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沼津市議会とタケノコ問題:農家からの視点

沼津市議会が再び注目されています。今回の焦点は「タケノコ問題」。農家が20年前に沼津市に土地を譲った際の取り決めに端を発しているこの問題。江本市議が「自身の土地と隣接する市の土地でタケノコを収穫し、販売している」と発言したことから、議論が巻き起こりました。

明らかに、他人のものを利用して利益を得るのは問題。しかし、農家の日常を理解すると、江本市議の行動には一定の理由があるのです。

実際、私も農家の仕事に従事しています。画像からも分かるように、茶の木と混ざって茂る茂み。
その中には笹の葉も含まれ、これらの葉は収穫の際、茶葉に混ざってしまう。この葉を取り除く作業は非常に手間がかかります。特に、笹の葉は春から夏にかけて多く落ち、茶の木の近くで舞うため、取り除くのに2,3人がかりで1-2時間がかかることも。

中山間地域の農園や農家では、隣接する他者の土地の草木管理も、その土地の持ち主の責任として行われているのが現状です。その背景には、他者の土地の雑草や木が自分の農地に悪影響を及ぼすことを防ぐという思いがあります。

下記の画像から分かるように、茂みに隣接した形で茶の木が植えられています。こういった木から落ちる葉っぱは、収穫の際に茶葉に混ざるのを避けるため人の手で1枚1枚取り除く作業があります。

静岡朝日テレビニュースYoutube動画より抜粋

特に笹の葉は、一番茶や2番茶を収穫する春から夏にかけて多く落ち、またひらひらと回転しながら葉が舞うため、真下だけではなく4〜5メートル程飛ぶこともあります。

もちろんブロワーなどの風で飛ばすこともできますが、あまり強い風で吹いてしまうと茶葉が折れて、酸化が進み変色してしまったりと茶葉によくないため、手で取り除くことが面倒だが確実という背景があります。

そこで問題となるのが、市の所有する土地の管理。

江本市議が市の土地でタケノコを収穫したことは問題視されるべきでしょう。ただ、その行為を批判する前に、市の職員が隣接する農地に影響が出ないよう管理する必要があるのではないでしょうか? そう考えると、市が土地の管理にかけるコストも考慮するべきです。

結論として、私は市議や市のどちらの側も批判せず、一農家としてこの問題を客観的に伝えたいと思っています。

この問題についての皆さんの意見や感想を、コメントでお待ちしています。

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