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定型業務自動化のRPA事業、中国ベンチャー投資の焦点に。日本はカヤの外?

中国では、定型業務自動化のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ベンチャーに注目が集まっている。ベンチャー投資業界では、最も有望な投資対象の1つとなっている。

今回の「蜻蜒智能」の他に、「芸賽旗(i-SEARCH)」「弘璣(CYCLONE)」「雲拡科技(Encootech)」「Uibot」「阿里雲」などの企業が知られている。中でも「雲拡科技」は、ここ2年連続して3回の資金調達に成功し、検索エンジンでも真っ先に登場する。公式サイトからその活動状況を探ってみよう。

「雲拡科技」は2017年、上海で設立された。従業員は数百人、上海、北京、深圳、西安、蘇州及び東京に研究開発センターがある。外部の開発者を含めると5万人。すでにサービスを提供している企業は、金融、エネルギー、電信、製造業、物流、小売、不動産など100社以上にのぼる。

中核メンバーは、マイクロソフト、阿里雲、テンセント等の研究部門出身で、“強大なRPA+AIの専門化集団”と謳っている。また国家高新技術企業と、マイクロソフト提携パートナーの認証を取得した。

「雲拡科技」は自らのアドバンテージとして以下6点を挙げている。

1 効率的なプロセス
2 企業向けRPAプラットフォーム
3 オープンRPAエコロジー
4 先進的人工知能
5 柔軟性の高い展開モデル
6 専門的なサービス能力

さらに業界別の応用を詳しく解説しているる。売上の25%を占めトップという金融業を見ると、

1 帳票の真贋チェック、合法性確認
2 商業信用の評価
3 部署を超えたコーポレート・ガバナンスのチェック
4 担保融資の申請
5 固定資産の評価
6 決算

をRPAが行うとある。業務プロセスの短縮、ルール遵守の厳格化、経営コストダウンに有効だ。そして“某国有大型銀行”の導入成功例を挙げている。

「本店は支店からの各種データを手動で取得し、手動で統計を取ることが多かった。また信用審査も手作業の集計で、ルール通りに行われたか疑問の上、ミスも多かった。」
「RPAの導入により、支店データは自動的に取得できるようになった。ルールに沿った信用スコアも自動的に生成する。作業量の大幅削減と、データの正確性がアップした。」

今後はRPAにAIを組み込む形で、新しいビジネスインフラを目指す。日本市場では、NTTやRPAテクノロジー社が展開している。しかし、勢いのあるベンチャーがいくつもある、という状況ではないようだ。

コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/