活の安定」ではないからです。

③「”雇用の”安定」と「”職業の”安定」
主に雇用保険法で両方出てきます。
・「雇用の安定」・・・限定的で狭い概念
・「職業の安定」・・・非限定的で広い概念
…と言われてもざっくりし過ぎているので、
まずは、雇用保険法の目的条文とともに説明します。

(雇用保険法 第1条)
雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。

どちらにしても、「雇用の安定」「職業の安定」の前に、「労働者の」とありますが、
前者「雇用の安定」に係る「労働者の」というのは、雇用保険の保険給付が受けられる労働者を指しています。前段の条文には、”失業した場合”、”雇用の継続が困難となる事由が生じた場合”、”職業に関する教育訓練を受けた場合”とあって、この3つそれぞれの保険給付を受けられる労働者(=被保険者)は限定されています
後者の「職業の安定」に係る「労働者の」というのは、”失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上”という雇用保険二事業(雇用安定事業・能力開発事業)のことを指し、今現在勤めている労働者の他に、これから労働者になる者も含まれているので広い概念となります。

④「寄与」と「資する」
・「寄与」・・・直接的な目的
主に労働者災害補償保険法・健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法に出てきます。簡単にいえば、金銭で直接給付をすれば被保険者の目的が達成できるということです。
・「資する」・・・究極的な目的(誰かがそれを応援するという意味合い)
主に雇用保険法に出てきます。例えば、”失業の予防”や”雇用状態の是正”といったことは、金銭給付してできるような簡単なことではない究極なことで、国がバックアップしたりサポートが必要なことだということです。

2.保険者

基本的に管掌(保険を運営)しているのは、国や政府です。
その管轄をしている省庁は厚生労働省です。
ただ、その厚生労働省も膨大な業務を抱えているので、もちろん下級の行政機関などに権限を委任しています。
大まかに国会で法律を制定改正し、その中で細かい事務に関することを政令(内閣)や省令(厚労大臣)で決め、解釈に関することなどは、通達という形で、下級行政機関の労働基準監督署や公共職業安定所などに流していくような上意下達システムになっています。そして、行政機関はそれぞれが縦割りであるということを頭にいれておきましょう。
何かの保険給付を決定する権限が誰にあるのか?、この判断基準は誰が決めているのか?といったことは、必ず押さえておく必要があります。

そして、国や厚生労働省は、様々な権限を下級行政機関、健康保険でいえば全国健康保険協会や各健康保険組合に委任していますが、権限を委任するということは、事業の運営状態をどうだったのかということを報告する義務があるということになります。この報告する義務についての論点からの出題は毎年あります。

3.被保険者

保険給付を受ける者であり、保険料を支払う者でもあります。
誰でも彼でも被保険者の対象となるわけではないし、健康保険での被扶養者の対象となるわけではないので、その範囲をしっかり押さえておきましょう。

以上です。
次回は、「4.保険料」と「5.保険給付」について書きます。

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