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中国ユニコーン企業トップ100社ランキング

2020年2月末、中国のネット調査研究機関・艾媒咨詢(iiMediaResearch)は、「2020中国独角獣)榜単TOP100」を発表した。ユニコーン企業(企業価値10億ドル以上、未上場、設立10年以内のテック企業)のランキングだが、全部で何社あるかについては触れていない。
これは常に議論になり、昨年の胡潤研究院「2019胡潤全球独角獣榜」では206社(米国203社)、米国CB Insightの「全球独角獣公司榜単」では94社(米国156社)である。ここではその真偽には立ち入らず、取り上げられた中国100社を分析しよう。

■日本は3倍増で6社

その前に日本である。日本のユニコーン企業数は、成長産業支援のフォースタートアップスによれば6社である。これでも前年の2社に比べれば3倍増となった。

1 プリファードネットワークス AI関連
2 クリーンプラネット     水素エネルギー
2 TBM            新素材
4 リキッドグループ      仮想通貨
5 スマートニュース      ニュースアプリ
6 TRIPLE-1         半導体

各業種1社ずつであり、業界の傾向はわからないし、地域分析もあまり意味はない。

■中国企業100社の分析

まず分野別の分析から

人工智能分野 20社
商湯科技(センスタイム)、深蘭科技等
ネット通販分野 14社
小紅書、毎日優鮮等
金融テック分野 10社
螞蟻金服(アント・フィナンシャル)、陸金所等
自動車交通分野 10社
小桔科技(滴滴出行)、曹操専車等
メディア娯楽分野 7社
字節跳動(バイトダンス)、快手科技等
医療健康分野 6社
聯影医療、微医雲等
物流サービス分野 6社
菜鳥網絡、豊巣科技等
企業サービス分野 6社
八戒網絡、淘友天下等
機械設備分野 4社
大疆創新(DJI)、魅族等
不動産サービス分野 4社
小屋信息、小猪短租等
教育サービス分野 4社
小船出海、猿力教育等
情報技術分野 3社
奇安信、華雲数居等
ソフトサービス分野 3社
麒麟合盛、連尚網絡等
観光サービス分野 2社
馬蜂窩、途家網

地域別では

華北地区 42社 
(北京39社、天津3社)
華東地区 30社 
(上海20社、杭州8社、南京1社、無錫1社)
華南地区 21社 
(深圳15社、広州5社、珠海1社)
西南地区 6社  
(成都3社、重慶2社、貴陽1社)
西北地区 1社  
(西安1社)

北京、上海、深圳で3分の2を超えている。

■トップ10(1ドル=6.9人民元換算)

1位 螞蟻金服 金融テック    杭州  2070億ドル
2位 字節跳動 メディア娯楽   北京  750億ドル
3位 小桔科技 交通       北京  580憶ドル
4位 陸金所  金融テック    上海  390億ドル
5位 菜鳥網絡 物流サービス   深圳  290億ドル
6位 快手科技 メディア娯楽   北京  290億ドル
7位 大疆創新 機械設備     深圳  240億ドル
8位 微衆銀行 金融テック    深圳  220億ドル
9位 比特大陸 ブロックチェーン 北京  140億ドル
10位 小屋信息 不動産サービス  天津  100億ドル

日本の6社は、プリファードネットワークスが30億ドル、他は10億ドルのギリギリレベルだ。中国は100億ドル以上のデカコーン企業(企業価値100億ドル以上)が10社ある。スケール感はまったく違う。

■まとめ

人工智能分野の20社はもちろん、それに続くネット通販14社も、新零售(ニューリテール)の完成を目指すイノベーターばかりである。

日本のユニコーン企業の少なさを、気にするな、という論調もあるが、果たしてどうか。中国のユニコーン企業は、現在も、そしてこれからもイノベーションの担い手である。手をこまねいている場合ではないだろう。


コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/