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近況とかとかとか

オンラインイベント用にnoteのリンクを貼ったので、書き込みをしておきます。最近考えていることをつらつらかきます。

おなじみの人はこんにちは。初めての人ははじめまして。
義仲調べて35年(いやもう…40年が見えてきた…)西川です。

同人歴もほぼ同様というか、同人歴こそ40年超えてる…か…(@_@)
地方出身なので、コミケやコミティアの草創期には立ち会えていないのですが、コミティアは12ぐらい?から7割程度参加しています…こないだ148でしたっけ…

なんでまたずーっと活動しているのか、たまに聞かれるのですが「木曽義仲」に関して、自分が納得がいく本をいまだに!35年以上も経つのに!作れていないからですね!!!

なんてこった…orz

予定を立てて粛々とやっているように見られがちですが、締切ギリギリにならないとだらだらしてしまうタイプなのです。
ここまで、納得がいく義仲ストーリー漫画のネームが出来上がらず、書いてはやめ、書いてはやめをくりかえし、横田河原合戦はペン入れしたのも含めてもう3回以上戦っていますが、その後になかなか進めないでいます。
人生の締切ギリギリが見えてきて、もうさすがに。
今描かないと書けないまま終わる…と焦りを感じています。

とりあえず今回、リハビリを兼ねて巴御前の「能」をコミカライズして、出来上がって数か月たった今見ると、穴も多いのですが、何とかやり切れてほっとしています。



私は10年以上前、ケータイコミックの時代に連載作家でした。
とにかく「プロとして仕事をしたい」というのを一番大事に考えて、書きたいものは封印。電子書籍でウケるために、とにかく必死にアイデアをひねり出し、そんなに面白い人間でもないのに「漫画は面白くなくては、読者を驚かせなくては」と走ってました。
奇をてらった企画は結果を出しました。結果が出たからこそ、走りました。

でも
長く走れる人は水分補給が上手くペース配分が上手い人です。
私は短距離の勢いで走り出してしまったので、補給もペース配分も失敗し、故障しました。

その上、結果を出せていたレーベルがふっとびました。

いろいろショックが重なり、筆を折りかかったのですが、声をかけて下さった木曽町でほそぼそと連載をさせてもらいました。
たった4コマを一か月に一回、それでもとても大変でした。
故障したのは心だったので。

10年近くに渡り、連載をさせて下さった木曽町には感謝しかありません。「平家物語の木曽義仲」という漫画冊子はそんな感じで出来上がった一冊です。

義仲の研究の方は、ネームを描いては没を繰り返している間、心の支えであり、ひたすら続けていました。当初義仲とその周辺からはじまり、文学、史学、伝承、今では江戸時代などの受容について興味をもっています。
その結果、同じく木曽町で顕彰館のリニューアル事業に関わらせていただきました。




漫画と研究と並行してやってきたのですが、40年近く考え続けてきて「歴史」を伝えるというのは、とてもとてもとても難しいということに絶望しています。

「歴史」という概念自体が、非常に多様な解釈ができ、立ち位置によって全くとらえ方が違うのですが、それが認識されていません。一般の方も専門の方もです。「歴史」には何らかの正解があり、自分が知っている歴史こそが正しいと思っている人がどれだけ多いことか。そのため軋轢が起きます。

中学校教諭だった経験から、歴史知識を理解してもらうこと、それ以前に興味をもっていただくことの難しさを痛感しているのですが、歴史が好きな人は歴史に興味がない人をリアルに想像できません。自分が好きなものを羅列すれば興味をもってもらえ、伝わると勘違いしています。

伝わりませんて。

古いものを並べたり、説明をただ書いても、何も伝わりません。
歴史好きには、とても楽しいですが。
興味をもたせる工夫、伝えるための技術を真剣に考えなくてはいけないんです。

歴史が好きな人、歴史に興味がある人は、現代の世では、ほんのわずかです。ほんのわずかの人たちしかいないのに、なにかのネタをきっかけに、いろんな立場の人がののしり合い、もめているのを見ると、悲しくなります。
そしてそういう行動が、歴史に興味をもった人を歴史から遠ざけていることを自覚してほしいです。


だからこそ、漫画という表現に望みを託して、「歴史の面白さを絵や物語で伝える」べく並行して取り組んできたのですが、残念なことに私の才能が足りませんでした。
才能がある人の面白い作品でも、なかなか読んでもらえなかったり続かなかったりしているのも多く見かけますが、でも、まだ、絵やものがたりには力があると信じたいです。

私はもう人生の締め切りが見えて来てしまったので、より面白く、人に伝える努力をしている時間は無くなってしまいました。
なので、面白くなくても、伝わりにくくても、今の自分ができる作品を描かなければ、もう終わってしまうので、義仲の物語をきちんと最初からストーリーで描いていこうと思います。

もし興味があったら、同人誌イベントでは「紅丸組」をおたずねください。
また何か描いたらnoteでもお知らせしたいと思います。

https://rookie.shonenjump.com/series/EmTZ65sZutA/EmTZ65sZu5Y


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