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顔認証の「生活ゴミ分類収集ステーション」登場、ゴミ収集もAIの力で劇的な変化

清掃事業にAIによるデータ分析を加えたIOTを導入し、大幅な効率化を達成しようというソリューションが紹介された。収集車がAIの指示に基付いて、効率的な収集活動を行う。

2015年以前の日本ネットには、中国の「民度」を指摘する言説が多く、その代表とされていたのは、医療とゴミの前近代性だった。たしかに当時の中国人は、ゴミをそこら中に捨て散らかし、「清掃員が失業したら困るだろ。」と放言していた。

2013年以来、習主席はたびたび、ゴミ問題について言及している。2016年には中央財経領導会議において、ゴミ分類の普遍化を指示した。「米国やロシアの大統領が、こんな事にまで口を出すか?」等の反発や疑問を引き起こしつつも、海外ゴミの搬入禁止や“トイレ革命”など、環境改善は着実に進んでいった。

沿海部の山東省・青島市のケースを見てみよう。北京、上海、深圳、広州の一線級都市に次ぐ15の“新一線級都市”の1つである。

同市では2013年、各戸に緑とグレーの小さなゴミ箱を配布した。当時は誰も相手にしなかったが、啓蒙の効果はあった。やがて町中の集積所、公共のゴミ箱も分別方式に変わった。

やがてスマホアプリが発達し、写真を取れば、どの分類か教えてくれる時代になる。

そして今年6月の最新ニュースでは、「ゴミ出しも顔認証!」の見出しが躍った。

青島市中心部の広場に「生活ゴミ分類収集ステーション」が登場した。コミュニティの最前線で分別を行う。顔認証されると、カバーが開き「ゴミを捨てて下さい。」と声が流れる。リサイクル可能ゴミというアイコンをクリック、ゴミを投入すると、「完了、ポイントを確認して下さい。」となって完了する。

ユーザーはまず「人像采集」アプリに顔を登録をする。次に「分類収集ステーション」アプリをWeChatミニプログラム上にアップしておく。そうしておけばミニプログラム上で事前の操作が可能だ。現地では顔を差し出すだけでよい。

コミュニティ内のゴミ分別に関する住人数、1日当たりの量、ゴミ箱の必要数などの問題が一目でわかる。ある女性利用者のコメントは、便利かつ、ファッショナブルな感覚、というものだった。この7年で劇的に変化した。

すべての住民が、このステーションへゴミを持ち込めば、収集は実に簡単となる。中国の地方政府はAIの社会実装を競うように進めている。働き方改革ばかり関心を向けていては、引き離されるばかりだ。

コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/