見出し画像

「お客様はもう増えない!だから接客で客単価を上げなさい/成田直人著」ビブリオエッセイ

このタイトルを見て、読むかを躊躇した。
客単価を上げる?
売りつける?
いやだなぁ、そんな売り方は、と思ってしまったからだ。

縁あって手元に来た一冊。
とりあえず読み始めてから読破するかを考えればいいか、と1ページを開いた。
「売れば売るほどお客様満足度はあがる!」

売れればいい、売れたら後は関係ない。

それでは、お客様は幸せにはなれず、満足度が低い。
今、喜んでもらうのは当たり前。
もう少し、想像力を働かせて、その商品を持ち帰った後に、お客様に満足してもらえるかを考える。

たしかに、ひとつお買い上げいただいたお客様も嬉しそうにしてくれるけれど、客単価の高いお客様は満足そうな顔をしてくれる。
「お友達にも上げるのー」
と言われれば、お裾分けを自信を持ってしていただけるようにちょっとおしゃれな袋をつけたりする。
そうすれば、目の前のお客様はさらに喜んでくれるし、きっと、お友達に差し上げた際にもしあわせな気持ちになるはず。

色々な商品(うちは、パンと焼き菓子)を用意することで、お客様は迷う楽しみ、あれもこれも食べたくなる喜び、どうせなら家族分を買っていこう、今寄るお宅へも持っていこう‥と、客単価があがっていく。
それは、もちろん私も嬉しいが、お客様は本当に嬉しい顔を見せてくれる。
種類が少ない時は、がっかりされるし、私も申し訳ない気持ちになる。

客単価を自分の利益のためだけに上げるのはどうかと思う。
が、お客様の笑顔が大きくなるなら、大いに客単価を上げる工夫はやるべきだ。

この記事が参加している募集

#読書感想文

188,615件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?