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心の渦

誰に対しても感情移入するなとは思っていた。
人ではなく、その味わった感情を知っているからだ。

自分の感情がたくさんあればあるほど
人格のようなものもたくさん生まれてきて、
感情ごとに人を選んで演じてるのだとしたら
全部を見せられているわけではないということ。
その場にはその場にある自分でしか見せられない、
つまりは感情の分だけ居場所を分散しているのではないか、なんだかそう思ってしまった。

きっと本来なら居場所は一つあればよくて、
その場所が何より安全地でそこから人は動き出す。
でも、定まらない不安定地は心も安定させなかった。
見せられないことは自分をも統一できないこと、
悲しみは色んな感情をも生んでしまうのだろう。

何もかもが渦巻いて気持ちの揺れ続ける世界に酔う。
ただ美しい世界が見たかっただけ、そう心から思う。
何にもいらないとは、何の期待すら捨ててでも
そんな世界を見たかったと願うことなんだろう。

力むことは疲れきってしまう原因だ。
でも、そうでもしないと乗り越えられない自分もいた。
食べものよりも味わっているのは、この心だった。
もっとラクに、もっと軽く、もっと穏やかに生きたい。
美味しい空気が吸いたいと思うのはここからなんだなぁ

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